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ECRRの福島リスク計算は妄想の産物 2/3

ECRRの福島リスク計算は妄想の産物  2/3


■トンデルのデータそのままでは、汚染濃度60-79kBq/m2のところでは癌はちょっとだけ減る。
ここで問題が出てきます。この場合、データを載せているので計算ができてしまいます。生データからそのまま計算すると、60-79kBq/m2のところでは0-3kBq/m2のところに比べて、発癌比率がほとんど同じ。男は、102.3%ですが、女は97.6%。図では分からない程度ですが、男女合わせると、99.6%で、少しだけ減っています。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110520093214


■トンデルのデータそのままでは、汚染濃度60-79kBq/m2のところでは、死亡者数は1割減る
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110520093309

これが、全死亡になると、もっと変なことになって、増えているのは、40-59kBq/m2と、80-120kBq/m2のところだけ。残りの死亡率は減っていて、『問題の』60-79kBq/m2のところは1割以上も減っています(0-3kBq/m2のところと比べて88.9%)。『低レベル放射線は体に良い』と放言していた人がいましたが、これではまるでその通り、放射線ホルミシスです。これで困ったので、彼等は数字を*補正*することを思いつきます。


■都会に住むだけで癌は5-16%増える
これがトンデルの出してきた、補正一覧です。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110520093343

左側の拡大。最初の欄Aをみると、人口密度が40人/km2以上になるだけで癌のリスクは1.09から1.10になります。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110521115727

ちなみに、トンデルはもっともらしい数字を出そうとしてこんな補正を出してきたのでが、トンデルの主張を両方とも真に受ければ、『100kBq/m2の放射能汚染によるリスク(11%の増加)は、都会に済むリスク(10%の増加)とだいたい同じ』。ECRR風に言えば、『都会は人間で汚染されている』ということになるでしょうか。二番目の欄BのH regionというのは、コミュニティの分類(農村とか、都会とか)によっておこる癌のリスク。三番目のCは、肺がんのリスク。これで大気汚染とか、喫煙のリスクとかを代表させていると主張しています。4番目のDは、86-87年の全癌のリスク。

右側の拡大はこんな感じ。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110521115910


■補正を重ねた数字に、有意差なし。
放射能汚染で癌がおこるためには、『問題の』60-79kBq/m2のところでも癌が増えてもらわねばなりません。それで前述の補正を重ねて出してきた数字がこれです。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110520093408

左側を拡大する。60-79kBq/m2の所に注意。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110521104418

右側を拡大すると、60-79kBq/m2のところが線量に応じて危険率が上がるようになっているのは、様々な補正を全て加えた後であることに注意。しかも、括弧内の95%信頼度のところは全て1を含んでいる。ということは、別に1(=対照としたところと同じ)であっても不思議はないということ。
~~~画像 http://f.hatena.ne.jp/buvery/20110521104438

この表をよく見ると、60-79kBq/m2の領域の数字が1を越えて、もっともらしく癌のリスクがあがると結論づけるためには、全部の条件による補正が必要だったことがわかります。ところが悲しいかな、この数字すべて有意差がありません。95%信頼範囲をみると、全部偶然であるといっても良いのです。ところが、この数字をポワッソン分布だと仮定して再帰曲線を書くと、11%という数字が出てきました。ただし、これの信頼度95%の範囲は、3-20%です。計算の綾で、ぎりぎり正の相関が出てきていますが、もとにしているデータの有意差がないことを考えると信頼にたるものとは思えません。


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