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『乳がんと牛乳』を読んで 3/5

ア メリカでは、聖書の次に売れた本で日本の母子手帳の基礎になった「スポック博士の育児書」の著者であるスポック博士は1990年までは牛乳・乳製品の礼賛 者で、赤ちゃんや子供には牛乳を450~950ccの牛乳をあたえなければならないという育児方法を広めた本です。しかし、スポック博士は1991年か ら、その牛乳・乳製品を礼賛する考え方を180度変えました。自然界では離乳期を過ぎて乳を飲む動物はいない。人間も動物なので離乳期を過ぎて牛乳を飲む 必要はない。つまり、牛乳・乳製品を2才を過ぎた幼児には与えてはいけないという警告を出しました。この考え方の180度変換は、スポック博士自身の病気 だったのです。慢性気管支炎や心臓病を長年患っていて治療を続けていましたがいっこうに治りませんでした。その持病ともいえる慢性気管支炎や心臓病が牛 乳・乳製品を完全に止め、肉は脂身のない部分を少量しか食べず、精製していない穀物、野菜、果物という食事に切り替えたところ、抗生物質での治療を長年続 けてきても治らなかった慢性気管支炎が治り、心臓病も良くなったそうです。このスポック博士の食事法は日本発の食事法「マクロビオテック」そのものです。 そして、スポック博士は牛乳・乳製品はガン、肥満、鉄欠乏性貧血、喘息、中耳炎、皮膚疾患、胃痛、腹部膨満と下痢、その他の病気をもたらすとして警告して います。

「私はもはや、2歳を過ぎた人間に乳・乳製品を勧めることはしない。たしかに、乳・乳製品が望ましい食品だと考えていた時期もあった。しかし、最近の多くの研究や臨床試験に基づいて、医師も『乳・乳製品はよいものだ』とする考えを見直さざる得なくなったのである」
(『乳がんと牛乳』ジェイン・プラント 著・佐藤章夫 訳・径書房・P.275)

『乳がんと牛乳』に書かれていましたが、Ⅰ型糖尿病は牛乳が原因ではないかという研究結果もあるそうです。日本人のⅠ型糖尿病の患者は現在約1万人だろう といわれています。日本の庶民が牛乳を飲み始めたのは明治維新からといわれています。この頃の牛乳は高級品ですから庶民といっても日本の全家庭で飲んでい たということではありません。私は現在58歳ですが、私が中学生の頃は牛乳を家では飲んでいませんでした。ほとんどの家庭で牛乳を毎日飲むようになったの はもう少し後になってからだと思います。学校給食では昭和24年から脱脂粉乳を飲み始めたようです。

このⅠ型糖尿病患者が日本で増え始めたのはつい10~20年前からではではないでしょうか。この20年間の食生活の変化は目覚ましいものがあります。根菜 類の野菜を煮詰めてつくる煮物など昔から食べられていた日本食が消え、牛乳や肉などの動物性食品が非常に増えました。この食生活の変化した時期とⅠ型糖尿 病が増え始めた時期とが一致します。インドはⅠ型糖尿病患者数は世界一であり、生乳類の生産量も世界一です。やはり乳製品を多く摂っている国にⅠ型糖尿病 が多いようです。特に、先進国で増加傾向にあるといわれています。先進国では母乳ではなく牛乳から作ったミルクを赤ちゃんに飲ませることが多く、生まれて すぐにミルク(牛乳)を飲ませていることが関係しているのではないかということと、間違いなく食事などで牛乳・乳製品を多く摂っています。Ⅰ型糖尿病は牛 乳が原因という研究結果は信憑性が非常に高いのではないでしょうか。

塩 の取りすぎは高血圧になるので悪い、ということはよく聞きますが、肉や牛乳は動脈硬化を起こしたり、肥満の原因になっているから、塩のように病院やテレビ などのマスメディアで塩の摂取量のように肉や牛乳は体に悪いので1日何グラムまでというような摂取量を制限するように言えばいいのにいいません。むしろ、 テレビの料理番組などでも霜降りの肉が頻繁に出てくるし、肉や乳製品が材料に使ってある西洋料理を紹介する番組ばかりです。世界で絶賛されている健康食の 日本食についてのテレビ番組はほとんどなくなりました。これは、テレビなどの広告主である牛乳・乳製品を扱う大手食品メーカーの存在が影響しているのと、 牛乳・乳製品で育った世代が親になってきたことが関係してきているのだと思います。でもよく考えてみると、国やマスメディアが悪いから摂取量を減らせとい うのはあまりありません。悪いから摂取量を減らせと国やマスメディアがいったのは元の専売公社が販売していたタバコや塩のみで民間企業のつくっているもの を悪いとは言いません。

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