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毒と薬~栄養神話を暴く~ 7/7

>> 7/7

訳者メモ

この記事を読むと、戦後主流となった健康神話(脂肪、コレステロール)はアンセル・キーズ(1904-2004)という人物に由来するようである。

そこでキーズ博士について検索してみたが、基本的には、地中海クレタ島の健康な食習慣を広めたという良い評価の情報が多い。だが、次のような記述に出会うと、やっぱりそうだったかと思う。

地中海の食生活のことを最初に調査したのはリーランド・オールボー(Leland Allbaugh)だった。これはロックフェラー財団の資金提供のお蔭で実現した。そして、その後、これを一般に普及させたのが、アメリカ人のアンセル・ キーズ博士である。彼は1950年代前半に南イタリアに移住し、冠状動脈性心臓病で死ぬ人が極めて少ないのに気付いた。
(引用元  Mediterranean Diets) http://lpi.oregonstate.edu/f-w00/mediterr.html


彼は第二次大戦中に、戦時の飢餓と栄養に関する研究(つまり軍事目的の研究)「ミネソタ飢餓実験」(キリスト教徒の志願者を実際に飢餓状態にしたようだ) にも従事し、1950年に『人間の飢餓の生態学』という本を出している。Googleブックスで"The Great Starvation Experiment: Ancel Keys and the Men Who Starved for Science"(By Todd Tucker)を見ると、部分的にしかプレビューできないので心もとないが、「1931年、キーズは、ロックフェラー財団の奨学金を受けて、ケンブリッジ 大学に行った」という記述がある。Wikipediaでは1938年にケンブリッジ大学で生理学博士を取得したとある。それまでに政治経済学、生物学、海 洋学など広範な学位を持っている。

こうした経歴から判断すると、彼は自説を通すために意地になって恣意的なデータ操作をしたのではなく、お世話になっていたロックフェラー財団の大きな目的 のために意図的にやったと考えるのが自然だろう。このアンセル・キーズという人物については、もっと調べてみると面白いかもしれない。


原文の紹介

原文 Fatal and Vital Foods - Popular Nutrition Myths Exposed
http://www.naturalnews.com/022608_sugar_fats_saturated_fat.html

NaturalNews.com
http://ja.naturalnews.com/?p=235

~~~転載おわり

※Googleブックス
http://books.google.co.jp/books?id=eS-cdiJcnZgC&pg=PT35&lpg=PT35&dq=ancel+keys+rockefeller&source=bl&ots=HNnzRVPAbE&sig=RnH38a7mziyHa8h_q3ptOvVHuEA&hl=ja&ei=PctwS5qZKY3q7AOE46SHCQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=4&ved=0CBcQ6AEwAw#v=onepage&q=Rockefeller&f=false

掲載2010年2月9日
Beyond 5 Senses, tamekiyo.com
http://tamekiyo.com/documents/healthranger/fatalandvital.html





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