Nicotto Town



赤ちゃんと母乳 2/3

赤ちゃんと母乳 2/3

ただ、生まれたばかりの赤ちゃんはお乳をあまり飲みませんし、お乳もあまり出ません。
 
新生児は汗をかくことができない上に身体の80%は水分です。

だからノドは渇きません。

だから母乳を飲まないといって哺乳瓶で水分を与えると体調をこわすことがあります。

「はじめは飲まない新生児 『どこか異常があるのかしら?眠ってばかりいる。』 しかし、ご安心下さい。

異常でない証拠に、お母さんのふところから離して連れ出されると、 火のついたように大声をはりあげて泣き出す事でしょう。

 母乳育児の失敗はこの時期の正しい知識の欠除からきます。

 赤ちゃんが泣くのはあたりまえで健康な証しなのに 『お腹がすいているのでは、どこかイタイのでは?』 と気にする母親、乳が出ないと心配ばかりしている母親 (この頃の母乳分泌はきわめて乏しく5ccくらいなのです。)

このままでは空腹で栄養失調になりはしないかと気をもむ母親。
 
ここで負けては台無しです。

新生児が本格的に一日に400cc台の吸乳量に達するのは6~10日目あたりからで、 半月たっても500ccをやっとこえるあたりなのですから。

最初は出にくい母の乳 とにかく母乳不足の判定は5日や10日では早すぎるのです。
 
1ヶ月ぐらい待ったって平気です。

母乳は最初は出にくいものです。

それを母子のねばり、 母乳以外では生きられないものだ、

哺乳類のオキテからみても子はその母親の乳で育てなければならないものですから、

牛の血液(牛乳)に容易に飛びつかず、徹底した執着でねばれば、

生きるための本能の力で赤ちゃんが吸い出してしまうものです。

 一にも二にも時間まち、がまんなのです。」
 (『母と子の生活科学』守 孝著・生活科学研究九州支部・P.20・P.21・P.22)


「山田さんの信念は、生まれてから三日間は赤ちゃんを徹底的に休ませるというものです。

お産はお母さんも大変なのですが、 赤ちゃんも大変なのです。

お産というといきおいお母さんに目がそそがれがちなのですが、

 生まれてくる赤ちゃんのほうがもっと大変なのだということが忘れられてしまっています。
 
生まれるまでの赤ちゃんは、胎盤を通じてお母さんから栄養をとり、いわば受けに身の生活をしています。

 それが、その狭い産道をくぐり抜けて出てくるときの赤ちゃんの苦労は並大抵ではありません。

 生まれてから呼吸ひとつするにしても、全くの初体験です。
 
ですからこうした苦労を経た後には十分な休息が必要だというのが、 山田さんの根本的な考え方なのです。

そこで赤ちゃんには、 生まれてから、なるたけ早い時期にお母さんに抱かせて、できれば一時間以内に母乳を含ませます。

そのときに母乳が出る出ないはあまり問題にはしていません。
 
自然にまかせていれば母乳は必ずでるようになるというのが山田さんの考え方です。

最初にどれぐらい母乳が出るかはそれほど気にしない、

 吸啜が大事だから赤ちゃんに吸わせるのだというのです。」
『お母さんアトピーから赤ちゃんを守ってあげて』(真弓定夫著・合同出版・P.26)


最初はお乳が出ないで当たり前なのであまり心配しないで下さい。

それともう一つ最初はお乳が出ない理由があります。

 「生後数日から十数日の間、生理的に母乳の出がわるい間、新生児の体重が減ります。

 胎内で汚物をエン下して腸内に貯留したよけいなものを排泄したり、

必要以上の細胞外水分の処分がこの間におこなわれるためで、

体重低下はかえってよろこばしい現象といえるのです。」
 (『母と子の生活科学』守 孝著・生活科学研究九州支部・P.22)


「休息という意味には、赤ちゃんの消化器の休息も含まれているからです。

ただ母乳が出ないからというそれだけの理由のために母乳とは

タンパク質の組成が異なる粉ミルクを与えてしまっては、

赤ちゃんの休息はそこで破られていまいます。

だからこそ、 昔の赤ちゃんは生まれてから三日目ぐらいの間に体重がかなり減ったものです。

 このような生理的な体重減少はあって当然なのです。

むしろ体重が減ったほうが赤ちゃんは楽なのです。

そこで山田医院では生まれたばかりの赤ちゃんには乳首を吸わせるだけで母乳以外は水も何も与えません。

 すると三日か四日たって、十分に休息をとった赤ちゃんは一生懸命に乳首を吸い、 めきめき体重も増えていき、母乳の出方もどんどん良くなるというのがほとんどのケースだそうです。」
『お母さんアトピーから赤ちゃんを守ってあげて』 (真弓定夫著・合同出版・P.26・P.27)



最初は赤ちゃんとの根比べです。
負けてミルクを与えてしまえば最後です。
赤ちゃんは母乳より哺乳瓶の楽な方を選びます。
赤ちゃんに負けないで下さい。

>> 3/3





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.