日本の核兵器製造能力 2/3
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- 2011/08/17 06:19:52
日本の核兵器製造能力 2/3
それからもう一つの軍用プルトニウムを使う
ファットマン(太った男)という長崎型爆弾、は構造が複雑です。
この原爆も最初はウラン原爆と同じ大砲形で設 計されました。
しかし、軍用プルトニウムに含まれる不純物プルトニウムのため、プルトニウムの円筒の中にプルトニウムの円柱の弾をはめ込む前に核分裂反応 が始まり、円柱の弾が柔らかくなって円筒の穴にはめ込むことができないのです。
そこで、設計を変えて球形の爆弾にしました。
穴の空いたプルトニウムの球の外側を爆薬で包みます。
これを点火するとプルトニウムが中心に圧縮されて臨界 になり、核爆発することになります。
しかし、構造が複雑なので、アメリカはこのプルトニウム爆弾が不発弾になることを恐れました。
爆薬の球形が上手に作れ ないと、爆発させた時ひしゃげて、プルトニウムを十分に圧縮することができないのです。
そこで、核実験して爆発するかどうかをネバダで核実験して確かめま した。
しかし、それでも実際の場面で核爆発するかどうか不安なので、
この爆弾と同じ大きさの核抜きの爆弾を50発こしらえてパンプキン(かぼちゃ)爆弾と 名付け日本の各地にばらまきました。
プルトニウム原爆が不発弾になった時ごまかそうとしたのです。
この長崎型爆弾でも軍用プルトニウムを原子炉で得ることはやはり困難ですが、
濃縮ウランよりは電力消費量が少なく安上がりで、
アメリカ、ロシア、フラン ス、イギリスなどは、その後の核開発をもっぱらこのプルトニウム爆弾の製造に向けました。
しかし、中国、イスラエル、南アフリカ、パキスタンなど技術力の ない国は簡単な構造のウラン爆弾に頼りました。
そのためには巨大発電所が必要になります。
中国は黄河をせき止めて発電所を作りましたが、現在は、やはりプ ルトニウム爆弾を主体にしています。
しかし、軍用プルトニウムは原子炉で作るといっても、
いわゆる軽水炉から得られるプルトニウムでは、
プルトニウム239が濃縮度60%程度でしかなく、 これでは到底核兵器を作ることはできません。
その理由はいくつもありますが、たとえば不純物プルトニウムをたくさん含むので原爆はすぐに劣化してしまうの です。
また爆弾が大きくなり過ぎて運ぶことができないのです。
さらに不純物プルトニウムの放射能のため発熱量が大きいので、まわりを包む爆薬が自然爆発す る心配もあります。
アメリカの最初のプルトニウム原爆は濃縮度が94%程度というのですが、重量は5トンもあってB29という大型の飛行機が必要でした。
そして発熱量が大きくて、この爆弾を触った人が後で証言しています。「何か、生きたウサギを触っているようで温かかった」と。
ところでこのプルトニウム爆弾は、技術のある国では簡単に作れます。
まず、濃縮度の高いプルトニウムを使えばよいのです。
軍用プルトニウムの濃縮度は 94%以上ですが、
高速炉で作ったプルトニウムは、『もんじゅ』の場合濃縮度は97.6%で、
『常陽』では99.4%です。高速炉を持っているフランスと 日本は簡単に核兵器が作れる国なのです。
だから先程フランスの核実験が、白人国家の連合としておこなわれたのです。
この高速炉で発電もすると、熱を媒介する物質としてナトリウムのほかに水も使うことになるので、『もんじゅ』のように事故多発が悩みの種です。
しかし、 発電しないというのであれば、水を使う必要がなく、『常陽』のようにほとんど事故を起こさず、軍用プルトニウムを生産できます。
さきほども述べましたが、 『常陽』は今は軍用プルトニウムは作っていませんが、
いつでも復元改造すれば軍用プルトニウムを作ることができます。
しかし、そろそろ『常陽』も寿命がき ていることが問題です。
ところで、軽水炉から作るプルトニウムが、まったく原爆に使えないという訳ではありません。
軽水炉で得られるプルトニウムの濃縮度は60%ですが、これ をレーザー濃縮で94%以上に高めればよいのです。
しかし、どうやらこれは失敗したらしいのです。
アメリカはこのレーザー濃縮でウランを濃縮するといって いましたが、中止してしまいました。
日本もウランのレーザー濃縮については研究さえ中止しました。
ウランも濃縮できないような方法がプルトニウム濃縮に使 える筈もありません。
結局、軽水炉から得られるプルトニウムは利用価値がないことになったのです。
発電用として使うには費用がかかり過ぎ、軍用にも使えな いので、
日本以外の国では、使用済み核燃料は再処理せず、すべて廃棄する方針です。
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・日本の核兵器製造能力
http://sun.ap.teacup.com/souun/53.html
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1056.html
http://blog.goo.ne.jp/yudonoyama/e/f05f5343397afe53e39624304bd3215a
・わが国の核政策史 その1
http://sun.ap.teacup.com/souun/50.html
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1046.html
http://blog.goo.ne.jp/yudonoyama/e/5cdb1d3e0983a29555d13f96a689d776
・わが国の核政策史 その2
http://sun.ap.teacup.com/souun/51.html
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1054.html
http://blog.goo.ne.jp/yudonoyama/e/37ccf03617ccc51fdc16acd7f36ea17e
わが国の核政策史 その3
http://sun.ap.teacup.com/souun/52.html
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1055.html
http://blog.goo.ne.jp/yudonoyama/e/ad430dc4f597786a40cecd08e85f9bff