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米同時テロ10年

米同時テロ10年:がん発症、補償されず 消防士や作業員

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支援から漏れ、「この国の正義はどうなったのか?」と憤りを隠さないリチャード・ダンバークレーさん=米ノースカロライナ州ハムステッドで山科武司撮影


 【ハムステッド(ノースカロライナ州)で山科武司】01年9月11日の米同時多発テロから10年となるのを前に今夏、倒壊した世界貿易センタービルの跡地で救援や復旧に携わった消防士や作業員らの医療費が補償されることになった。だが、粉じんが舞う現場での作業に従事した後にがんが発症した患者は「発症と活動の因果関係に根拠がない」として補償対象から除外され、救済から置き去りにされている。

 今年1月に医療費補償法が成立し、7月に気管支疾患など補償の対象となる疾病が定められた。

 大手電話会社の作業員だったリチャード・ダンバークレーさん(49)はテロ当日、現場から数ブロック北で働いていた。すぐに現場に駆けつけ、消防士らと電源や電話回線の復旧に尽力した。「1日16時間、4カ月間休まなかった」。02年に入ってせきがひどくなり、がんの一種である「リンパ腫」と診断された。1回の治療で5000ドル(約39万円)かかった化学療法で蓄えは底を突き、電話会社も解雇された。

 3年前に生まれ育ったニューヨーク・ブルックリンからノースカロライナ州に家族と移住し、趣味の武道を教えて生計を立てる。幸いがんは消失したが、医療費が出せないため、最近3年間は検査も受けていない。「がんが再発していないか心配だが、どうしようもない」

 同時多発テロ発生の3日後、ブッシュ大統領(当時)が現場のがれきの山で連帯を表明した時は、山のすぐ下にいた。「あの時は胸が熱くなった。でも、結局、彼は正しくなかった。その後の対応は何だ? 国に尽くした人間を助けないのが我が祖国アメリカか?」。怒りがこみ上げる。

 9月1日、「センター跡地で活動した消防士は他の消防士に比べてがん発症率が19%高い」との研究結果が発表された。来年、予定されている補償対象の見直しに影響を与える可能性があり、ダンバークレーさんは「転機になってほしい」と期待を寄せる。

 現場で救出・復旧活動に従事した人のうち何人ががんを発症したかは不明だが、過去5年間で警察官51人ががんで死亡した。

毎日新聞 2011年9月8日 12時09分(最終更新 9月8日 13時57分)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110908k0000e030042000c.html

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2011/09/14 23:39
米同時テロ:10年追悼式典出席へ日本人遺族がNY到着

 米同時多発テロで犠牲になった日本人の遺族がテロから10年の追悼式典に出席するため9日、ニューヨークのケネディ国際空港に到着した。犠牲者が勤めていた企業は慰霊式典を開いた。

 到着したのは、証券会社キャンターフィッツジェラルド社員だった白鳥敦さん(当時36歳)の父晴弘さん(71)ら。白鳥さんは空港で「10年でも遺族に区切りというものはない」と述べた上で「米国によるアフガニスタン攻撃で現地の子供が苦しんでいること、米国民もまたテロにおびえていることは大きな問題だと思う」と話した。

 みずほコーポレート銀行は同日、ニューヨークの事務所などで慰霊式典を開き、日本人と米国人の遺族約30人のほか行員ら100人以上が参加。詩の朗読や音楽演奏などで犠牲者に思いを寄せた。

 テロで死亡した約3000人のうち、24人が日本人。ハイジャックされた旅客機が激突、崩壊して最も多くの人が死亡したニューヨークの世界貿易センタービルの2棟には富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)などの日本企業が入居していた。(共同)

毎日新聞 2011年9月10日 10時36分(最終更新 9月10日 10時59分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20110910k0000e030007000c.html
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2011/09/14 23:39
米同時多発テロ:10年でタリバンが声明 米を改めて批判

 【ニューデリー杉尾直哉】アフガニスタンの旧支配勢力タリバンは10日、米同時多発テロから10年を前に声明を発表。「事件とアフガン人は無関係で、我々は米側に公正な調査を求めてきたが、米国と同盟諸国は返答の代わりに巡航ミサイルや劣化ウラン弾を含んだ武器を送りつけてきた」と述べ、米国によるアフガン戦争開戦を改めて批判した。

 また、「米国は何万人ものイスラム教徒を殺害し、アフガンを植民地支配しようとしている。米国が歴史のくず箱に放り込まれるまで、アフガン人は長い戦争を続ける」とし、今後も戦闘を続けると宣言した。

毎日新聞 2011年9月10日 19時58分(最終更新 9月10日 21時34分)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110911k0000m030050000c.html


米同時テロ:「世界が一致しての対応重要」国連で追悼式典

 【ニューヨーク山科武司】国連総会は9日、米同時多発テロの発生から10年を前に追悼式典を開いた。ダイス議長は演説で「テロの衝撃は表現しようのないものだった。国際テロへ世界が一致して対応することが重要だ」と訴えた。

 安全保障理事会も「テロは平和と安全保障への深刻な脅威であり、動機に関わらず決して容認できない」などとする報道向け声明を採択し、テロとの戦いの継続を強調した。

毎日新聞 2011年9月10日 11時07分
http://mainichi.jp/select/world/news/20110910k0000e030020000c.html




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