Nicotto Town



No.1000 再び、親愛なる友人たちへ。


...memo...転載

No.1000 再び、親愛なる友人たちへ。

「親愛なる友人たちへ」向けて、私がコラムを書き始めたのは1995年2月のことである。

私の本業は企業経営だが、今日まで商売を続けていられるのも、日本は安全な国で、すぐれたインフラが整備されていること、そこで働く勤勉な社員がいるからであり、だからこそ安定した市場が形成されているのだと思っている。

このような長い歴史と立派な文化を誇る国が、力で台頭してきたアメリカの言いなりになることなどない。しかし、第二次大戦で敗戦国となった日本はアメリカの干渉を跳ね返すことはしなかった。そればかりか、追随し、ほとんど妄信的にアメリカのやり方を取り入れてきた。そこにはどのようなやり取りがあったのかは想像でしかないが、アメリカの情報公開法により断片的に露呈している事実があっても日本の主流メディアはそれを報じることはないのだ。

このコラムを書き始めたのはインターネットが普及し始めた頃だった。日米の貿易不均衡の問題だけでなく、アメリカを始め世界中で貧富の格差が拡大し始め、ウォール街占拠運動ではないが1%の金持ちを優先させて99%の国民に不合理を受け入れるよう、巧妙なプロパガンダがメディアを中心に繰り広げられていることに対して、何かできることはないかと考えたからである。

特に日本の友人たちに伝えたかったのは、いかにアメリカが貧困にうちひしがれ、負債を負い、麻薬や犯罪の蔓延する不健全な国かということである。私にとってこれは悲しく、情けないことだったが、そんなアメリカを日本人はあがめ、日本を繁栄させ、安全で健全な国にした価値観や慣行を捨ててアメリカの価値観を取り入れるのは見るに耐えなかった。

1990年代は、失われた10年と呼ばれた。それは復活することなく日本経済は不況と停滞にみまわれ、失われた20年として今日に至っている。それにはもちろんさまざまな要因があるが、もっとも大きな理由は日本がアメリカの指示で規制緩和や民営化を行い、また企業経営者はこれまでの長期的な視点からではなく、短期的な儲けを狙うように変わってきたことだと思う。

私は特に平成になってから日本が捨ててしまった、または捨て去ろうとしている価値観をなんとしてでも取り戻したいと思っている。この国は世界の大国にならなくてもそこで暮らす人々が健康で幸福に暮らせる、そんな国であればよいと願うからである。

しかし現状は、財界トップの集まりで日本でもっとも力を持つ団体である経団連は、消費税率を19%に引き上げ、法人実効税率を現行の38.01%から25%に下げることを要求している。地震も活断層もあるこの小さな島国の上には、危険な放射性廃棄物である使用済み燃料を10万年以上安定に保管しなければならない原子力発電所が50基以上もあり、福島第一原発の事故では多くの人が命や家や仕事を失ったにもかかわらず原発が必要だと政治家や企業経営者は言い、主流メディアは多くの国民の反対の声を報じることはない。

このコラムを出し続けて1000号になったが、書き始めた時に危惧していた問題が何も改善されていないどころか悪化の一途をたどっている日本社会の現実は、自分の微力さを痛感させられる。しかしそれでも、私たちは一人ひとりができることをしていくしかない。だから私は日本人として、これからも声をあげていきたいと思っている。


転載元: 耕助のブログ 様
投稿日:2012年6月11日
http://kamogawakosuke.info/2012/06/11/no-1000-%E5%86%8D%E3%81%B3%E3%80%81%E8%A6%AA%E6%84%9B%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%8F%8B%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%B8%E3%80%82/



ビル・トッテン関連情報
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コラム(Our World)
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ご興味がおありの方は、賀茂川耕助のページをご参照ください。
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...転載おわり



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