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意見聴取会は原発維持のためのセレモニー


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意見聴取会は原発維持のためのセレモニーに過ぎない

 将来の原発比率について国民の意見を聴く意見聴取会が各地で開かれています。今週末からの三連休で、さいたま(14日)、仙台(15日)、名古屋(16日)の3市で行われる予定で、仙台での意見聴取会では「やらせ」疑惑が生じています。

 東京新聞は、本日付でこう報じています。(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071690071108.html)

   仙台聴取会 騒然 発言者に東北電と原発推進団体幹部

 政府は十五日、将来の原発比率について国民の意見を聴く二回目の意見聴取会を仙台市で開いた。抽選で選ばれた九人の発言者の中に、東北電力や原発推進団体の幹部二人が含まれ、「原発が不可欠」など従来通りの主張を展開し、会場から批判の声が上がった。

 聴取会は、政府が提示した二〇三〇年時点の原発比率(1)0%(2)15%(3)20~25%の三案に対し、抽選で選ばれた各三人が意見を述べる形式。この日は進行側の手違いで、0%案四人、15%案二人、20~25%案三人だった。

 このうち、原発の新増設を前提とする20~25%案に対し、東北電力の岡信慎一執行役員(企画部長)は「会社の考え方をまとめて話したい」と切り出し、電力の安定供給などを理由に、原発は必要と自社の主張を述べた。

 また、原子力推進を目的に企業や商工団体などで組織する東北エネルギー懇談会の関口哲雄専務理事(元東北電力執行役員待遇)は「政府の案は再生可能エネルギーを大きく見積もりすぎだ」と、原発の積極的な活用を訴えた。

 広く国民の意見を聴くはずの会が一転、原発推進団体の会と化し、参加者からは「被災者をばかにしているのか」など非難の声が上がった。司会者が「お静かに」を連発するが、会場の怒りは収まらず、一時中断した。

 会場にいた仙台市の男性会社員(35)は「推進の考えでも、一般の人の意見を聞きたかった」と憤っていた。

 事務局によると、聴取会には百七十五人の参加応募があり、抽選で百三十人を選んだ。うち意見表明を希望したのが九十三人で、0%案が六十六人、15%案が十四人、20~25%案が十三人。

 これほど差があるのに、バランスを取ろうとするため、0%を支持した人はいずれも宮城県の人だったのに対し、15%と20~25%案は東北電力関係者二人のほか、東京都の会社員二人、神奈川県の会社員一人と、いびつな発言構成となった。

 岡信、関口両氏は取材に対し、会社や組織からの依頼で応募したことを否定した。

 政府代表として出席した細野豪志原発事故担当相は「抽選で選ぶので仕方ない。福島で開催するときは一般の県民の声が聞けるよう選び方を考えたい」と話した。 (下線は引用者による)

 政府は、2030年時点での原発比率として、(1)0%(2)15%(3)20~25%の3案を提示していますが、真ん中を取って15%、でき得れば20~25%にしたいという魂胆が透けて見えます。

 大抵の人は真ん中の数字を取ると納得しやすいので、15%で行くという着地点が既に設定されているわけです。各地で行われる意見聴取会は、そのアリバイ作りの場に外なりません。この国では依然として、お上による独裁政治が行われているのです。

  原発比率を真ん中を取って15%にするには、20~25%の強硬意見を述べる人間を集めなければなりません。自然に任せていたら、そういう意見は集まりま せんから、原発関係者に意見陳述を依頼することにしたのでしょう。だからこれは「やらせ」で、九州電力の「やらせ」メール事件と同じ構図です。

 細野の「抽選で選ぶ」云々は嘘で、政府と電力会社は相変わらずタッグを組んで国民を瞞着しようとしているのです。「馬鹿は死ななきゃ治らない」ということなのでしょう。

 政府や電力会社は元々、国民の意見など聞き入れるつもりはなく、意見聴取会はセレモニーに過ぎません。「意見聴取」と言い方も、お上意識丸出しで国民をバカにしています。

 我国の原発依存度は25%弱ですから、(3)の原発比率20~25%は、これまで通り原発推進で行くというもので、これは無理であることぐらい、政府も電力会社も解っています。(将来的にはこの路線に戻そうと考えているでしょうが…)

  (2)の15%は、10%減っているので無難なように見えますが、今ある原発を40年動かせばこの比率になりますから、現行と変わりありません。原発建設 には多額の費用がかかりますから、今あるものは予定通り使いたいというのが、政府と電力会社の意向なのです。だから着地点は、ここなのです。

 役人どもは、国民を欺いて自分たちの利権を守ることに長けており、我々国民は騙されないようにしなければなりません。電力会社も独占事業で、官庁と同様ですから、その説明は信用できません。

 東京電力は、福島第一原発事故の原因を津波と結びつけていますが、実際には地震で破損して大事故に繋がったようです。これがバレると他の原発も稼働できなくなるので、原発マフィアは一丸となって隠蔽工作をしています。

 大飯原発の再稼働も、実際には不必要だったことが明らかとなりました。京都民報WEBは、13日付でこう報じています。(http://www.kyoto-minpo.net/archives/2012/07/13/post_8889.php)

   火電停止は電力余剰だった! 関電京都支店広報が明かす

 関西電力が火力発電8基を停止させたのは、原発再稼働により電力に余りがあるためだった─こんな事実が11日、関電京都支店の総務・広報グループの担当者の発言で明らかになりました。

 同日、京都自治労連(池田豊委員長)が行った関電京都支店への要請で関電側が回答しました。自治労連側が火力発電の停止について問いただしたのに対し、電力需要に合わせて停止したもので、原発再稼働を受けて停止したものもあると発言しました。

 関電は大飯原発3号機が9日にフル稼働し、同日に火力発電所8基を停止させていました。同社は、原発の再稼働以降も計画停電の可能性があるとして、府民に節電を呼びかけています。

 体裁が悪いので節電を呼びかけていますが、その必要がないことは明らかです。計画停電も、もちろん不要です。電力不足を理由に再稼働反対を撤回した橋下や嘉田らも確信犯で、反原発のポーズを取っているに過ぎません。

  原発推進論にもそれなりの中身がありますから、頭から否定するつもりはありません。それが民意なら最終的に受け入れざるを得ません。しかし、政府や電力会 社は最初から再稼働ありきで事を進めており、一切が茶番と化しているのが問題なのです。もっと真面目に民主主義的にやってほしいというのが、国民の思いで す。

 政府は、大規模化する反原発デモを警察力で封じ込めようとしていますが、それで事が収まると思っているのなら、勘違いも甚だしいと言わざるを得ません。思いもよらない形で竹篦返しを受けることでしょう。

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2012/07/16 19:21


2012-07-16

陽光堂主人の読書日記

意見聴取会は原発維持のためのセレモニーに過ぎない
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