Nicotto Town



iPS卵子からマウス… 「生命作製」倫理に課題


...memo

【iPS卵子からマウス】京大、世界初  「生命作製」倫理に課題

さまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って卵子を作製し、通常の精子と体外受精させてマウスを誕生させることに京都大の 斎藤通紀教授らのチームが世界で初めて成功し、米科学誌サイエンス電子版に4日発表した。

 チームは昨年、iPS細胞から精子を作ったと報告しており、iPS細胞から作製した卵子と精子を受精させ、新たな生命を生み出すことが理論的には可能になった。不妊症の治療法研究や生物発生の仕組みの解明に役立つが、ヒトでも生命やその源を作り出すのにつながる技術で、倫理面からの検証が重要になりそうだ。

 チームは、雌マウスの胎児の線維芽細胞から作ったiPS細胞を培養し、体のほぼ全ての細胞のもとになる多能性細胞集団に近い細胞を作製。この細胞に刺激を与え、卵子や精子のもとになる生殖細胞にした。

 この生殖細胞と、性別を決めるための卵巣の体細胞を、試験管内で一緒に培養し卵巣を作製。卵巣を雌マウスに移植して約4週間で未成熟の卵子を得た上で、体外で培養して成熟卵子にした。

 この卵子と通常の精子を体外受精してできた受精卵を雌マウスに移植し、がんなどの異常がない健常な雄と雌のマウスを誕生させた。これらのマウスを通常のマウスと掛け合わせると子どもも生まれた。

 iPS細胞と同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)でも同じ手法でマウスを誕生させた。

 子どもが生まれた割合はiPS細胞で受精卵163個中3匹(約1・8%)、ES細胞では127個中5匹(約3・9%)で、普通の卵子の約12・7%に比べ成功率は低かった。受精卵で細胞分裂する過程に異常が見つかっており、これが一因とみられるという。

 チームは異常の原因を究明するとともに、ヒトやサルのiPS細胞とES細胞でも卵子や精子を作る計画だが、斎藤教授は「iPS細胞やES細胞はマウスとヒトで性質が違うので完全に同じやり方はできない」としている。

 人工多能性幹細胞(iPS細胞) 筋肉や血液、神経など、さまざまな組織や臓器になる能力を持つ新型万能細胞。通常は皮膚などの体細胞に遺伝子を導入して作る。京都大の 山中伸弥教授が2006年にマウスで、07年にヒトでの作製に成功したと発表。自分の細胞を使うため移植しても拒絶反応がなく、事故や病気で失われた細胞や組織の機能を回復する再生医療、新薬開発、病気の原因解明への応用が期待されるが、がん化の恐れなど安全面で課題もある。胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵の一部を取り出して作る。

 (2012年10月5日、共同通信)


2012/10/05 10:45
http://www.47news.jp/47topics/e/235103.php


...



万能細胞から卵子=マウスで成功、受精で子誕生-不妊解明期待、倫理問題も・京大

 マウスの万能細胞から卵子を作り、通常の精子を受精させて代理母に移植し子を誕生させることに、京都大大学院医学研究科の斎藤通紀教授らが世界で初めて成功した。4日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。斎藤教授らは昨年8月、マウスの万能細胞から精子を作ったと発表しており、組み合わせれば皮膚などの体細胞から子ができることになる。
 卵子のもとになった万能細胞は、受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)と、山中伸弥京大教授らが体細胞に遺伝子を入れて作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、ともに成功した。斎藤教授はヒトでも卵子作製を目指しており、成功して卵子の形成過程が解明されれば、女性の不妊症治療に役立つと期待される。(2012/10/05-05:17)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012100500041&g

...





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.