Nicotto Town



2013/07/01 朔…減塩なんて必要ない


...memo  ... 7月もよろしくお願いします。

減塩なんて必要ない

なぜ減塩が叫ばれているのか

「減塩醤油」「減塩梅干し」「減塩味噌」、あげくの果てに「減塩しお」なんて代物(しろもの)が出回るほど、世の中では減塩信仰が広まっています。
塩の取りすぎはよくないと言われて久しいけど、この減塩の影響で、貧血、冷え性、低体温、便秘症の人が増えているんです。

塩は人間にとってなくてはならないもの。
塩気が足りないと、力が湧いてこないし、元気になれない。
具合の悪い人などに「塩梅はどう?」と尋ねるけど、これも「からだの塩気はどう?足りている?」と聞いているわけです。
体内の塩は、汗や涙、おしっこと一緒に毎日排出されます。
からだから出て行った塩分をちゃんと補っていくことが、健康の秘訣なんですよ。

じゃあ、どうして塩は、目の敵のように悪者扱いされているのでしょう?
原因の一つは肉食です。
肉はナトリウムの塊で、塩もまたナトリウムからできています。
ナトリウムは血中濃度を上げる作用がとても強いため、肉を食べたからだに塩が加わると、炎症を起こして、からだがトラブルを起こしてしまうんです。

経済が回るように国や産業界は肉を食べさせたい。
ところが、肉を食べている人が塩を摂っていると、血圧がガーッと上がり、体調を崩してしまう。だから塩気を控えるように言っているわけです。

一汁一菜の食事をし、肉はめったに食べないという人であれば、減塩なんて考える必要はないんです。

もう一つの原因は、精製塩が出回ったこと。
精製塩というのは、塩化ナトリウムが99%を占める化学物質です。
天然の塩には、塩素・ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・マンガン・ニッケルといったミネラルが含まれているんです。
精製塩とか食塩といっているけど、あれは塩ではありません。
精製塩と天然の塩とは、天と地ほどの差がある。
精製塩は塩化ナトリウム。
化学物質だから、体内で悪さを起こすのです。

その精製塩が塩の代用品として多くの家庭で使われるようになったため、高血圧や脳溢血になる人が増えて、「塩分は悪い」といわれるようになったのです。
天然の塩まで悪いものと誤解されないよう、「精製塩が悪い」といい改めてほしいものです。


塩は体温を上げ、血をきれいにする

塩に含まれるミネラル成分は、人間にとって必要不可欠なものです。
カルシウムとカリウムには、粘膜や筋肉を広げる働きがあり、逆にマグネシウムとナトリウムには縮める働きがある。
拡張させるものと収縮させるものが同時に含まれているから、塩をきちんと摂っていると体調が安定するんです。

しかも、質のいい塩には、基礎体力や抵抗力を強くし、胃の働きを強くする働きがあります。
体の新陳代謝を活性化させるのも塩であり、血を作り、体温を上げるのも塩。
血を舐めるとしょっぱい味がするのは、血液が塩から作られていることの証拠です。
血液がちゃんと作られ、血液がからだを巡ることで、体温が上がり、活力が湧いてくるんです。

厚生労働省は塩分摂取量の目安を1日10グラム以下としていますが、昔の人は1日30グラム以上摂っていました。
味噌で摂り、煮物で摂り、漬物で摂るというように、バランスよく塩気を摂っていたんです。それでみんな元気で明るく、子だくさんだったんです。

昔の人と同じ量だけ塩気を摂れとは言わないけど、間違った減塩信仰に惑わされて、塩を控えすぎないようにしてほしいと思います。
塩気が足りないと血液を作る働きが弱くなり、低体温、冷え性、貧血を引き起こします。
日本人がこぞって減塩したら、それこそ、日本全体に活気がなくなり、日本人全体がしょぼくれてしまいますよ。


「適塩」のすすめ

自ら世話をして大切に育てることを「手塩にかける」といいます。
この「手塩」というのは小さな皿に盛って食卓に置いた塩のこと。
食事を共にする家族であっても、その日の体調はそれぞれ違います。
自分の体調にあった塩加減に調味するようにとおかれたのが手塩というわけです。

塩はとても貴重だったので、この手塩はその家の長が一人ひとりに配っていました。
でも、小さな子供は一人前になっていないということで手塩は割り当てられなかったんです。
とはいえ、人間にとって塩は必要不可欠なもの、そこで、父親や母親が自分の手塩を、小さな子供にちょうどよい分だけ分けてあげた。
そこから「手塩にかけて育てる」という言葉が生まれたんですね。

いつからか「手塩」は使われなくなり、食卓を囲んだ人は、同じ料理を食べるようになったけど、必要とする塩気は人それぞれ違います。
たくさん運動をして汗をかいた子供は、家事をしていたお母さんより塩気をほしがるはず。
お風呂上りも汗をかいているから、通常よりも塩気がほしくなりますね。
このように、一つ屋根の下に暮らす家族といえども、その時々にそれぞれが必要とする塩気は違うものです。

私は、そのときのその人の状態に適した塩気を「適塩」と呼んでいます。
1日10グラム以上摂ってはいけないから、などといって塩分を控えてしまったら、重労働をしている人は腑抜けになって、次に日の仕事に力が入りません。

味噌汁でもお吸い物でも口に含んだときに「ああ、ちょっと濃いな」と思ったらお湯を足して薄めればいいし、「ちょっと薄いな」と思ったら、塩や醤油を足して自分がおいしいと思う濃さにすればいいんです。

塩は健康の敵のように思われているけど、必要もないのに減塩をしたら、かえって病気をしてしまいます。
闇雲に「減塩」するのではなく、自分のからだの状態を考え、自分のからだが本当に必要としている塩分をその時々にきちんと摂る「的塩」を心がけてほしいと思います。


神棚を見れば、人間のからだに必要なものがわかる

戦後、生活様式がすっかり西洋化してしまい、今では神棚がある家が少なくなりました。
しかし、昔の家には必ずといっていいほど神棚がありました。
寝食をする家の中に神棚という神様に居場所をつくり、毎日、神棚にお供えものをし、神棚に向かって手を合わせ、自分たちが生かされていることを感謝したんです。

そして神棚にお供えするのは、水と米と塩。
お正月やお祭りといったハレの日には、お神酒や野菜・魚をお供えすることもあるけど、日常的にお供えするのは水と米と塩。
そして両脇に榊を飾り、ろうそくを灯すのが基本です。

これらのお供えものが象徴しているのは、人間が生きていくうえで必要なものです。
榊とろうそくで火をおこし、水と米でご飯を炊く。
ご飯だけでは味気ないからそこに塩を加えて、味をよくし、栄養のバランスをとる。

神棚のお供えものは、これだけあったら人間は生きていけるということを教えているんです。
裏を返せば、人間のからだには米と水と塩が必要不可欠ということを教えているといってもいいでしょう。

もう一度いいますが、塩は人間が生きていくうえでなくてはならないもの。
生命の糧なんです。
間違った減塩信仰から抜け出し、ミネラルがたっぷり含まれた本当の塩を、からだに適した分量でしっかり取り入れましょう。

そして、たとえ家に神棚がなくても、どこかにちょこっと水と塩とお米をお供えして、一日に一度でもその前で手を合わせ、自分が毎日生かされていることに対し「ありがとうございます」と感謝する気持ちを持ってほしいと思います。


.
.
これを食べれば医者はいらない 若杉友子 (著)  祥伝社 P97~106
.





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.