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「ゼロ」カロリーなのに太る…カラクリ 4/4


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3.コカイン以上の依存性がある

 続いて、コカインより強烈といわれる「依存性」についてです。

 まず、私たちの身体に快感がどのように伝わるのか、簡単に説明しておきましょう。

  私たちが美味しい物を口にすると、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、満足感を得ます。そして「もっとたべたい」と思います。私たちが食べものから 身体にエネルギーを取り込む際、その調節に重要な役割を果たしている神経系を「脳内報酬系」と呼びます。脳内報酬系は「快楽中枢」とも呼ばれ、自分へのご 褒美を与える神経システムなのです。

 ところが、「もっとたべたい」という欲求が強くなりすぎると、喜びがコントロールできなくなり、習慣化、乱用、依存、そして中毒へ移行していきます。このときカギとなるのがドーパミンです。さて、ドーパミンは、一体どのように作用しているのでしょうか。

  そもそもドーパミンは、いつも出ているわけではありません。私たちが日常生活で何か行動し始めるとき、ドーパミンが分泌されます。背景には、私たちが今ま で連続して学習してきたことによる動機づけがあります。例えば、あなたが朝起きてから夜寝るまでの行動を考えてみて下さい。朝の洗顔、歯磨き、朝食など、 あなたが子どものころから学習してきて、習慣となっているすべての行動に動機があり、いつもドーパミンが働いています。

 また、私たちの何らかの行動によって脳が感動や喜びを覚えたときもドーパミンが分泌され、私たちに快楽をもたらします。例えば、映画、スポーツや音楽などに強く感動したときに、脳内でドーパミンは分泌されます。

  ところが、そういった快楽だけを欲した状態が続くと、ドーパミンの分泌をコントロールできなくなり、依存症や中毒になります。コカインなど覚醒剤による薬 物依存症は、このドーパミンに関係しています。薬物を投与するとドーパミンが分泌され、快感や満足感が得られます。ドーパミンが枯渇すると、また薬物が欲 しくなります。こうして薬物に対する依存症となるのです。

 それでは、食欲にはドーパミンがどのように関与しているのでしょうか?

  食事を始めると、私たちの体内ではドーパミンが分泌され、食欲が増します。そのうち、連続した学習により、食べものを想像するだけでドーパミンが分泌され るようになります。例えば、食べもののテレビCMや写真、料理の音やにおいを感知しただけでもドーパミンが分泌され、食欲が増進するわけです。こうして、 私たちは、食生活を楽しんでいます。

 ところが、食事に対する「快楽」への欲望が強く執着した状態では、ドーパミンが過剰に分泌されるよ うになります。したがって、薬物依存症と同じように、大量のドーパミンで過食に走ります。過食により、一時的な快感や興奮、満足感が得られますが、その快 感はすぐに効果がなくなり、再び暴飲暴食に走ります。そのうちに食欲に対するバランスが崩れてコントロールできなくなり、食べもの依存症や中毒に陥りま す。

 前置きが長くなりましたが、最近、砂糖や人工甘味料の甘さが、脳内報酬系やドーパミンなどの神経伝達物質に影響を与えて、依存症や中毒に導くこともわかってきました。




最近特に注目されている「甘み依存症」!

 「甘み依存症」をご存じでしょうか。なんと人工甘味料も、麻薬、覚醒剤やアルコールとまったく同じ作用で、依存症を起こすのです。「甘み依存症」は、誰かに指摘されたり、自分で意図的に摂取を減らすまでは、全く気づかない場合も多いのです。

 どんな症状なのか、Tさん(東京在住/35歳男性)の体験談を事例として紹介しましょう。あなたや、あなたの周囲で、こんな症状を感じている人はいないでしょうか。

【Tさんの体験談】
  過去にダイエット・ソーダを飲んだ経験は、ほとんどありませんでした。しかしダイエットを始めたのを機に、3〜4ヵ月間はできるだけダイエット・ソーダを 選ぶようにしたのです。体重が増えないよう気を遣ってのことです。そのうちに、不思議とダイエット・ソーダを毎日飲むようになりました。同時に、無性に甘 いものが欲しくなり始め、毎日アイスクリームを食べるようになりました。さらに間食も増えて、他にもつまみが欲しくなりました。
 このため、ジョ ギングのお陰でだんだん減っていた体重が、ダイエット・ソーダを飲み始めた頃から、下げ止まってしまったのです。因果関係を特定できたわけではありません が、飲み始めた時期などを考慮すると、体重が減らない理由はダイエット・ソーダにあるのではと怪しんだ私は、ミネラルウォーターに切り替えました。する と、その後体重は落ち始め、同時に間食もしなくなりました。


 Tさんの体験談からは、ダイエット・ソーダによる、ある種の“依存症状”がみてとれます。次のような点です。

症状1:ダイエット・ソーダを飲み始めたら、不思議と毎日飲むようになった。
症状2:無性に甘いものが欲しくなり始め、毎日アイスクリームを食べ始めた。
症状3:間食も増えて、何かつまみが欲しくなった。

結果 運動しても、体重が減らない。

  上記1〜3の依存症状があれば、「運動しても、体重が減らない」という結果は当たり前のように思えますが、この依存症状は偶然発生したといえない部分があ るのです。その理由こそが、前述した「甘み依存症」です。依存症は、一般に“中毒”とも呼ばれ、その原因として、ドーパミンの乱れが考えられています。

  また近年、人工甘味料は砂糖よりはるかに強い、コカインを上回る依存性をもつことがわかっています。2007年のあるフランスのマウスに対する実験では、 コカイン以上にサッカリンの中毒性が強いことがわかりました。このように、摂ればますます欲しくなるほどの強い依存性があるのです。

 さ て、人工甘味料の摂取がどのように肥満につながるのか、3つの作用をご理解頂けたでしょうか。実は、肥満以外にも、抑うつ症状や血管系疾患など、ほかの症 状を引き起こすことも報告されています(詳細は下記新刊をご覧ください!)。ダイエットや健康のために「カロリーゼロ」飲食品を摂ったせいで、逆に太って しまったり、そのほか身体に悪影響が出ては、元も子もありません。口にする前に、いったん立ち止まってぜひ考えてみてください!




[2013年09月30日]
「ゼロ」カロリーなのに太る?!
日本で知られていない、まさかのカラクリ
http://diamond.jp/articles/-/42170






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