Nicotto Town



06/01朔…自然に反して病気になった 2/3


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どんな食べ物が良いか
意図的にパン食へ


――生活全般をより自然に戻すという手始めは食事ですか。
真弓 今の食事の問題点ではっきりしているのは、動物性食品のとりすぎと、ご飯をとらなくなったこと。この2点です。
 ご飯は、戦後GHQがアメリカで小麦が大量に余った昭和20年代、米を食べると頭が悪くなるとか、米は太るとかいった宣伝を流して意図的にパンに変えていった背景があります。
  その結果、体の適応(消化吸収)能力を超えて動物性食品がとられるようになりました。なぜなら、パン食には、ハンバーグ、ハム、ソーセージ、牛乳、チーズ などの動物性食品の方が合うからですね。調味料にしても塩味・味噌・醤油じゃパンに合わない、ドレッシングだとかマヨネーズ、マスタードと油づけにしてし まったわけです。


お金で曲げられた〃健康に良い〃食品の横綱格は〃牛乳〃

――そうした動物性食品の中でも、子供たちの間にアレルギーを増やしたのはやはり卵、牛乳…。
真 弓 その前に、今のお母さんたちは病気そのものの情報はたくさん持っていらっしゃるけど、病気にならないためには、どんな食べ物をとったら良いか、どうい う生活環境が良いか、そういった体に良い情報は全部経済優先の歪められた情報しか伝えられていないことを知っていただきたいですね。
 その代表が50年もかけて作られた牛乳神話です。牛乳神話は昭和22年から50年間かけて、厚生省が保健所を中心に国民を洗脳し、それを牛乳メーカーがバックアップして意図的に作られたものなんですね。
  人を含めた霊長類は全部、温帯から亜熱帯にかけて発生し、その中で生息している動物ですから、本来、人間の食べものは穀類、草(野菜)、海藻、木の実、小 魚となるわけです。ところが、人間が火を使い出し、農耕牧畜を始めて人口が増え始めると、その中で住めなくなって、はみ出した人たちがいた。そのうち北の 方にはみだした人がヨーロッパの人で、北へ行ったら穀類や、小魚、海藻は十分とれませんから、そこでやむを得ずパンや肉や牛乳を飲食するようになったわけ です。
 ですから世界中で一番牛乳を飲んでる国民はノルウェーとなるのですが、ノルウェーの骨折率は日本の5倍、これはカルシウムとマグネシウムのミネラルバランスを崩してしまったからなんです。
  勿論おっしゃった通り、牛乳の大きな問題点には、牛乳蛋白が抗原となって免疫細胞が正常細胞を攻撃し、アレルギーや小児糖尿病をおこすこともあります。特 に、粉ミルクは、牛の赤ちゃんの飲みものに約30種類もの添加物(表2)を加えて作られているわけですから、今、体質の弱い子供、ひいては先天異常児が増 えているのは当然といえば当然なんですね(図)。
 少なくとも昭和10年生まれ迄の医者はそういうことを知ってるわけですから、自分の子供や孫には1滴たりとも牛乳を飲ませたりしませんでしたよ。


人は消化されたもので生きている

――卵もですね。
真弓 卵も全く同じです。
 19世紀のフランスの作家アレクサンドル・デュマは「人は食べ物で生きるのではない。消化された物で生きるんだ」と言っていますが、結局、今の子供たちが消化力、適応力をはるかに超えて動物性のものをとってることに、諸悪の根源があると思います。
  歯の構成からいうと、犬歯があるということは動物性のものを消化する能力が多少はあるのではないかと考えられます。ただし、それもあくまでも昔我々が小魚 を食べていたその程度の適応力で、今の様にふんだんに牛乳をとり、卵をとっていたらこれはもう病気になるのは当たり前の話ですね。


カタカナ食をひらがな食に

真弓 ですから体に良い食べ物とは、その民族が食べ続けてきた食べ物ということになり、日本人の場合でいえば、昔はカタカナのものは食べなかったですから、パンはやめてご飯に、スパゲッティーはやめてうどんに、スープはやめて味噌汁にする、と非常に単純明解です。
 これを20年間徹底させれば、病気にならなくなる。もっと言うと味噌汁は必ずとる。味噌汁は医者殺しって言われるほど、毎日飲まれたら医者は困るんです。


アレルギーでは 住環境が最も問題
冷暖房完備が アレルギーをつくる


――卵、牛乳、油、砂糖をやめたらアレルギーにならないと…。
真弓 そんなことはあり得ません。特に、アトピー性皮膚炎では食事よりもっと重要な危険因子があります。
 平均的に、食物は25日間断つと命を落とす、水は5日、空気は5分です。
 食物では、添加物や加工食品も大きな問題ですが、そうすると、まず加工していけないのは、食べ物より水、空気の加工はもっといけないということになります。
 まず、赤ちゃんの部屋の温度は、外の気温との差を摂氏5度以内に保つように心がけて下さい。
 大人は10度の温度差、子供の場合は5度以上の温度差で、自律神経のバランスが崩れ、ホルモンの分泌が乱れ、副腎からのホルモンも出なくなります。
 だから、今の子供は冷暖房の発達で風邪をひきやすく、アレルギーにもなりやすくなっているんです。
  寒い時に部屋の中の温度を、どの位に保ったらアレルギーにならないか。赤ちゃんの部屋の温度はどの位が適当か。冬の場合、昼間で14度以上、夜は5度以上 あれば赤ちゃんの発育には全くさしつかえありません。ということは、東京地方の場合は暖房の必要はほとんど全くないといってもいいんですね。
 事実、昭和20年代までに、冷暖房完備の家なんてなかったわけですよ。
 それともう一つ大事なことは住居形態が、温帯・亜熱帯では湿度に対応して、柱と屋根を持ち、土台が高く、縁の下がある、土台は南へ行けば行く程高くなって、湿度と温度に対応しているわけです。
  それが、寒さに対応したヨーロッパや北アメリカの、壁に囲まれた閉鎖的な住居形態をこの日本にとりいれたところから、問題が生じた。こうした住形態で、一 番喜んでいるのはダニとカビですよ。昔は、冬は死んでいたのが、今、四季を通して生息して、抗原となる死骸や糞が鼻から皮膚(バリアーの壊れた軟弱な皮 膚)から人体に入ってきて、アレルギーを起こすわけです。


汗腺が圧倒的に少ない今の子供

真弓 それと、外気温との温度差が広がるほど、皮膚の働きが落ちてしまいます。
 病院で出産する今の赤ちゃんは、生まれてから約1週間前後、エアコンのきいた病室で過ごすために、汗腺の機能が8割位停止してしまいます。つまり2割の汗腺で体温調節を行なっているわけで、そうなると一生、汗を出す力が弱いまま生きていかなければならないわけですね。
 私が医者になりたての頃は、小学校の検診でも上級生になると男くささがあったんです。汗くさいのが当たり前。しかし、そんな子供はもう20年くらい前から姿を消しています。
 このように、冷暖房完備によって、基本的な皮膚の働きが落ちてしまって、アレルギーばかりでなく、低体温の子供が増えているのも、一つには汗腺がないために体温調節がきかなくなっているからなんです。そうすると、感染症にもなりやすくなってきます。


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