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ビフィズス菌は、体の内から…ABC療法 3/3


>> 3/3


カロテンセラピーから ビフィズス菌投与 ABC療法まで


──ビフィズス因子構造決定の背景に、戦後日本の人工栄養児の健康問題とヨーロッパのカロテンセラピーがあったということですが、結局、人工栄養児には、ニンジンスープやニンジンジュースを与えたのですか。
吉岡 1969年11月に構造が決定して以後はビフィズス菌を直に与えるようになったんですね。プロバイオティクスの時代に入ったんです。

──カロテンセラピーは当然、大人でもいいのですね。
吉岡 最初は子どもだけの問題だと思ったのですが、大人でも子どもとは少し違いますけれど、腸内の下部の方で腸内細菌の30%くらいは存在することが望ましい。乳児と同じように腸内にビフィズス菌が30%以上増えてきますと、本当に便がきれいになります。
 それで、機能性食品やビフィズス菌製剤は腸内に30%以上のビフィズス菌を増やすものでない限り、売ることはできなくなりました。

 手術後、
特に抗生物質浸けになった手術後の患者にとっては腸内細菌がいないですから、直接ビフィズス菌を処方します。

がんなどいろんな病気で便が臭くなる。

ビフィズス菌はそういうのも全部和らげますから臭くなくなります。


 ですから、

便が臭いのは健康人ではないといえます。

──便の改善も、カロテンセラピーとかABC療法の方がいいのですか。
吉岡 腸内細菌叢がダメになった場合はビフィズス菌製剤しかないけれど、そうでない場合は食物から腸内細菌叢を整える方が好ましいと考えられます。
 ビフィズス菌だけではなく、腸内の他の種々の微生物が共生してヒトの命をはぐくんでいます。
 つまり、腹も身の内であることを共感することが重要で、ABCだけではなく、食生活全般において腸内細菌叢をよくすることを心がける。その意味からも、西原先生がおっしゃる「冷たい物中毒」には気をつけた方がいいのです。


ビフィズス菌の真の意義と 痴呆症
これまでにわかっている 健康効果


吉岡 ビフィズス菌の働きはこれまでにわかっているものとして、

①乳酸や酢酸を生成し腸内を酸性に傾け、病原菌から体を守る
②腐敗細菌の発育を抑え、腸内腐敗産物の産生を抑制
③ビタミンB群(B1、B2、B6)と、ビタミンKの産生
④腸のぜん動運動を促し、便秘を予防
⑤細菌性下痢の予防改善
⑥免疫の賦活
⑦ガン抑制──などがあります。

 このうち、③のビタミンKに関しては、大腸菌などの他の腸内菌の産生の方が大きいのですが、Kの前駆物質「1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトイン酸」は新しいビフィズス因子として他の菌から分泌される腸内細菌の共生が最近わかってきています。



21世紀に向けての真の意義 ──プリオン病・痴呆症と ビフィズス菌

吉岡 では、ビフィズス菌の真の働きは以上のところだけか?
 21世紀の医学では、人類の未解決の大問題は、痴呆症やプリオン病があります。
 これらの病気は、身体の中に、「アミロイド蛋白質」の沈澱が起きるという共通の現象があります。
 特に、プリオン病は、共食いという悪弊が引き金になっています。
 共食いをタブーとしているのはどの民族でも同じですが、ユダヤ民族のコシャ(Kosher : 食べ合わせ)はその中でも一番厳しく、世界の食品の最低限の品質はそれによって守られているのは有り難いことです。

 しかし、よく考えてみると、乳幼児にとって、母乳は共食いではないのか。
 どんなルールにも例外があり、母乳に依存して増殖するビフィズス菌は、この共食いに対処するために増えているのではないかとも考えられます。
 ビフィズス菌はほとんどの哺乳動物で検出されていて、検出されていないのはネコとミンクだけです。肉食動物は何か別の対処方法があるのかもしれませんが、彼らの糞便は特有の匂いがあり、ネコの糞が嫌われるのはもっともなことなんです。

 私は、アミロイドタンパクの一種である「トランスサイレチン」を沈澱する引き金は、トランスサイレチンの中にあるアミノ酸のシステインが「S-スルホン酸」に代わることによって引かれることを見出しました。

 また、合成システイン-S-スルホン酸は、アミロイドタンパクをはじめとする種々の蛋白質の沈澱反応を促進することも確認しました。

 さらに、ビフィズス因子はパンテテイン-S-スルホン酸(PaSSO3H) の誘導体です。図3のように、ビフィズス菌はS-スルホン酸を取り込み処理することができます。

 ビフィズス菌の栄養にはシステインが必須なのです。従って、肉類に多いシステインが酸化して、システイン-S-スルホン酸になるとこれを取り込む処理をしていると考えられます。

 クールー病はニューギニアの現地人の人肉食をした中から見つかりました。発病した患者にはビフィズス菌が腸内に少なかったのではないかと私は推測しています。

 なぜならば、一般のパプアニューギニアの人々はタロイモを常食とし、腸内にはビフィズス菌が生息していることがわかっているからです。

 ウシ海綿状脳症(BSE)では、脳、脊髄、回腸遠位部位に異常プリオンが蓄積しています。ビフィズス菌は消化管の下部に生息するので、ウシのビフィズス菌が減少すると、異常プリオンを処理できないのではないかと思われます。
 日本人も百年余り前から動物の肉食をするようになりました。
 BSEを発病しないのは異種の蛋白質であるためとされていますが、ビフィズス菌も一役果たしているのではないかと考えられます。
 また、老化とともに腸内ビフィズス菌が減少するために、痴呆の原因となる可能性もあるのではないかとも考えられます。
 プリオン病を化学的にみると、微生物が死滅する高温処理でもプリオンが死なないのは、システイン-S-スルホン酸関連物質のような安定な物質が媒介している可能性があります。

 独断と偏見ですが、今後の研究を待ちたいところです。




月刊「自然食ニュース」テキストデータ 2011-11 (456号)
http://www.sizenshoku-news.com/news/backno/int/i201111.htm

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・・・ 生命の鎖 ロジャー・ウィリアム博士
    http://en.wikipedia.org/wiki/Roger_John_Williams


・・・ 腸内環境を整えるのはヨーグルトでは無いようです。

ヨーグルトに効果なし? …米研究
カテゴリ:美容/健康
2013/04/28 21:10:11
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=689818&aid=49748093



・・・ クールー病(カニバリズム)は、よろしくないですな。^^;

儀式目的で虐待…子どもたち…英に… 国連委が警告
    カテゴリ:イベント
    2014/06/22 16:26:52
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=689818&aid=56179223
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