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09/01朔…ヨモギのすごい力 2/3


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コリンと若返り促進

大城 ヨモギに含まれているコリンも老化防止、心機能の正常化に働き、動悸、息切れ、肝臓障害を防ぐのに有用な成分です。また、腸内でビタミンA・B1・B2・B6、ニコチン酸、葉酸、ビタミンKなどが合成される上でも欠かせない物質です。
 ビタミンB1は粘膜や皮膚を強くしますし、B6も皮膚、粘膜の修復再生を促進し、皮膚の抗アレルギー作用を強化しますので、アトピー性皮膚炎や、その他のかゆみを伴う皮膚病にもヨモギはおすすめです。



有用酵素の宝庫

大城 栄養素の消化吸収、体内で生成された不要な物質の分解・排泄には各種の酵素群が必須です。
 ヨモギに含まれる酵素については戦前、熊本薬学専門学校の酒井亮次、北島酉一両氏の報告があり、報告によるとアミラーゼ、インベルターゼ、カタラーゼなど10種類程が確認されています。
 他の植物は一般に、せいぜい2~3種類の酵素を含むだけです。ヨモギはその豊富な栄養を有効に利用する条件も備えた野菜だということです。



マラリアへの効果

大城 中国では昔からマラリアによる悪寒・発熱の治療にヨモギの一種が用いられ、1960年代には単なる解熱作用だけでなく、マラリア原虫を殺す有効成分「アルテミシニン」も見つかりました。
 その後、WHO(世界保健機構)やUNDP(国連開発計画)などが米陸軍の研究機関に製薬化を要請し、「アーティシア」と名づけられたマラリアの新薬、注射液が開発されました。



インターフェロンを増やす

大城 インターフェロンの発見者である小島保彦博士は、ヨモギのクロロフィルに結合している物質が、体内でインターフェロンを増やすことを突き止められました(本誌03年10月号・№358インタビュー)。
 その後、がんをマウスに移植し、ヨモギ抽出液を飲ませたところ、がんが小さくなってくることも確認され、さらに飲用を中止すると元に戻ることも確かめられ、ヨモギ葉の抗がん作用を明らかにされました。



最近の研究 ──肝機能改善効果

大城 最近の研究では、肝臓疾患の目安であるGOT、GPTを低下させる働きが明らかになっています。胆汁分泌促進作用もあり、体内脂肪を減らし、抗がん効果も証明されています。
 これらの作用は、ヨモギに含まれるベータピネン、カピレン、ジメチルエスクレチンなど精油成分によるもので、また、クロロフィルとの相乗効果も見逃せないと考えられます。



医療現場での 応用・研究

大城 以上のようなヨモギの力を、実際の治療に応用する試みや研究は医療の現場でも進められています。

〈がん予防・肥満防止・美肌効果
──斉藤隆・斉藤医院院長〉
 ヨモギ茶は余分な脂肪を分解して体外に排泄する働きがあるとして、すすめられています。

〈心臓病など
──伊沢一男・星薬科大学名誉教授〉
 ヨモギの成分には、老化防止作用と心臓の機能を正常にする働きがあり、さらに血液循環を良くするとされています。

〈動脈硬化
──尚弘子・琉球大学教育学部教授〉
 ヨモギの煎じ汁には、血液中のコレステロールなどに好影響を与える作用がありそうだといわれています。

〈冷え症・婦人病・貧血
──久保道徳・近畿大学薬学部教授〉
 ヨモギはあらゆる婦人病に用いて良いといわれ、生理不順、不正出血、膀胱炎、貧血など、女性に多い身体のトラブルに優れた効果があるとされています。お茶代わりに、ヨモギ3~5gを水3カップで20分程度煮て飲むと効果があるとのことでした。

〈ひざ痛・腰痛など
──三村和男・三村外科医院院長〉
 10数年前から、ヨモギの煎じ汁の内服・外用で病気の治療に役立てておられます。その中で、ヨモギとしょうがの煎じ汁で関節痛や筋肉痛、神経痛を改善する方法を紹介されておられます。

〈腎臓透析──田中孝夫・
はまゆう会王子病院副院長〉
 腎臓透析の最大の悩みは痛みとかゆみですが、ヨモギローションやヨモギ石けんなどは乾燥した皮膚に効率よく潤いを与える効果はあるでしょうといわれています。

〈かゆみ・床ずれ──中里トメ子・
聖ヨゼフ病院総婦長〉
 寝たきりで床ずれを訴える患者さんに、ヨモギ汁を使って効果を上げられ、小児科ではアトピー性皮膚炎のかゆみにも効果があり、患者さんの家族にも歓迎されているということです。



食用から外用まで
ヨモギまるごとの利用
活用法8つの柱


大城 こうした効果を発揮するアルテテラピー(ヨモギ療法)を、私は大きく分けて8(から9)の柱を持たせました(表2)。
 これらアルテテラピーは、人間が本来もっている自然治癒力を最大限に引き出すことで、心身のトラブルを解消する方法です。

飲む
大城 ヨモギの効用は多岐にわたりますが、特に飲用では、血液を浄化、身体を弱アルカリ性にし酸性体質を改善、薬毒を分解・体外に排泄──などの効用があげられます。
 症状によって次のようないろいろな形で使い分けます。

〈基本のヨモギ茶(乾燥葉の煎汁)〉
 簡便で飲みやすく、香りと薬効の日常的摂取法として全ての方にすすめられます。また、あらゆる慢性疾患に対する健康補助飲料であり、特に冷え症や胃弱の方は継続的に飲むことで血液をきれいにし、細胞を元気にします。
 1リットルのお湯に乾燥葉10~15gを弱火で10数分煎じ、1日3~4回、食前の空腹時にお茶代わりに飲みます。
 風邪や下痢の時はもちろん、基本的に必ず温かくして飲みます。ただし、吐き気のひどい時は少し冷やしたものを少量、鼻血、吐血にも冷やしたものがすすめられます。

〈ヨモギ酒〉
 葉(乾燥・生)や根を、焼酎、酒、白ワインなどに浸けた薬用酒です。基本の乾燥葉をホワイトリカーに浸けた薬酒は、虚弱体質や胃弱の人の体質改善におすすめします。

〈ヨモギ青汁〉
 新鮮なヨモギの若葉を早朝に摘み、採取後直ちに水洗いし、水気を切らずにジューサーかすり鉢ですり、しぼります。つくり置きはせずに直ちに、飲むか料理に利用します。黒砂糖や蜂蜜、りんごなど好みの果物や野菜をまぜたり、自然塩を少し加えても飲みやすくなります。
 青汁約20 cc(盃1杯ぐらい)を1日分とし、胃弱の人は薄めて飲むか1日10 cc程度にするか、健康料理に使ったりすると良いでしょう。

〈ヨモギ粉末〉
 ヨモギを洗浄・乾燥し粉末にしたものは、飲み物や食べ物にまぜたり、料理に用いるなど、幅広く利用できます。
 全身の強壮には最適で、毎日継続して服用していると身体に活力がみなぎり、疲れ知らずの健康体になります。他に、利尿剤、消化剤としての働きもあり、また神経痛、腎臓病、糖尿病などにも結果が出ています。

〈ヨモギエキス、エキス粒状〉
 携帯に便利で、成人病予防、冷え症、胃弱などさまざまな症状に効力を発揮します。
 以上の全ては、当研究会が開発・製品化しておりますので、それらを利用するのも便利です。



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