バレンタインスクランブル -ヒロキ-
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/02/13 22:34:49
「待ちなさい!」
何やら騒がしい。どうやら警官がチンピラを追いかけているようだ。
あれ?あの警官・・・気のせいだろうか。まあいいや。
それにしてもカホのやつ一体何の用だったんだろう。
せっかくの日曜に人を呼び出しておいて、挙句キャンセルって・・・。
完全に振り回されてるな。いつものことだけど。
ふ...
毒吐き男じゅんの前向きなポンチョ
あなたがまとった心の『ポンチョ』脱がせてみせます
「待ちなさい!」
何やら騒がしい。どうやら警官がチンピラを追いかけているようだ。
あれ?あの警官・・・気のせいだろうか。まあいいや。
それにしてもカホのやつ一体何の用だったんだろう。
せっかくの日曜に人を呼び出しておいて、挙句キャンセルって・・・。
完全に振り回されてるな。いつものことだけど。
ふ...
「待て・・・それには」
うぜー。マジうぜー。待てって言われて誰が待つかっての。
つか何ホームレス相手にマジになってんのよ、オレ。
目的地もなく再び街を彷徨う。
今日は朝からイラつくことばかりだ。
泥酔したオヤジの叫び声で起こされた。
昨日もどこかで飲んでやがったんだろう。ちっクズ野郎が。
つか一体...
「オッサン、これでも食べな」
通りすがりの若者が何かをこちらへ投げた。
綺麗にラッピングされた紙袋。
食べ物だろうか?食べろと言うからにはそうだろう。
前に食事にありつけたのはいつだったろうか。
三日ほど前に食べ残しのコンビニ弁当を獲得したような気もするが、
既に日付の感覚はなくよく思い出せない。
...
「ひょっとしてシオンさんですよね!?」
突然呼び止められ、一瞬どきりとしたがすぐに平静を取り戻した。いつものことだろう?
俺のファンだと熱弁を振るうその女の口は実によく動く。
こちらが相槌を打つ暇もなく一方的に喋り続ける。
こういうタイプはこちらの話なんて最初から聞く気がない。
自分が話すことに満足...
「じゃね。いろいろありがと」
そう一方的に言い残してサオリが立ち去る。
「あんたの為に呼び出した私の立場は?マジ最低!もう知らねーから!」
なんて自分勝手な奴なんだ。
自分のイベントそっちのけで協力してあげたっていうのに。あーいらつく。
なんであんな子とつるんでんだろ、私。
サオリとつるんでるのは...