Nicotto Town



星を盗む男 (中)

(次弾を撃たれる前に体制を整える)
残った左手で、業物を拾おうと試みる、
だが、すぐさま動きを止めた。
「カチリ」
頭のすぐ上でリボルバーの撃鉄が起きる音がしたからだ。
(いつの間に、こんなに距離を詰められた?)
ゆっくりと、見上げると。口角の上がった口がゆっくりと開くのが見えた。
「まだ、やり合お...

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『星を盗む男』後編をお待ちの皆様へ

現在お待たせしています、『星を盗む男』ですが、後編を前に一度用語解説をやらせてください。
前編でもわからない言葉が多かったと思いますが、後編も、色々でてきます。
それをいちいち解説するようなしゃべり方をさせると、リズムが悪くなるのです。
そこで、不本意ではありますが用語解説をここで入れちゃいます。
...

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星を盗む男 (上)

風はなかった・・・。
海に面した街では珍しく、夜気は生暖かく乾いていた。
街灯の数は、乏しく、月は出てはいない。
そして明かりの漏れる窓は数えるほどしかなかった。
闇に占められた街は、
来る人を拒むような威圧感のような。
罠へ誘う静けさのような。
なんともいえない雰囲気を醸し出していた。
「今回も冴...

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もうひとつの夏へ (7)

「ほら、あのベンチ」

佳代がベンチを指差す。
想い出が蘇る。
確かあれは、佳代がはじめて僕にお弁当を作ってくれた時にすわったベンチだ。
その時は「普通に食べれる」なんて、いって激怒させたっけ・・・。
そのベンチには今じゃ屋根がついて雨宿りも出来るようだった。

佳代は僕をベンチまで引っ張っていって...

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もうひとつの夏へ (6)

「痛っ!」

女性の声が聞こえた。
そして、また僕の元へ飛んで帰ってきたキーホルダー・・・。

え?

エーーーーー???

慌てて上がろうとしてもつれて転ぶ。
靴を脱ぐのももどかしく、そのまま土足で上がってしまった。
こちらに背を向けている女性に見覚えはなかった。
でも、もしかして・・・。恐る恐る...

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