Nicotto Town



もうひとつの夏へ 【3】

受付には黒髪の女性の姿はなく、別の女性がいた。

栗色の短い髪、人当たりの良さそうな顔、一般的基準なら十分美人の範疇だ。

服装も振袖などではなくスーツを着ていた。

(これが普通だよな)

心の中でクスリと笑ってしまった。

「何かお困りですか?」

女性はにこやかに対応した。

「あの~00号室...

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もうひとつの夏へ 【2】

斎場に着くまでは、ひどいどしゃぶりだったが着いた途端太陽が顔を見せていた。

雪美の母親を見つけ、会釈をする。

傍に父親の姿はない。

きっと離婚したのだろう。

受付を済ますと黒いドレスの優に会えた。

いっぱしの美人になっていた。

「見違えたな」

「そう?」

立ったまま一言二言交わすと、...

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もうひとつの夏へ 【1】

その日は朝からやけに蝉がうるさかった。

今思えばあれが虫の知らせって奴だったのかも知れない。

毎晩の暑さにうなされ、今夜もようやくうとうとし掛けた時に、不意に電話が鳴った。

「こんな時間になんだよ ん? 見たことのない番号だな」

ディスプレイに表示された数字の羅列に覚えはなかった。 

普段...

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もうひとつの夏へ 【序章】



僕は、一体なにをしているのだろう?
30mほどのそびえ立つビルを見上げながら、恭介は考えていた。
(こんな夜更けに彼女にバッタリ会うなんて)
塾の帰りだろうか? 角を曲がり、雪美と出会ったのが、ほんの数分前…。
角を曲がってすぐ、くるりと180度回ってもどるのはかなり怪しい。
だか...

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祝4万人!

いつも訪問してくださる皆様!

本当にありがとうございます!

おかげさまで

訪問者4万人達成しました。




ジャスト4万を踏んでくれたのは

蒼麻ゆやさん


惜しかった前後賞は

ひじきさん ぱあるさん

でした。

その他惜しかった皆さんも、そうでない人も!本当にありがとうございます。
...

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