Nicotto Town



続きです・・・。


ジム・ライトアーマーのビームサーベルが徐々にアニエスのザクⅡ
のヒートホークの力より勝ってきていた。

『く・・・駄目です・・・もたな・・・い・・・』

アニエスの声も、戦闘モードにはいったマルヴィンにはもはや届か
なかった。
徐々に力押しされ、今まさにビームサーベルがザクⅡのボディに達
しようとしたとき、アヤメの声がインカムから響く。

『マルヴィン!何やってるの!あなたは一人で戦ってるの!?』

アヤメの声に、マルヴィンの表情が動いた。

『あなたがサポートしないで誰がアニエスをサポートするの!?』

マルヴィンは、目の前の敵である陸戦型ガンダムをヒートサーベルで
一度斬り付け、相手がよろけたところをバックブーストで距離をとり
ラケーテン・バズと呼ばれる、大きな砲身を持つ射撃武器でロック・
オンし、トリガーを引く。

『アニエス、すぐに行く!落ち着いて相手をロックオンして、確実に
敵に弾を当てていくんだ』

吸い込まれるように、ラケーテンバズの弾は陸戦型ガンダム目掛けて
一直線に進んでいった。

『倒しきれない・・・が、アニエスのほうが先だ』

今まさにアニエスのザクⅡのボディにビームサーベルの刀身が到達し
ようというとき、ジム・ライトアーマーの背後で爆発が起こった。

『アニエス、そいつがこっちを向いたら背後から斬り付けろ!』

『ぐ、軍曹!』

『返事は?』

『了解!!』

ジム・ライトアーマーが撃たれた方向を確認するように背後を振り返る。
その瞬間を、本当にほんの一瞬を逃さずアニエスはジム・ライトアーマー
の背後から切りつけた。

三度、閃光がジム・ライトアーマーを切り裂く。

『よし、いいぞ、次は徐々につり橋のほうに誘導するんだ』

背後の敵に注意しながら、ジム・ライトアーマーをつり橋方面に誘導していくアニエスを目の端に捕らえ、アニエスのサポートがいつでも出来るように追随していくマルヴィン。

『軍曹!後ろ!!』

アニエスの言葉と同時に、ビルの影から先ほどの陸戦型ガンダムが飛び出し、マルヴィンの背後を切りつけた。

『く・・・アヤメ少尉!』

いつ移動したのか、アヤメはすでに二人の戦闘のサポートの出来る位置に陣取っていた。
オレンジ色の閃光がビルの隙間を縫って陸戦型ガンダムのコクピットを貫く。

『アニエスは?』

アニエスは、マルヴィンに気をとられた自分の背後に回りこんだジム・ライトアーマーの動きに気づき、急旋回しヒートホークを敵のボディに叩き付けた。
たまらずよろけるジム・ライトアーマー。
そこにザクマシンガンの弾が続けざまに打ち込まれる。

『で、出来ました!撃破です!』

爆発炎上するジム・ライトアーマーと陸戦型ガンダム。
マルヴィンは、かつて共に戦場に出た仲間たちのことを思い出していた。
あの時も自分は、敵の一機に執着するあまりに、我を忘れて追いかけて
行ったのだ。
その結果、仲間は全て落とされ、自分だけが戦場に取り残されたのだ。

『アヤメ少尉・・・』

マルヴィンは自分を恥じていた。
自分はまた、同じ過ちを犯すところだったのだと、アニエスを敵の只中
に放り出し、自分だけで戦おうとしていたのだと。
言葉を繋ぐことが出来ないマルヴィンに、アニエスの声が重なる。

『マルヴィン曹長、ありがとうございました』

ザクⅡのコクピットの中で頬を高潮させ、勢い込んでいるのが目に見え
るようなアニエスの声に、マルヴィンが照れたように返答する。

『俺はなにも・・・』

そんな二人をアヤメはほほえましく見ていた。
かつてアヤメも、最愛の人となる男と共に、こんな場面を演じていたこ
ともあったのだと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日はここまで・・・。
文字数が多いと辛いわね><

アバター
2009/02/08 16:08
ひろぽんちゃ、いつもコメントありがとね^^
場面が見えるとか、怖いとかいってもらえると書いてる甲斐がありますよ^^
アバター
2009/01/31 21:33
ふぅ~、一時はどうなるかと思ったけど、無事で何より。
しかし、すごいなぁ。
いつも、関心しちゃうなぁ。
場面が見える。
でも、怖いなぁ、見えるだけに。

お疲れさまです。よっちー姉さん。



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.