Nicotto Town



クリムト「黄金の騎士を巡る物語」

チケットを貰ったので
せわしない中ですが、金曜日はよる8時まで開館なので愛知県美術館クリムト生誕150年展行ってきました。

怪しげな作風は 面白いのもあれば、不可解な印象をうけるものも様々ですが、
やはり 天賦の才能があったんだろうと『学部の絵』3部作を見て思いました。
かつてウィーン大学の大講堂の天井絵として製作されたものの、そのショッキングな内容からウィーン帝国議会まで巻き込んだ大論争になった問題作です。
ナチスの放火で焼失したため現存する白黒写真での公開ですが、それでも迫力がありました。
『学部の絵』3部作
①『医学』 描かれた女性の裸体表現が問題になったと解説にありますが、それだけじゃない怪しさ。骸骨は「いずれ人間は死ぬ」ということを暗示してるように考えることもでき、どこにも医学の勝利(注文側が依頼した内容)は反映されてない。

②『法学』 3人の復讐の女神に囲まれる男。。。過去に散々検閲にひっかかって裸体画の変更を要求されたクリムトにとって「法律」なんてものは敵でしかなかったのが良く解ります。

③『哲学』 苦悩に頭を抱え、顔をゆがめる男たち。
見ていて禅の「十牛図」を思い出しました。悟りを開いたと思ったら、夢でした。というやつ。

見る前は「批判した人たちも頭固いな~」と思ってたけど あれを大学の講堂の天井に飾るのは無理でしょう。そういうものを描いてしまう才能はすごいけど。

その他クリムトの作品は様々な色彩に囲まれた肖像画等。
クリムトは世界に溢れる色彩に魅了され、その中に世界のすべてが隠されてると思ってたように感じます。

併せて ウィーン工房デザインの家具・装飾品なども今でも通じるデザインで面白かったです。

それにしてもクリムトも恵まれた画家だったなと「黄金の騎士」というのもちょっと皮肉に見えてしまったのが後の感想です。
亡くなったのが1918年、第一次世界大戦の終盤です。生きた時代の政治を見て行くとオーストリアは次々と戦争と無政府主義者の暗殺に衰退していく時代、そんな時代にパトロンもいてちゃんと芸術活動していられたのだから。
 

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2013/02/11 22:07
少なくともゴッホよりは恵まれている(笑)
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2013/02/10 16:55
くりむと
一種変態的な素材を取り上げるので
当時からやり玉ですね
ナチスが放火
無粋な連中で困ります



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