Nicotto Town



不思議そうにきいた

父って、あたたかいんだ…
光の目にも光るものがあふれた
帝が落ち着かれるまで
父は子の背をそっと撫でていた。17-5 犯人想像

やをらづつ、ひき入り給ひぬる気色なれば*―
「そう、そうやってじりじり後ろに引かれたもんだから、俺もとうとう
言い寄りそこねたよ」
「いや、そこまで伝われば十分かと」
朱雀は思わず苦笑した。
若いなあ<a href="http://www.tcjkg.com" title="http://www.tcjkg.com">http://www.tcjkg.com</a>

女性にときめく心がまだ残っているなんて。
感心して苦笑する。
「いや、もちろん本気じゃないんだよ?帝の奥さんなんだから、いくら
俺だって手出さないよ。ただとても美人だときいたからさ、やっぱ気
になって」
そう言って笑う光は輝いていた。
何かいいことあったみたい。
「冷泉さんは、お元気?」
「うん、おかげさまで」
光は朱雀を見ると
「実はね」
すべてをそっと話してしまった。
よほどうれしかったらしい。
光は、信じた人に何もかも話してしまう癖がある。
<a href="http://www.tcjkg.com/レディースバッグ-z0-2.html" title="クロエ 長財布">ブランドバッグ 人気</a>

「そう…よかったね、ほんとに」
朱雀は感動した。
十二年間黙っていた心を思うと、涙が出そうだった。
「死ぬまで隠し通すつもりだったから、こんなこと一生ないと思ってた
から、なんかすごくうれしくて。俺も久々に泣けた」
光はにこっと笑った。
「あとは藤壺さんだな。亡くなった方が許してくれるかどうか」
そう言って、目を伏せる。
つひに、心も解けず、むすぼほれてやみぬる事、二つなん侍る。*
六條さんはまだ、許してくれるかもしれなかった
遺言守ってまじめに後見してるわけだし
でも彼女はどうだろう
あの子にばれたこと、天上で知ってしまっただろうな。
「ねえ、兄貴が言ったの?あの子に」
光は不思議そうにきいた。
「命婦にきいても違うと言うしさ、彼女も絶対秘密にしてたというんだ。
あとは兄貴くらいしかいないだろ」
「えっ、俺?」<a href="http://www.tcjkg.com/chloeクロエ-z0-1.html" title="アナスイ バッグ">鞄 ブランド</a>
朱雀はびっくりすると
「言ってない、と、思うけどなあ」
自信なさげにつぶやいた。
聡明な方だから、何かの折にお気づきになったのかもしれないけど。
一応、そうはっきりとはお伝えしてないように思う。
「そか…不思議だなあ、親父かな」
光は怒っているわけではなかった
むしろ感謝したいように、犯人を想像する。
「こどもっていいね、かわいくて」
光はうれしそうにつぶやいた。
「まあ約一名、可愛くないのがいるけど」
「そんなことないよ、皆かわいいよ」
朱雀が慌ててフォローする。
「俺は女でも慰めてくるわ。子守は苦手だから」
そう言うと明るく帰っていった。
紫さんのもとか、明石さんちへ行くのか、ちょっとわからない。
忙しいなあ
亡くなった人を想うのかもしれない。
朱雀は夕霧を思い出していた。
隠居して公の場にほとんど出ないから、あまり会えない。
でも物は贈っていた。
もちろん光のほうがお金持ちで、何もかもそろっているのだけど。
頼りない伯父だが、実子より気になるのだから、我ながら苦笑する。18-1 十年目の浮気

十八.朝顔
「男と女の友情が本当に成り立つと?お思いなのですか」
「思っていましたわ」
朝顔の斎院はそう返した。
「あなただけは、私をただの女とは見ないと信じていた」
その言葉を、光はまぶしそうに受けとめる。
「恋がお嫌いなのですね」
「だって、あまりありきたりですもの」
「ありきたりではかない。すぐ燃え尽きる?」
「ええ。友情は永遠ですわ、死んでも消えない」
「それはどうかな」
光は苦笑してしまった
死んでも消えない情などあるだろうか。
「俺もそういう友を二、三もっておりますが、女との間には無理
そうです」
光は友人らしく率直にこたえた。
「友を守るのに死を選ぶのはよくあることですが、女を守るために
死ぬことはできません。生きていないと、守っ




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.