Nicotto Town



旗一枚なびかない


 対岸はしんとしている。旗一枚なびかない。「殿」 七左衛門が見上げてきて、太郎はうなずいた。手綱を振り、いきり立っている黒連雀を川の中へ進ませる。治郎助、それに弥八郎も冷たい川水に足を浸からせ、七左衛門だけはその場に残った。 黒連雀は鶴首になって跳ね飛びながら前進していく。 ざばざばと、彼らが川面...

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弾正は言った

らしてみれば、悪党と教養人、それぞれの顔を持つ弾正から得られるものは大きいと感じた。「そうですかねえ」 と、牛太郎はうがった目を弾正に向ける。「このように言っているのだからそうなのだろうが。貴様ぐらいだ、わしをけなしているのは」「けなしているのは御隠居でしょうが」「貴様だ」 まあまあ、と、弥八郎がな...

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英気を養えよ

筏贰⑶尘渭窑稀⑹肖虼笄肖摔筏皮坤丹い蓼埂? 麗しき市の微笑みが思い出される。その幸福を与えたのは牛太郎であったけれど、それの破壊に参加しようとしている自分もいる。「小谷城は堅牢だ。これまでの攻城のように、一日二日で終わらせる攻城じゃねえ。周囲に砦を築き、浅井の者どもを根絶やしにしてやる」 上総...

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よく馴染んでいる

や、東の方角から迫りくる夕闇は強いくせに無垢で、それに背を向けると、ぐいと背を押されて無理やり歩かされる気分になった。
 胸が、苦しかった。息の仕方を忘れたような、思い出したような――。
(おさまれ。どうしたんだ……)
 土牢に入ってから石玖王に投げ飛ばされるまで、ろくに...

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に寄る気にも起

恧盲疲俊 辚长丹螭韦长龋俊?
 今も痛いところを突いてくる。高比古は、苦し紛れにいった。
「そういうわけじゃないが……。あんなにか細い姫のそばにいったら、おれはきっとあの姫を弱らせてしまう。桐……リコみたいに、ふんぞり返ってる奴を相手にする...

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