Nicotto Town



に寄る気にも起

恧盲疲俊 辚长丹螭韦长龋俊?

 今も痛いところを突いてくる。高比古は、苦し紛れにいった。

「そういうわけじゃないが……。あんなにか細い姫のそばにいったら、おれはきっとあの姫を弱らせてしまう。桐……リコみたいに、ふんぞり返ってる奴を相手にするならともかく……」

 あんたならわかってくれるだろう? と、心のどこかで思ったせいで、高比古の唇から出た言葉はずいぶんと女々しいものになった。

 狭霧は、さも呆れたといわんばかりに、両の拳を勇ましく腰の位置に当てた。

「だからって、逃げてばかりでどうするのよ。政(まつりごと)のための婚姻だものね。戸惑う気持ちもわかるけれど、高比古は、あの姫を連れて帰るって決めたんでしょう? だいいち、わたしのところにいたら、あの子が訝しむじゃない。ちゃんとお世話をしてあげないと――。高比古は、あの子の旦那様になるんでしょう?」

(連れて帰ると決めたというか、あんたの爺さんのせいで、そうせざるを得なかったんだ)

 胸の底で愚痴を吐きつつ、不器用な渋面をして、高比古は狭霧に助けを求めた。

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「世話って、なにをすればいいんだ? あんたなら、婿になる奴からどうされたら嬉しい?」

 普通、男が娶る妻は一人だけだと思っていた。高比古が生まれた里ではそうだったし、高比古に記憶を置いていく多くの死霊たちも、そのように信じていた。

 一人目の妻だとか、政のための婚姻だとか――そんなふうに多くの妻を娶るのは、ごく一握りの王族じみた男だけだ。

 だから、いくら大勢の記憶を受け入れている高比古とはいえ、いったいどうすればいいのか、その答えを知ることはできなかった。

 ただでさえ、誰かと四六時中一緒にいたいなどと望むほうではないのに――。

 よくわからない。なんのために娘をそばにおくのか。

 子供をつくるため? でも、手に入れたいという欲求はおろか、そこで宗像の女たちに大事に守られている幼い姫には、そばに寄る気にも起きない。
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 胸にあるのは、桐瑚がそばにいた時とはまったく別の想いで、ただ、彼女を傷つけてしまいたくないというだけ。そしてその願いは、自分が離れてさえいれば叶うのではないかとも思う。無意識のうちに人を傷つけてしまう自分などが、そばに寄らないほうが。無意識のうちに、桐瑚を傷つけたように――。

 照れ臭そうにしながらも渋々と悩みを打ち明ける高比古に、狭霧はきょとんと目を丸くした。そして、ぷっと吹き出した。

「……なんだよ」

 仏頂面をして、高比古は咎める。狭霧は謝るが、くすくすという笑い声はやみそうになかった。

「笑ったのはごめんなさい。でも、高比古があの子にどう接すればいいのかなんて、わたしもわからないわ。だって、わたしだって嫁いだことがないもの」

 高比古は、子供じみた文句を胸でぼやいた。

(……なんなんだよ、この孫)

 狭霧は、泣き笑いをするように息を詰まらせていたが、ちゃんと高比古へ助言をくれた。

「あのね、話をすればいいと思うよ。どんなことが好きで、どんなことが不安なのかとか、なんでもいいから話を聞いてあげて? あなたが彼女の味方だって教えてあげれば、きっと安心すると思う。異国の地でも――」

 まっすぐに高比古を見上げる狭霧の笑顔は、二つ年下のくせに妙に大人びて見えた。

 それに気圧されながら、居心地悪く眉をひそめる高比古の胸を、そのうち、狭霧の手のひらがぽんと押しやる。

「ほら、がんばって。……正直に話せば、きっと平気だから」

(正直? おれなんかが正直に話したって――)

 子供がいいわけをするような文句は、まだ胸にあった。

 だが、無理やり押し 




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