Nicotto Town



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しがたい荘厳な気配ばかりだ。

 とくに朝の森は静かで、ひんやりとしていて、緑の天蓋の下をゆっくりと歩くだけで、不思議な場所に迷い込んだ気がして、身が引き締まる気がする。

 葉の緑色を透かした清々しい色の光や、光をぼんやりと揺らす、冷たい朝の風。森を満たす光は澄んでいて、頭上に広がる緑の屋根はとても高い場所にある。上を見上げていると、緑色をした深い海の底から、彼方の水面を見上げているような錯覚まで覚えた。

(気持ちいい。緑の海に潜ったみたい……。きれい……。これを味わえるなら、あの人に会えなくても、いいか――)

 無駄足を嘆く胸の内を宥めながら、通い慣れた森の小路を進んでいくと、やがて、道の奥には清らかな草園が見えてくる。その草園の前が、狭霧の朝の散策の折り返し場所になっていた。

(あそこで、涼草(すずくさ)の爽やかな香りを吸いこんだら、帰らなくちゃ)

 邇々芸は、すでに狭霧にとって、二度と会えない人になっていた。偶然森で出会った、どこの誰とも知らない人に、再び偶然会えるなどと思うこともなかった。<a href="http://www.tiantianylctt.com" title="http://www.tiantianylctt.com">http://www.tiantianylctt.com</a>


 でも、その日に限って――。狭霧は、行く手に見える緑色をした光の海の底に、品よく立つ長身の青年の姿を見つけた。

 その人は、緑の光に溶けてしまいそうな白一色の衣装を身につけている。黒髪は、両の耳元で綺麗に束ねられ、鳥の羽を思わせる白い髪飾りがついている。その人には、遠目から見ただけでもそうとわかる優美な気配があった。

 邇々芸だった。

「あ……」

 驚いて、声が出た。そのうえ、足が重くなった。

(もしかしてわたし、緊張してる? 毎日探していた人に、ようやくやっと会えたのに?)

 立ち止まりそうになる足をいい聞かせて、行く手に見える邇々芸のそばまで進んでいく。邇々芸は草園の前に立っていて、狭霧と目が合うとにこりと笑った。
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「おはようございます」

 すっと横に伸びた眉や、憂いを帯びて見える優しげな目や、白い頬や、華やかな桃色の唇や、細い顎や、美しい二重の目――。邇々芸の顔立ちや背格好は、早朝の森の気配にうまく馴染んでいた。

 さく、さ……。森の小路に降り積もった落ち葉を踏み分けながら、無理なく声が届く場所まで近づくと、狭霧も朝の挨拶を返した。

「お、おはようございます」

 狭霧と向かい合うと、邇々芸はにこりと笑って、狭霧の顔をじっと見下ろした。

「会えてよかった。実は、もう一度あなたに会いたいと、ずっと思っていたんです」

「わたしも……。実は、毎日ここへ来ていたんです。もう一度会えないかと思って――」

「僕を探してくれていたんですか? それは嬉しい」

 二重の目を柔らかく細めて、邇々芸は笑った。

「よかったら、少し歩きませんか? 向こうに、あなたに見せたい場所があるんです」

「わたしに?」

「ええ、たぶん気にいってくれると」

 断る理由はなかった。狭霧は、こくりとうなずく。すると、邇々芸は、狭霧を気遣うように何度も背後を振り返りながら、ゆっくりと道を進み始めた。

「そう長くは歩きませんから。どうぞ」

 そういって、邇々芸はそっと腕を浮かせて、凛々しい仕草で狭霧をいざなう。

 邇々芸の顔にある品のいい笑顔や、優美な所作は、まるでどこぞの姫君を相手にしているかのようだった。名は狭霧だと名乗っただけで、狭霧は、それ以外のことは何一つ彼へ伝えていないのに――。

 たしかに、狭霧が身にまとう上衣や裳は、ただの里の娘とは間違いきれないほどの極上の品だった。とはいえ、連日の土いじりで、もとは白の衣も、それなりに色がくすんでいる。

(誰に対しても、同じように接する人なのかな? やっぱ




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