Nicotto Town



ハッピードール

母のクリニックには月に一度ほど十数箱の支援物資が届きます。


その中には使わなくなった薬、服、おもちゃなどが入っています。

今回の支援物資の中にはハッピー・ドールというプロジェクトからの箱が入っていました。

中を開けると少し荒い布で作られた人の形をした人形に子供たちが自分で顔や服をペンで書いた代物が30体入っていました。

その人形たちと一緒に添えられてたのはハッピー・ドールプロジェクトのパンフレット。

プロジェクトの始まりはタイの『ブドゥードール』というお守りを作って世界中の子供たちに「一人じゃないんだよ」と教えようという考えからだそうです。

世界中の子供たちにハッピードールに絵を描かせ、出来上がったものを助けのいる子供たちに送ってあげるというプロジェクトです。

私の母が書いた本やブログ、数回のテレビの出演でたまたまアメリカにいた日本人のハッピードール関係の人が母のプロジェクトに興味を持ち、ハッピードールを送ってきました。

(母は断ったんですが結局届けてきました。)

そこで子供たちが一生懸命書いたのであろうハッピー・ドールを母と一緒に眺めながら二人でハッピー・ドールプロジェクトに関して話していました。

どのドールもきっとアメリカにいる子供たちが一生懸命工夫して描いたものなのだけど、どれも正直かわいいわけでもないし、ほしいと思う代物でもない。

どちらかというと布にペンがしみたりしてる分怖いだけである。

私がもらっても絶対に枕元には置きたくないと言い切れる人形ばかり。

そんな人形をもらって貧困の中に暮らしている子供たちはうれしいと思うだろうか?

貧困の中で暮らしているからと言ってどんなに微妙な人形でももらったらうれしいと思うわけではない。

貰うならかわいいのや、かっこいいのがいいと思うのが普通です。

それなのにただ人の形をしたクッションに子供の落書きが書いてあるだけの人形をもらって本当に一人で、支えがいるときにその人形から勇気をもらえるのだろうか?

ある程度の教育があって、世界平和に興味があるなら別かもしれない。

それだったらその人形を持って「ほかの国から僕を支えてくれてる人がいる」と思えるかもしれない。

でもまともな教育も受けてなくてその日の晩ごはんもあるかわからない子供たちからしてはその人形はただの「変な人形」です。

そんな人形を箱で送った人たちに対して、母と二人で「このプロジェクトを立ち上げた人たちやこの人形作りに手伝った人たちはいったい何を考えて送ってきたのだろう」と話していました。

どう考えてもその人形が現地の子供たちの心に残るようなものでもなく、ましては心を支えてくれる物には全然見えない。

ならハッピー・ドールは作った人の自己満足にしかなっていない。

自分勝手に「このドールで幸せになってくれる子供がいる」と思い込んで、一方的にその思い込みを押し付けているだけの物です。

ハッピー・ドールを一体作るために係る参加費は$25。

30体送られてきたので、全部ドールだけで$750プラス送るための費用。

そんな代金なら、まだそのお金を寄付するほうが子供たちの助けになるかもしれない。

逆に、本当にハッピー・ドールで世界中の子供たちとつながり合いたいと思うのなら、送った子供たちにも白紙のドールを渡してデザインさせればいい。

世界中の子供たちに一方的に先進国のほうから送るのではなく、途上国からも送らせて交換にすればいい。

そうすれば、少しでもその子供の心に残るだろうと思いました。

でも、母に届いた箱のには出来上がったアメリカの子供たちの作ったドールのみ。

一方的に自分の自己満足のために大人が送ってきたように見えて、母は呆れていました。

こんなプロジェクトはいっぱいありますが、見るたびにあまりにも非現実的な理想を語ってるだけだと思ってしまいます。

ハッピー・ドールのウェブサイト:
http://happydoll.org/

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2014/02/23 22:53
Carrie>
Im glad that you saw the website and felt the same way as me:D
Thank you for your opinion.

Eri>
I can`t thank you enough! It would really help me if my Japanese is checked. Though you say that I can write Japanese, I wouldn`t be able to write it if it was hand written. (my Kanji knowledge is rather immature) I also know that, since I don`t have the basic Japanese grammar rules in my head, I have alot of grammar mistakes.
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2014/02/21 16:36
Your Japanese is amazing.
Frost, you are a talented girl with a beautiful heart.
If you watn to check your writing written in Japanese, you are anytime welcomed.
I think other SESS members also say "yes."
Luckily, SESS has some teachers.
When I was young, I couldn't understand people who are willing to be a volunteer.
Now, I have my own child and got old enough to understand those people's thought and feeling.
I can be someone's hand, it is a wonderful thing.
You are so young, but you have already recognized what I have got recently.
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2014/02/20 20:19
Hi Frost!
I know what you mean. I visited the site to see what "happydoll" is like; it's nothing impressive.
As you and your mom said, they're just satisfied with what they do without consideration of children who get the dolls.
This kind of things happened in many places. After the 3/11 disaster, many people sent the stuff they thought it useful BUT it wasn't actually needed at all.
I think it's important to actually talk to the people and see what they need.
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2014/02/20 15:12
Eri>
正直日本語で返事を書くのに自信はないので、もし日本語がおかしかったり失礼な表現をしてしまったらすみません。(その時は教えてくださると大変助かります)
Eriさんが寄付している団体のやり方はとてもわかりやすいですね。私の両親もWish Houseという学校のいけない子供たちを集めて学校に行く自信をつけさせるプロジェクトを立ち上げています。(対外学校に行けない理由は虐めや児童労働だったりするので)
そこでも昼ご飯を出すことで子供たちの両親たちに了解をもらっています。^^

Kobain>
私も途上国に16年間住んでいますが、いまだにフィリピンの人たちに何が必要かはわかりません。
でも、私は途上国に今必要なのは支援する団体や寄付でないと思います。
まずは先進国と途上国の住民の間の理解ではないかと個人的に思います。
今の状態で先進国からどんなに寄付をしても結局のところその寄付は一分の力を持った人間にしか届かず、本当にそれを必要としている人たちには届きません。
本当に助けを必要としている人たちは表に出てこれるだけの力と能力を持っていません。
そんな人たちを‘たすける’という思考で先進国がいる限り問題は解決しないと思います。
まずはその国に行って同等の立場でその国を知ることをしなければ何が必要かもわかることはできないんじゃないでしょうか?
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2014/02/19 15:37
Hi Frost! This story is uncomfortable to me.
I wanna wrote like Eri.
確かに自身の自己満足によって、支援団体の名目上、途上国にプレゼントやまたはテレビ関連までもインタビューを行うという非常識な事が常日頃から多々あります。
矛盾多き世界ですね?かといって支援団体を全否定してしまったら、誰が救済するか?という事が出て来ます。

そこで、”途上国からも送らせて交換にすればいい。”はとても良いアイディアだと思いました。
メディア・団体によるものではなく、途上国の人達が本当に願うものを・・・・・
それは私には想像できないモノです・・・
モノといっても目に見える物だけではなく、見えないモノかもしれませんね。
改めて気づかされました。 ありがとうございます。

幾重にも 交錯しいて 我が身成す
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2014/02/18 10:18
Hi, Frost.
You wrote this blog in Japanese, so I will write back in Japanese today.

毎回、考えさせられるブログで、感心しています。
お母様の
「一方的に自分の自己満足のために大人が送ってきた」というお言葉に共感します。
子供が描いた顔と、ブドウ―ル、という言葉まで読んで、ああ、きっと“ハッピー”とはいえないこわいお人形だろう・・・と思いましたが・・・、やはりそうでしたか。

わたしもある援助団体に長く寄付をしています。
やはり、アジアの貧困の子供たちのためのものです。
始めるにあたって、いろいろな団体の活動内容を比較しました。
単にお金を寄付するもの、文具を寄付するもの、服や薬を寄付するもの。
たくさんありましたが、子供たちが学校へ行く奨学金とする団体に決めました。
よく言われることですが、魚を与えるよりも、時間を必要とはするが、魚を獲る方法を教える、を採択したわけです。
1~2万円で、一人の子供が小学校に1年間通うことができるようになります。
1年間の学用品と制服と毎日の給食が支給されます。

すると、子供たちは、学ぶわけです。学ばねば、次の年の奨学金が与えられなくなるから。
今まで学校に行くよりは、家事を手伝わせたかった親も、学校に行かせるわけです。学校に行けば、とりあえずわが子が日に一食は得られるから。

学校を卒業すれば、賃金の高い職に就くことも、できるようになるわけです。
それを、他の親が見て、わが子も、と学校に行かせるようになるわけです。
とても長い時間を要しますが、いつかは実をむすぶ取り組みかとおもいます。

ハッピー・ドールという団体も善意の気持ちからの行動であることはまちがいないことでしょうが、まず、その人形よりも、教育よりも、今食べるものが必要な子供たちにとって、その人形よりも、$750が必要なことに気づいて欲しく思いますが、難しいでしょう。残念ながら、このような形の善意をとっている方々は、現状を見ていないことが多々あります。

お母様がそのハッピー・ドールを目の前にして、困惑している姿が浮かびます。



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