これからのことを考えよう
- カテゴリ:自作小説
- 2015/05/07 09:35:10
人間はこうも変わるものだと、わかりやすいのはなんだろうか。私は写真だと思う。なぜって、大人になった芸能人の幼少期の写真がさらされるときがあるだろう。その変わりようと言ったら驚く。むろん、テレビではなくインターネットで見た時だ。嘘であれ真であれ、一度うのみにするときは度肝を抜かれるからだ。
さて、私は今、かつての同級生と顔を合わせている。ありえなくはない話だったのだが、私が変わってから身に着けるようになった衣服やキーホルダーに全身包んで歩いているところを、彼女に会ってしまったのだ。時間を巻き戻されるような感覚だった。
今ははきはきと人前でしゃべれる。しかしあのころは違った。挨拶もままならない小心者だった。己の存在をいかに消すかが重要だったのだ。
不思議と肩に力が入った。声がこわばった。笑顔の作り方を忘れた。楽しむ方法を忘れた。人生のいかに邪魔くさいものかを再自覚した。
「大丈夫」
あのころから変わらない彼は私の肩を抱いて引き寄せた。彼女と視線が合ってそらしても意識してしまうその距離が、わずかに遠のいた。
「大丈夫。」
固く閉じられる唇に、意志の強さを感じる。
「わかった、こっち」
私は短くお願いすると、彼を壁に彼女の横をすり抜けた。ほんの一瞬の出来事だった。
深く息を吐く。
「助かった」
立ち止まると足にロングスカートのすそが当たった。それは今の私しか身に着けない代物だ。足元を見ると、やはりそれのヒールが付いたパンプスである。
「何も問題ない。さあ行こう」
彼は当然のように言ってのけた。
「あそこ、入りたいところだろ?」
「あ、うん」
「広告はいってたわけ?」
「そう。いいなあって思うのがあってね」
徐々に時間が今まで戻ってきて、私は財布と相談する。
あの時横切ることさえ怖かった、服屋に入る。
「どぎまぎするけど楽しいよ」
私は彼に顔を向けて、少しでも可愛くあろうと思いっきり微笑んだ。
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えっとね、若葉ってどうしてもあの時の欲望のようで、今でもしょっちゅう動き出します。私はいつでも不完全燃焼で、克服も中途半端のようです。若葉が動き出す分、時間を巻き戻してあのころに戻りたがります。
いつまで経っても文章力は上がりませんが、なんとなくこうあってほしいところまで導いて、自分を落ち着かせようとします。こういうときはセリフが浮かびません。故意に挟んで違和感だけを残していきます。
それでもよかったと一息ついて、出し逃げするのです。
ぅ、ぅ、彼氏できたら胸の中で縋るように泣いてやる......(うω=`)