Nicotto Town


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ミステリーナイトレポート その2


13日 18時・ホテル内の探索

食事後、部屋に帰る前に1回から3階までのフロアを回って『ヒントパネル』をチェックします。このタイミングで宿泊料の支払いも済ませておくと、チェックアウトがルームキーの返却だけで済むので楽ちんです。
ヒントパネルには事件についての重要な情報が書かれており、基本的に写真撮影不可なイベントで、このパネルだけは撮影が許可されています。友人のiPadを駆使して記録し、部屋でゆっくり検討しました。

前日までにインターネットで見られる情報、チェックイン時に配布された資料、ヒントパネルの画像、改めて全てを見直して、情報を整理します。特に登場人物の名前と顔、相互の関係をしっかり把握。これを頭に叩き込んでいるかいないかで随分違います。が。

  友人「どうしよう、覚えられん……」
  柚子「わたしもだよ……全く頭にはいってこねえ」

おいしいものをたらふく食べた後、小難しいことを考えているうちに、眠くなったわたくしたち。

事件編上演を目前に、気ばかり焦るへっぽこ探偵たちの明日はどっちだ。


20時・いざメインステージへ

明日を待たずして、事件は始まってしまうわけで。

絶望しながら早めに部屋を出て、エレベーターに乗ります。
このイベント、移動のタイミングを見定めるのも大切です。非常階段は当然ながら非常時にしか使えませんから、客室からイベント会場まではエレベーターで移動するしかありません。これがまーすんげー混むわけです。
ですので、「この辺でみんな動くんじゃないかな」という時間帯を考え、それを避けて移動します。

事件編を上演するメインステージの開場は20時30分ですから、かなり早めに3階フロアへ。比較的スムーズに移動し、トイレを済ませたり、資料の最終確認などができました。人が少ないうちにソファに座れたのもベネ。
隣に座ったカップルがウォーミングアップクイズをあっさり解くのに歯噛みしつつ、開場を待ちます。


20時30分・事件編開場

メインステージになる会場の前には、わくわくした表情の探偵たちが待ちわびています。
入場するために探偵登録という手続きがあり、初参加の初心者専用カウンターと、リピーター専用カウンターに分かれて受け付けます。名前や住所などを書いた用紙を提出するのですが、そのときにリピータークイズの正答を提示すると、リピーター専用のヒントがもらえます。不安だったのですが、ちゃんと正解でした。ヒントゲットです!

ここですかさず、初心者専用の受付に向かいます。
初心者はリピーターとは別のヒントを、無条件でもらうことができるのです。ここでお互いにヒントを交換し合えば、ウィンウィンなのですよ奥様。
無事に二人連れの初心者さんを見つけ、ヒントを交換していただくことができました。ありがたや。

座席は指定制です。やはり予約順のようで、今回はほとんど最後列でした…かなり痛いのですが仕方ない、ここで全力を尽くすのみです。来年はすぐに予約しようと心に誓いながら、ゲットしたヒントの数々をもう一度確認します。


21時・事件編開演

いよいよ事件編の開演です!

司会の岩本さつきさんの挨拶から始まる舞台を、みな真剣に、食い入るように見つめます。

ここで、公式サイトでも公開している事件の概要など。

  1900年代の英国式インテリアが見事な、クラシック寝台「ワンダーランド・エキスプレス号」。
  この寝台列車を復刻した特別列車が、日本で運行されることとなった。
  それに伴い鉄道会社では、有名なミステリ作家たちを招待し、
  「ワンダーランド・エキスプレス号」をモチーフにした小説を書いてもらうという企画を立ち上げた。
   一番列車に乗り込む予定の作家たちの中には、有栖川有栖の名前もあった。
  華やかな開通式に見送られて駅を出発した「ワンダーランド・エキスプレス号」。
  しかし、列車はその後、惨劇の舞台と化す。
  動く密室の不条理な状況。
  あなたはこの謎を解くことができるかーー。

舞台上には寝台列車のセットが。そして音楽とともに、列車が走り出す――

このあたりの演出は鳥肌ものでした。音声と光の演出でここまで臨場感が出せるのか。

舞台上では俳優さんたちの演技が始まり、小気味よい掛け合いに、ついつい引き込まれます。
が、ここでお芝居を楽しむだけではいけません、ひたすらメモを取ります。
だれがどんな位置にいたか、何を話したか、不自然な点はなかったか……みな真剣にペンを走らせるのです。

楽しい掛け合いに緊張感が混じり始め、そして――事件が、起こります。
ホテル内で殺人が演じられるという、ミステリーナイトの醍醐味であります。

倒れ伏す被害者、沈黙する関係者たち――そして明かりがつき、司会者が現れ――

ここで、わたくし的に最大の事件が起きました。

  友人「どした、死にそうな顔して」
  柚子「メモが消えた」
  友人「……は?」
  柚子「途中でインクが切れてた」
  友人「ハァ!?」

必死こいて書いたメモが、後半6割消失しておりました。

わりとほんきでなきたくなった。

魂が抜けかけた状態で、否応なく捜査になだれ込みますた。嗚呼無常。

(ミステリーナイトレポート その3に続く)





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