Nicotto Town


Citrus junos


チョコだいすき

街に愛とチョコがあふるるこのよき日              世の乙女と甘党たちに幸あれかし

もらったステキコーデ♪:44

バレンタイン当日はチョコを解禁し、ゴディバでお祝いしましたハッピーバレンタインッ!

まあ、甘酸っぱい思い出は皆無なんですけどね!

なんですが、ほろ苦い青春の思い出はあります。

あれはわたくしが中学生のとき……(ほわんほわんほわん)

当時わたくしは、教室の隅で静かに田中芳樹や新井素子を読む陰気な文系ヲタクの女子中学生でございました。
そこにある冬の日の帰り道、ふだんはまっっったく交流のなかった同級生女子から声がかかったのです。
場所は人気のない田んぼ道。彼女は今でいうところの超リア充、友達も多くキラキラした可愛い子でした。
確かに小学校は一緒で、顔見知りではありますが、声をかけられる心当たりがまるでない。その彼女が、

「あのさ……チョコの味見してくれない?」

( ゚Д゚) 「へ?」

「柚子さん、料理上手でしょ、だから……」

そんな事実は微塵もねえが!とオブラートにくるんで伝えたところ、

「林間学校でつくったごはん上手だったじゃない」

(;゚Д゚) 「飯盒炊飯のことかな!?」

マニュアル通りに米研いで水入れて火加減調節するだけの簡単なお仕事だっつうのよ。

しかしそういえば彼女が作ったカレーは野菜が生煮えの状態でルーをぶち込んだ上に焦げるというダークマターだったなと思い至り、手渡されたチョコケーキっぽい何かを見て真顔になります。
彼女も真顔です。

食うしかなかった。

(;゚Д゚) 「……………」

「正直に言ってね?」


( ゚Д゚) 「すごく不味い」

「ひどくない!?」


どうしろと?

正確に言うと「香料をぶち込み過ぎて臭い」でした。そしてこの風味はペロッ……有塩バター!入れるなそんなもん!

そこから「まずレシピ通りに作れ」「むしろチョコを溶かして固めただけでいいだろ」と、言わずとも知れたアドバイスというか苦言というかをしたところ、真剣にメモを取る彼女。可愛い。誰だよ相手うらやましいな。

( ゚Д゚) 「まず料理用の秤を使うべき」

「家にないし……持ってるお金だと材料くらいしか買えないもん……」

そらそうよね。今のように百円ショップで色々揃う時代じゃなかったのです。
市立図書館でレシピ本を借り、お小遣いで計量スプーンだけ買って、再度チャレンジです。

(;゚皿゚) 「だからバニラエッセンスはどばどば入れるもんじゃねえっつったろ!」

「だって適量ってどのくらい入れたらいいか書いてないんだもん!」

適量は適度な量のことだよ!

そんなこんなで放課後こっそり開催されたチョコ道場、数回ののち。
バレンタイン当日の、同じく田んぼ道でのこと。

「はい、これ、お礼」

そう言って彼女がくれたのは、可愛らしくラッピングされたトリュフチョコでした。

( ゚Д゚) 「んまい」

「よかった、ありがとう」

( ゚Д゚) 「……うまくいったのかい」

「うん。あのね、ふられた」

( ゚Д゚) 「ばかだなそいつ!」

「あははははは!」

泣き笑いしていた彼女は、わたくしが食べているのが本命チョコだったのだと教えてくれました。
イケメンの先輩は、君の気持ちは嬉しいがと言って受け取らなかったのだそうです。
ばっかやろうだな!とぷりぷりしながら食べたチョコは、ほんとうに美味しかったです。
彼女はそのほかに、もともと私用に作ったチョコもくれました。そちらも可愛らしくラッピングされていました。

彼女とはそれっきりで、その後はろくに会話もしないまま卒業してしまいましたが、この時期になるとふと思い出します。

元気でいると、いいなと思います。

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