労働裁判 - 半年の戦い その2
- カテゴリ:人生
- 2008/12/25 23:59:25
※その1から続きます、その1を読んでからお読みください。
しかし、相談員の方はもしあっせんが駄目になった場合の手段を僕らに教えてくれていました。
1.少額訴訟
2.ユニオンに加入しての団体交渉
3.労働審判
1は賃金の不払いなどには有効ですが、地位の確認(つまり懲戒解雇の取り消し)は行えません。2はお金がかからず行うことができますが、そもそも「自分ルール」でしか物事を判断しない会社と話がまとまるとは思えませんでした。僕らは3の労働審判を起こすことにしました。
労働審判とは労働紛争を迅速に解決する為に創設された制度で、期日は原則3回までと決められています。
裁判所|労働審判手続
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/minzi/minzi_02_03.html
弁護士さんに依頼する為、身銭を切る必要がありましたが、かの相手と正当に戦うには裁判所が相応しいと、僕と相棒は決断しました。
僕と相棒は弁護士事務所におもむき、弁護士さんに依頼しました。正直な話、就労期間が短い僕らの案件は、決して割のいい仕事ではないと思いました。しかし、相談を受けてくれた弁護士さんは僕らの意を汲んでくれ、仕事を引き受けてくれました。そして、さらにもう一人の弁護士さんとともに4人での戦いが始まりました。
夏の休みを挟んでしまったため、最初の審判は9月までずれ込みました。その審判の直前、僕らのもとに会社の答弁書と陳述書、証拠資料が送られてきました。内容は酷いものでした。僕も相棒もやっていない事がずらずらと書かれていました。陳述書には知り合いの取締役のものもありました。やはり酷い書かれようでした。それらを読んで僕は体調を崩してしまいました。
第1回の労働審判の前に弁護士さんと打ち合わせをしました。弁護士さん曰く「良く出来た作文」と会社の答弁書を評しました。「こんなの気にする必要ないよ、証拠がないからこういう風に書いてくるんだよ」と弁護士さんは笑いながら、僕らに話しました。いい弁護士さんに巡り会えた、そう思いました。
労働審判が開かれ、裁判官は和解を勧めました。しかし被告の持ってきた和解内容が到底、納得のいくものではなかった為、裁判官と識者2人に審判という判決を出してもらうことにしました。判決は僕らにとって納得のいくものでした。
しかし会社は即日、異議を申し立て労働審判は失効しました。失効、すなわち何もなかった事になったのです。これにはもう一人の担当してくれた弁護士さんも、怒り心頭だったようです。僕と相棒にメールで「売られた喧嘩は買ってやりましょう」と書かれていました。メールを書かれた弁護士さんは女性で普段、穏やかな方です。僕らもそれには全く異議はなく、労働審判は民事訴訟へと移行しました。
今月、第1回目の期日が開かれた際、僕と相棒は出席できなかったため、弁護士さんにお任せしていました。会社は和解案を持参してきました。労働審判で即日、異議を申し立てておきながらです。裁判官も和解を勧めていましたが、僕らはもう裁判で争う事を前提に構えてましたから、和解案の内容がまたしてもとても納得できる内容でなかった為、弁護士さんは「話にならない」として結論を持ち帰る事になりました。
そして、弁護士さんと相談した結果を事前に会社側の弁護士に送りました。和解をするのであれば、この条件を提示すると。その中には僕が推した「紛争を起こした事に遺憾の意を表す事」という条項も含まれていました。
第2回目の期日も、僕と相棒は出席しませんでした。「僕らは公開の場での審理する事にやぶさかではない」という事の会社に対する意思表示でした。結局会社は、ほぼ僕らの出した和解内容を呑み、裁判は終結しました。
そして今日、僕と相棒は弁護士事務所を訪れ、詳しい話を聞き、僕らに出来るすべてが終わりました。僕らに着せられた、いわれのない罪を晴らすことができました。