Nicotto Town



ネタばれ読書日記 最後の一分

あらすじ
クリスマス直前のとある地方都市の中心部で連続爆破事件が起こり多数の死傷者が出る。最後の瞬間、人々は何をしていたか。


評価★1

普通の人々が偶然起こった大惨事で死ぬので感情移入して読むと実に嫌な気持ちになってしまいます。
作者エレナー・アップデールはリアリティにこだわるものの読者を安心させようという気はないのではないかと思う。たまたま同作者のモンモランシーシリーズ1巻を読んだことがあり、「元犯罪者がスパイになる」と作者紹介で書かれていますが、第一巻はこそ泥が貴族の宝を狙う怪盗になり、犯罪者の自分に疑問を感じ、スパイのスカウトに乗る。という経過が描かれ、よく考えられていると思う反面、主人公の泥くささと狡猾さが目だって小説の大半が楽しめませんでした。
さて、今回の作品、原題もTHE LAST MINUTE だから一分でいいのかなあ? 
幼い娘がミトンを落としたことに気が付き、道を引き返し、ミトンを見つけて、ついでに宝くじを買う若い母親
ケーキ屋から出て来たお婆さんが落とした小銭を拾うのを手伝ってやり、自分の長いマフラーを踏んでしまい、コケて、お婆さんに長い首巻きがいかに危険か説教され、その後、道路を横断する途中で恋人と再会する青年。
等々、とても一分間じゃないよね。
さらに嫌なリアルは爆発事故で得をしてしまった人間もいたこと。
面接前に誤まってスーツの尻の部分を破いて、どうにかしようとしてどうにもならなくなった脱ニートが、ジャーナリストに転身していたのは、まあいいとして、
愛人と抱き合ったところを妻に目撃され、修羅場確定が爆発事故で夫だけが生き残り一年後、爆発事故原因追及のための活動の中で女優と知りあい結婚←これはちょっと、
いや、現実は残酷だからありうるんだけどね。フィクションならハッピーエンドでいいじゃない。
ちなみに、事故の原因は①ガソリンスタンドでのガソリン漏れ、②タクシーのトランクに時限爆弾、③アパートの住人(訳あり亡命者)に届けられた爆発物、④クリーニング屋の機械からガス漏れ、⑤道路のガス管工事のガス漏れ

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2020/02/27 18:38
たしかに ★



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