Nicotto Town



ネタばれ読書日記『悪しき愛の書』

「悪しき愛の書」著フェルナンド・イワサキ

評価★2

作者の分身『僕』の失恋遍歴
第一章では十一歳の僕は避暑地で年上の少女カルメンに恋をする。当時爆発的ヒット映画となった『エクソシスト』を彼女が見たがったため、世話焼きのナティおばさんに保護者になってもらい見に行くことに成功する。おばさんに「彼女にキスしなさい」とそそのかされた僕は決死の覚悟で映画の終盤にカルメンの手にキスをする。映画が終わったあと僕の行動を見ていたおばさんははしゃぐが、カルメンは怒りおばさんと喧嘩になり、僕には「最低」と叫んで去っていく。

感想 笑いのツボがわかりません。
一応スペイン文学の金字塔「よき愛の書」のパロディらしい。第一章くらいはまだほほえましく読めるんですが、「僕」のヘタレっぷり、成長の無さにイライラしてきます。ヒヤヒヤするのが、好きな女の子に話を合わせて薄っぺらい嘘をつくこと。通学路正反対なのに一緒のバスに乗って「家が近くなんだ」とか、聖職者志望の女の子に「信仰の悩み」があるんだと言ったり。その上一途というわけではなく、女の子のグループに愛想を振りまき結果、全員から総スカンを喰らったりもします。そもそも、女の子の関心を引く為にいろいろ努力はするけど10章もあるのに愛の告白はしてないよね。加えて僕の狭い視点のみなので女の子の事情がわからずモヤモヤも募るばかりでした。
ついでに、本書はスペイン語版1~3版、メキシコ語版1.2版の序文三種類に20ページ以上の解説と年表までついている。こういうスタイルがあたりまえなのかどうかわからないけど、日本の読者に理解させようと出版社が四苦八苦した結果じゃないかと疑っている。
追伸 作者はスペイン留学で知りあった女性と結婚したそうなので作品はあくまで創作です。

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2021/05/04 22:57
外国の笑いのセンスが日本人には合わないということが、昔、よくいわれていましたよね



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