Nicotto Town



自作小説倶楽部10月投稿

『ハロウィンの小話』


「トリック・オア・トリート!」
休日の静かな夕べを無粋なブザーで邪魔され、それでも老人ホームに居る父親がくたばった知らせかもと思ったので玄関のドアを開けました。そしてその言葉です。カボチャ頭のお化けに青白い顔の魔女にミイラ男、6、いや8人くらいいたかな。彼らが爛々と目を光らせて私を見上げていました。
ええ、ハロウィンくらい知っていますよ。元は古代の収穫祭でしょう。ケルトやローマの習慣も混じって、収穫を祝う祭りです。農耕社会には意味があったのでしょうけどね。現代にやる意義が感じられません。実りの秋? 生憎胃を悪くしてからは食事を楽しむ習慣は無くなりました。お祭りなんて現代にはほとんど意味はありません。頭の軽い連中が浮かれ騒ぐだけのものですよ。私はそういう若者が大嫌いです。
そうですね。訪ねて来たのは、背丈から子供に違いありません。親たちはどういう教育をしているのだと思いましたよ。
だから怒鳴りつけてやったんです。
子供たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行きました。
後で地域巡回の巡査に聞いたんですが、隣家の婆さんのところにも行ったようです。婆さんは菓子を与えたらしい。ああいった人間が子供を甘やかすからいけないんだ・
ああ、どこの家の子供か巡査も婆さんもわからないらしい。連中は幻か煙のように消えてしまった。
怒りのあまり忘れていたが、私は近所の連中に嫌われているからね。お祭りで子供が菓子をねだるにせよ、親は子供に私の家だけは避けるように忠告するだろう。
だとすると、あの子供だちは何だったのだろう。少し気味が悪いね。

こんな話で私の身に起こった問題は解決するんですか?
明日の朝には戻る? いや、困る。私は忙しいんだ。これからも仕事で人に会わねばならない。
私自身は何も変わっていないのに、何でみんな、鼻が変わっただけで俺を見下すんだ。みんなが俺から目をそらし、笑いをこらえている。俺に金を借りている貧乏人の青二才など床を笑い転げて、身体をよじっていた。
朝起きたら、鼻が逆さについていただけなんだ。

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2021/11/16 22:22
妖精さんんお悪戯
リアルだと不気味だろうけれど
文章で読むと可愛いエピソド
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2021/11/04 08:41
お菓子をけちった意地悪小父さんが死霊にいたずらされてしまった(クスクス



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