Nicotto Town



ネタばれ読書日記『狼の王子』

著;クリスチャン・モルク

評価 ★2
あらすじ
アイルランドの片田舎で3年前に引っ越してきた老女が自宅で死んでいるのが発見された。争った形跡があり、さらには監禁されていた2人の姪の死体も発見された。のどかな田舎町は一転して恐慌に陥った。
イラストレーター志望で生活のために郵便局で働くナイルは配達不能郵便の中から事件で死んだ姪の一人フィオナの日記を見つけ盗んでしまう。
日記には悪魔のような魅力を持つジムという男におぼれ、彼を殺すと決心するまでの経緯がかかれていた。
小学校教師のフィオナは失恋から心を病んだ叔母、双子の妹の二人のうち引きこもりになったロイシン、優秀な営業マンだが高慢な恋人、と不安要素があれど平凡な日々を送っていた。ある日放浪しながらパブで狼の王子物語を語るジムに出会う。一度は関係を持ってしまうフィオナ。しかし次に誘われることは無く、未練からジムの後をつけたフィオナはジムが殺人鬼だと気付く。それを警察官の友人に訴えるが、一度ジムと関係を持ったことで周囲から嫉妬を買ったフィオナは門前払いされる。フィオナを信じたのは双子の妹のイーファとロイシンだけだった。しかし事態は急速に悪化する。ジムは叔母の婚約者に収まり、イーファをレイプしたのだ。姉妹はジムを殺すことを誓う。
フィオナたちの故郷に向かったナイルはフィオナの教え子の悪童メアリーキャサリンからロイシンの手記を手に入れる。そこにはジムの殺害と葬式での女たちの狂乱ぶり、イーファの一時的失踪、姉妹に復讐を誓った叔母から呼び出しを受け、監禁されたこと記されていた。
ナイルは唯一生き残ったイーファの行方の手がかりを得られず、失意のまま帰路につくが、途中、残されていた地図からジムの兄が住む城にたどり着きジムの生い立ちを知る。
自分の町に帰りついたナイルの接触したのはイーファだった。彼女は新しい親友とともに娘を育てていた。
事件のすべてを知ったナイルは一心不乱に邪悪な狼に打ち勝った三人の乙女を描くのだった。

感想
期待外れでした。
最初の叔母と姪の不審死がリアルなのに後半ほぼファンタジーです。
魔性の女も男性の興味を引くけど、魔性の男もどんな描き方を去れるのかと興味深々だったけど、『悪魔』のイメージが単純。犯行理由はやっぱり悪魔だから、何だろうけど、決定的証拠が無く警察が無能すぎるパターン。
三姉妹ってのが何となく運命の三女神を連想させるし。2人は死ぬけど、生き残ったイーファに親友と娘が加わることで3人に再生されると読める。
大人をあざ笑う生徒のメアリーキャサリンなんて邪悪な妖精みたい。名前も登場人物の中で妙に派手派手しいし。




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