秋が深まるころ
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/09/18 02:38:39
秋が深まるころ
レンガ作りの校舎の横の掲示板を見ている君がいた
休講のお知らせ・・・
近づく私を見つけると
頭にきたと怒った顔で口を開く
ねぇ
喫茶店に行こうよ・・・
遅刻だぁ~って
駅から走ってきたのにさ
教室に行ったら誰もいないじゃん
でも休講でよかったかも
レポートまだ書いてないんだ
ちょっと見せてよ
高いよ
そんなこと言わないで
コーヒー代出すからさ
なんて結局俺が出すんだろ
わかる!
赤いレンガを覆っている蔦も
少しずつ黄色に色を変えている
正門を抜けて
足早に歩き始める
風が冷たいね
私の手もね
そう言って僕の手を握った
すれ違う数人の学生が
横目でちらっと私たちを見ながら通り過ぎた
「やっぱり好きなのかな」
立ち止まった私
ねぇ早く
時間がないのに
見上げると
今日の秋空は雲一つなく青い
そして
あなたの姿が
いくつもいくつも浮かんでいる
9月半ばでも暑すぎ・・・
少しは涼しくならないかなって・・・
と
昔の自分が浮かんできました
半分は実話ですかね^^