お題がテレビですか。じゃあ、『相棒』について語らせていただこうじゃないですか (笑)

相棒は水谷豊さんと刑事貴族で共演した寺脇康文さんが、水谷さんと共演したいという意向と、当時、水谷さんが出演されていたドラマシリーズの終了を受けて、始まりました。ですから、出演者には刑事貴族に出演されていた方も多かったりします。

元々は土曜ワイド劇場で３作(プレシーズンと呼ばれています)放映され、その後「相棒・警視庁ふたりだけの特命係」として連続ドラマ化されます。シーズン２からは題名も「相棒」だけとなり、現在のシーズン７まで放送されている、長寿ドラマです。

相棒の魅力の一つは水谷さん演じる、ちょっと変人な「杉下右京警部」と寺脇さんの演じる、熱血漢でお人好しの「亀山薫巡査」の二人が、時に絶妙なコンビネーションを見せ、また時に衝突しながら事件を解決していくという、ある意味「ホームズとワトソン」の関係のような人間像です。

また、時事ネタを含んだストーリーや、ちょっと笑ってしまうような事件、悲劇的な結末をむかえる事件など、決してハッピーエンドだけではない、バリエーションに富んだ脚本も魅力です。


ま、ここまでは相棒の紹介ですが、僕が引き込まれたのはやはり「杉下右京」と「亀山薫」という二人が「信念」を貫き通し、警視庁内で厄介者扱いされながらも、警察の不祥事が絡む事件や、国家レベルの事件などに挑んでいくところでしょうか。

杉下右京という人物はプレシーズンから通して「犯罪者であっても命の重みに変わりはない」という警察官としての信念を持っていて、決して犯人・・・それが自分の元上司であったとしても、死にに行かせません。「あなたは、生きて罪を償うんです！」という台詞が印象に残ります。

亀山薫はそういった上司の姿に影響を受けつつも、反発したりしながら彼なりの事件解決方法を見つけていこうとします。でも、根は杉下右京と同じで「正義」に対して強い信念があります。

しかし、シーズン７の途中で亀山薫は辞職して、NGOとして海外に渡る事を決意します。最後に上司である杉下右京に「正義を子供たちに教えたい」と語っているところにも、この二人に共通する信念が揺らいでいない事は確かです。


もうちょっとくだけた物言いで書きますと、後半のシーズンの右京さんは僕にとっては非常に影響を与えられました。ドラマを観て、自分の考え方が影響されるなんて事は、今まで無かったのですが。

なぜ「後半のシーズン」かと言いますと、プレシーズン時代の右京さんはかなり『変人』でした(笑)。それが薫ちゃんと一緒にいる事で、双方ともに影響を受けて、変わった感じがします。今の右京さんは人間的に薫ちゃんの影響を受けて丸くなったのかもしれませんね。

薫ちゃんが辞職する時、「お世話になりました！」と言われて黙って握手した右京さん。その後、元妻のたまきさんが切り盛りする小料理屋で一杯やりながら、たまきさんから「で、なんて答えたんですか」と言われ、「特に何も。なにしろ初めてだったものですからねぇ」と語り始めた右京さんは寂しそうでした。

でも、最後に電話で薫ちゃんに「一言、言い忘れていました。どうか、気をつけて行ってください。以上です」と言った右京さんは明らかにプレシーズンの頃と違い、それでいて右京さんらしいエールだったと思います。


シーズン７放映前の薫ちゃんの卒業の発表は、僕にとっても相棒ファンにとっても青天の霹靂でした。相棒ファンの中には惜しむ声や、「もう亀ちゃんのいない相棒なんてみねーよ！」という意見もありました。

長寿ドラマというのは、ある意味、変わらない事が長寿の秘訣なのですが、どういう決断がスタッフにあったのかわかりません。

ですが、そのスタッフの決断が相棒にどんな変化をもたらすか、僕は観ていきたいと思います。


ふー、語ったなぁ (・∀・;)