Nicotto Town



そいつがおれを向

、高比古。支度をして? 火皿の灯かり、消してもいい?」

 狭霧も、八重比古たちと同じ思いだった。結局、負けず劣らずの素早さで寝かしつけようとするので、高比古は声を上げて笑った。

「おれは、幼い童か?」



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 さっそく灯かりを吹き消して、敷き布の上に並んで寝転び、一枚の掛け布で二人の身体を覆う。

 早々に寝床についたとはいえ、狭霧に眠気はなかった。

 狭霧の頭にあったのは、高比古を寝かさなくちゃ、眠ってもらわなきゃ――と、そればかりだった。それで、高比古の上腕あたりに手のひらを置き、ぽん、ぽん……と軽く触れ続けた。

 暗闇の中で、高比古はそれを不思議がった。

「それ、いったいなんのまじないだ?」

「おまじないなのかな? ――幼い頃、夜、寝る時にね、かあさまがこうしてくれたの。とん、とん……って、ゆっくり肩に触れてもらうとね、眠くなったんだ。――どう?」

「いいよ。落ち着く――」
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 高比古は、すう……とゆっくりと息を吐く。吐息は、寝息に聞こえた。

 でも、いくら寝息に聞こえようが、高比古が寝ついているわけではないと、昨晩とその前の晩を経て、狭霧は思い知っていた。

 互いの息がかかるほど近くで、狭霧は尋ねた。
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「高比古、眠くないの?」

「不思議とな、眠くはない」

 たしかに、眠れなくなってから、高比古は一度もあくびをしなかったし、眠いとぼやいたこともなかった。でも、仕草は日に日にゆっくりになる。

 高比古は、ため息をついた。

「ただ、疲れてる――」

「それはそうよ。眠っていないんだもの。高比古が眠るまでこうしているね。寝よう?」

「ああ……」

 高比古はくすりと笑った。

 口数が減っていくと、長めの吐息は、さらにゆっくりになる。

 ちらりと隣を見ると、高比古のまぶたが閉じて、ぴくりとも動かなくなり――。

 目を閉じた高比古の安らかな顔は、眠っている時のものによく似ていた。

(よかった、眠れた……?)

 とうとう眠ることができたんだ、よかった――と、狭霧は安堵の息をこぼした。

 でも、それは長くは続かない。寝静まったかに見えたものの、ある時高比古の身体は、びくっ! と、跳ね上がる。

 その後は、いつも通りだ。何かに脅えるふうに高比古は腕をさまよわせて狭霧の背中をかき抱き、自分の胸に、狭霧の額をぎゅっと力強く押し付けた。

「狭霧――いくな」

 高比古は狭霧の手首を掴んで、自分の背中に回させる。それは、「自分のことを抱け」という合図だ。求められるままに、狭霧は高比古の背中を両腕でぎゅっと抱きしめた。

「大丈夫、ここにいるから……。どうしたの、怖い夢を見たの? ――『何か』が、いるの?」

 なぜ高比古が脅えているのか。狭霧は、よくわからなかった。

 それを尋ねても、高比古はろくに答えなかった。でも、内緒にしているという風でもない。

「おれも、よくわからないんだ。『何か』は、いるよ。おれは、その気配を追って道を進んでいるんだから――。眠ろうとすると、そいつがおれを向くんだ。――狭霧、いくな――ここにいろ、頼む……」

 お化けが来たと震える、子どものようないい方だった。

 安堵を誘おうと、何度も何度も、狭霧は手のひらでゆっくりと肩に触れた。

「どこにもいかないよ? ほら、いるでしょう?」 

「わかってる。でも、そいつがおれを向いたと思うと、あんたが消えたと怖くなるんだ――。狭霧、手を――」

「ん? 手を……?」

「紐を探して、おれの手と結んでくれ。そうしないと、怖い」

「――いいよ。ちょっと待って」

 高比古は、身体が凍ったという風にほとんど身動きを




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