Nicotto Town


ユウの想いごと


小説『黄色い雨』

フリオ・リャマサーレス 著
『黄色い雨』を読みました。

ここのところたて続けに
日本の小説を読んできて
そろそろ海外小説をと思い
どうせなら雰囲気のある
「かちっ」とした小説をと思い
本書を選んでみました。

スペインの山奥の
過疎化が進みほぼ廃墟と化した村に
一人住み続ける男性村人の生きざまを描いた話で。

「かちっ」ではなく
「ずしーんっ」でした。
重い。
ひたすら重い。
孤独を突きつめるとは
こういうことなのかと
圧倒されました。

主人公の回想というかたちで
村民がだんだんと去っていくさま
家族が失われていくさま
村の建物が朽ち果てていくさま
自身の心身が朽ち果てていくさまが
ときに冷徹に
ときに詩情的に語られ
悲哀と狂気と
スピリチュアルな不気味さと清浄さとが
渾然一体となった世界が
展開され続けたのでした。

本書の前に読んだ
『蜜蜂と遠雷』とのギャップにおののき
読むのに相応の気力を必要としたけれど
かえって心がネガティブなときに読むと
かえって心がフラットになれる小説なのかも?
 

アバター
2019/11/03 16:52
今朝の新聞で米澤穂信の『Iの悲劇』が紹介されていて
どうやらそれも山奥の過疎化した村のミステリーだとか。
そして僕の知り合いが
館山の農村で無農薬の農業を始めたことを最近知り
なんだか過疎化つながりを感じてしまう今日この頃です。
アバター
2019/11/02 19:10
あらー予想外なずっしーん^^;
日本の過疎化もそうだけど、
残される側の心理状態って、想像を超えるものがありますよね。
悲しいときは泣ける映画を見るといいというから、
孤独に苛まれているときにぴったりな小説なのかもですね^^;
アバター
2019/11/02 18:02
読ませて頂いた解説からして、怖いです。その本を読む勇気が無いかもです。
しかし、自分も朽ちていく描写とか、どういう人生経験をすると描けるのか。不思議な。



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