Nicotto Town


ユウの想いごと


小説『薄情』

絲山秋子 著
『薄情』を読みました。

たまには現代の日本を舞台にした
リアリティのある
地に足のついた小説を
読んでみたいと思い
ネットでいろいろと調べた結果
本書にたどり着きました。

群馬県を舞台に
将来は地元の神社の神主を継ぐ身ながら
現在はアルバイトで生計を立てている男性が
里帰りした学生時代の女友達と再会し
時期を同じくして
都会から移住してきた木工職人の工房に
出入りするようになるという話で。

おおまかに言ってしまえば
地方に暮らす30代独身男性の
自分探しの物語であり
季節の移ろいとともに
さまざまな人々と交流していく中で
人の暖かさと冷たさを感じつつ
自身の立ち位置とか
人との距離感とか
しがらみとか
自由とかについて
自問自答を繰りかえす
心に空白を抱えた主人公の
もやもやとした感覚が
ひしひしと伝わってきました。

けれど会話や内面描写が
方言を含んだからっとした文章なので
重さやくどさなどは感じず
気楽に読むことができました。

『薄情』というタイトルの
真意に触れたとき
人付き合いにおける
人々の懐の奥深さに
あらためて感じ入りつつ
ときに感情を
かき乱されることもあるのだけれど
心の均衡を保つためには
人々と接する習慣を持つのは
大切なことなのだと
あらためて思ったのでした。

自分の内面を
定期的にみつめるためにも
本書のような
心の内側に踏みこむ本は
これからも定期的に
読んでいきたいです。

そして自分の外面を
定期的にみつめるためにも
抵抗はあるのだけれど
やはり体重計には
定期的にのるべきなのだと
自分に言い聞かせたのでした。
 

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2020/10/03 12:34
絲山さんは『沖で待つ』を読んで以来、忘れていました。
ユウさんの感想がとっても素敵なので『薄情』も読んでみたくなりましたよ♪

そして体重計……私ものるべきだなと反省しました。(*´艸`*)ププ
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2020/09/13 21:19
内面も外面も大事ですもんね。
私は人付き合いがあまり得意じゃないのですが、
普段から接し慣れておかないと、ますます不得意になりますもんね。
体重計は毎日乗るんですけど、それでもただいま増加しております・・・(涙)
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2020/09/12 17:11
脱線ですけど、禅や上座仏教の要諦は観察することなんですね。
またメンタルヘルスでは森田療法というのもありますし。(適当)

絲山秋子さん(例によって)存じ上げませんが、高崎でいろいろラジオパーソナリティやったり
自分で勝手に一年に読んだ書籍の中で一番面白かった作品を「絲山賞」として発表してる等
なんか面白い活動されてる作家さんですね。
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2020/09/12 15:33
絲山秋子さんの小説、僕は好きです。
『イッツ・オンリー・トーク』(だったかな)を読んだのだけれど
なんだろう、クールでちょっぴり切なくて
なんだか読後感がすごく良かったのを覚えています。
体重計、う〜ん最近乗ってないなぁ。



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