Nicotto Town



鬼を名乗りて⑥


今年も、あの季節がやってきた!

何の季節かって?

もちろん大豆を鬼にぶつけると言う日本の奇習、節分のことだ!

所によっては、殻付きのピーナッツだったりもするらしい・・・。

つまり豆なら何でもいいのか?

鬼を紹介し続けて早、6回目! 

今年も おに☆なの 始まるよ!



鬼を名乗る武将の中でも、赤鬼と呼ばれてる人は意外と多い

やっぱり赤は、戦隊モノではリーダーカラーだし

3倍早い人のパーソナルカラーも赤だ!

昔から赤はみんなの憧れの色だったのかもしれない

そんな綺羅星のような赤鬼の中から今回選ばれたのは

北条のリーサルウェポン 松田康郷だ! (やすさと)



彼の名が今も残っているのは、ほぼ一戦での武功のみといってもいい。

その戦とは兵力差はおよそ8倍、圧倒的不利な状況を覆し見事に城を守り抜いた

臼井城の戦いである。

この鬼はなんと、あの軍神上杉謙信の向こうを張って戦い

多大な被害を与え、撤退を余儀なくさせたほどなのである。

それは謙信の生涯最大の敗北とも言われるほどの惨敗。

康郷は如何にして謙信を破り赤鬼へとなったのか、歴史を紐解いていくとしよう…。



当時、上杉謙信は積極的に関東へ遠征を行っていた。

その数およそ15000以上

今回目指したのは、原胤貞が守るこの臼井城であった。

この大ピンチに胤貞は早速方々へ援軍を要請した。 が、

主家は本城である本佐倉城の防備を固めるのに忙しく援軍を出せる余裕なし。

対上杉の最強の後ろ盾である北条氏も、里見氏と交戦中で援軍を出す余裕がなく

送られてきたのは北条家の松田康郷率いるわずか百数十人だけだった。

まさかこの頼りない援軍が、この窮地を救おうとは

この時はだれにもわからなかった。

臼井城側は全てをかき集めても二千人がせいぜい

対する上杉は一万五千越え

結果は火を見るよりも明らかで、

城攻めが始まってしまえば臼井城は、あっという間に堀一つを残すだけという所まで追い詰められてしまった。

これには普段油断もしない謙信自身もうっかり

「これほどの小城、何程の事かあるべき。唯一攻めに揉み落とせ」

と口を滑らせてしまうほど

臼井城の命運ももはや風前の灯火か!と思われたその時

北条からの援軍である康郷が声を発した。

「大軍で緩んでる奴らより、ウチの奴らの方が気合はいってるんでー ちとカマしてきますわ」

総攻撃に移ろうとした上杉軍に対し、城に引きこもって防衛戦をするのではなく

城門を全開にして果敢に突撃する康郷の一団

その戦いは熾烈を極めた!

康郷は真っ赤な鎧で身を包み、漆黒の巨馬で一団の先頭を駆け

敵兵を薙刀で斬り殺しながら敵陣をズタズタにし

薙刀が役に立たなくなると、今度は樫の棒でぶんなぐり

樫の棒が折れると、最後には素手で敵の首をねじ切るという

お前は本当に人間なのか? という活躍を見せた。

これには謙信もビックリ

「この辺に赤鬼すんでるって噂だけど、アイツのことじゃね?」

などと漏らしたと言う。

この活躍により、康郷は見事に鬼の称号をゲット!

「鬼孫太郎」とか「松田の赤鬼」とか呼ばれるようになったのだった。



さて落城寸前の城兵が突撃してくるなどと考えていなかった上杉軍は混乱し、

康郷の活躍などによりかなりの死傷者を出した。

しかしなんと言っても元々の兵士数が違う。

まだまだ兵士の数は断然上杉有利

謙信の読みは「昨日の猛勇ぶりを見る限り、今日も同じような作戦で来るだろう」

というものだった。

そのため上杉側は密かに陣を動かし、出てきたところを包囲殲滅する布陣を取った。

…が、康郷は出てこなかった。

殺す気まんまんで手薬煉を引いていた謙信のイライラはピークに達した。

そのイライラを見抜いた家臣に

「今日は千悔日と言い、先に行動を起こしたほうが敗れる日です!」と言われたにもかかわらず

「上等だよ! お前らが来ないならこっちから行ってやるよ!」

と全軍に城攻めの合図を出した。

城壁に群がる上杉の兵士たち、するとなにやらミシミシと音が…。

その瞬間、城壁は倒れ数百人がその下敷きとなった。

予想もしなかった反撃に、撤退命令を出す謙信だったが

そこをみすみす見逃す康郷ではなかった。

城兵は一転総追撃に転じると、上杉側は

前日のトラウマが脳裏に甦り

「赤鬼が来たーーー! 逃げろーーー!」

と、我先にと逃げ出した。

度重なる赤鬼の来襲に兵士の士気はだだ下がり

さしものの謙信もこれでは戦にならぬ、と撤退を決意したのだった。




一説にはこの戦いによる上杉軍の死傷者は五千を超えるとも言われる。

そのあまりの大敗のためか、謙信の伝記である『謙信公御年譜』は

スルーを決め込み、この戦いについて一言も触れてはいない。



今回の おに☆なの いかがだったでしょうか?

人物というよりは、戦いそのものにスポットが当ってしまった感じではありますが

たまにはこういうものもよいかなと!

では、また来年節分にお会いしましょう!


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2017/02/05 13:52
赤って強いw
ほんと戦隊ものリーダー赤ですよね
だからうちの子は赤が好きでしたw

春は少しずつやって来てますねw



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