Nicotto Town



亜衣子さんがなにやらサロメにw

エルドランから闇野さんを引き取った時、もう死んでしまっているのではと思うほど満身創痍で横たえられていました。
傷つき疲れはてた顔は、その抵抗の激しさを物語っていました。全力で挑んでなお遠く及ばない光の守護者に対し、彼は一矢でも報いることはできたのでしょうか。

意にそわない忠誠を誓わせられるのは、血を吐くほど屈辱だったにちがいありません。なぜ殺さない、と 彼は問うたそうです。それが私の望みだと感付いたのかどうか… 記憶を消される前の最後の言葉は 「人間が」だったとのことです。
       ....
「っ…!! ニンゲン がっっ!」

それは、私に向けられた呪詛の言葉だったでしょう。『おのれ人間、よくも。』ヤミノリウス三世の断末魔を聞いたように思いました。

左手の指にはもうあの指輪はなく、私は

私は……。


私は 罪悪感を覚えるよりも満足感にほくそ笑んだのです。
もう彼が太陽を見上げることはない。ゴクアークなどによそ見はさせない。奪ってやった、お前の従順なしもべを…!私は太陽に対する勝利に悦していました


「有事にはガンバルガー同様 私の戦力になってもらう。これは人の子ではない。それを了解していてもらおう」
「…わかっていますわ」

わかっていなかった。有事とは何を想定しているのか。エルドランが闇の子の存続を見逃すにあたいする利用価値とはいかなるものか。
人の身の私には、神の領域における絶対の正義が悪に対してどんなに容赦なく冷酷であるか、思い至りませんでした。

悲劇の始まりであるのに、私はこれからの幸せな日々を思いながら闇野さんを抱え起こしました。

     あなたは天使だ

目を覚ましたあなたは再びまた、私を「天使だ」と言うでしょうか。
こんな 私を・・・




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