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☆ ドリーム・スター ☆


懐かしの想い出日記



 懐かしの想い出日記

第一章 東京のあんちゃん

私の故郷は新潟県と山形県の県境にある 鼠ヶ関と言う町です。
私は新潟県側の府屋と言う町で生まれました
鼠ヶ関は父の親の実家で漁師(定置網漁)をしていました
父は母と結婚し実家から離れた府屋で電気店を母はレコード店を経営
そこで誕生したのが 私です。

それから数年後東京の武蔵境へ引越し
父は現 ラオックス 旧 朝日無線電機に就職
両親には 私 一人の子供だけ授かり育ててくれていました
当時の記憶は今も幼いながらにも覚えています。

毎年 夏と冬は両親と一緒に故郷へ里帰りをしていました
当時は上野駅より 特急いなほ で新潟まで又は寝台特急 鳥海
時にはマイカーで国道17号線から三国峠を通過し新潟へ

小学生になる前 両親は私に 一人で電車に乗り 旅が出来るよう
上野駅から列車に乗り帰郷するようになりました
両親は どちらも先祖が武士であることに
武士は 何でも出来る人物であると教え
衣類のたたみ方洗濯 料理 裁縫 そして礼儀 武道を学ばされ
目上の人への尊敬を忘れずに冷静な行動 優しい気持ちを忘れるな
そんな両親でした

故郷の鼠ヶ関は昔の関所町 港町でした
と言っても 田舎町 何もありません
夏に海水浴場があるのと観光地なのでビーチセンターがあるくらい
当時の東京に普通にある本屋さんも喫茶店もありません

帰郷する度に 近所の駄菓子屋 と言っても 何でも屋さん
色々な物を販売しているお店で買い物をするのが大好きでした。

そこの お店の大将 おやじさんが 短髪白髪の小太りで
東京では買い物に行けば 普通 すいませ~ん これ下さい!
これが 私の故郷では 違うのです
そうですね 田舎ですから お国訛りや風習 色々あるんです
お店では まず 第一声に か~う!(買~う!)と言います
すると いらっしゃいませ ではなく
何かう? とかえってくるのです ^^

不思議? いや当然 東北地方ならではのなまり
寒い地方では 言葉を短縮しているのです
例えば お風呂に行く 入る= 湯さ いぐ 湯さ へえる
方言は 本当に 面白い? 素晴らしいのです
    
話は脱線してしまいましたが その店の大将との出会い
毎年 帰郷する度に買い物へ行く私に大将は
いつしか おっ! 東京のあんちゃん 何かう?
そんな やりとり がありました。

東京では 無い お店の人とのやりとり
そうは言っても 大将は男だから 余計な会話はしません
でも 強面の短髪 小太りで頭にタオルを巻いて
目で物を言うように どこか 優しいんです

小さな町です きっと 私の実家の事も父親の事も知っていて
毎年 故郷であり 父の両親 私の お祖父ちゃん お祖母ちゃん
に会いに帰ってきている孫だという事

だから よく来たな 東京のあんちゃん!
その 一言に 全てが 詰まっていたのです。

私が幼少期から好きだった 詩人が 石川啄木先生です

ふるさとの訛りなつかし停車場の
人ごみの中にそを聴きにゆく

自分の生まれ育った故郷の お国訛り 方言を
東京で生活している中 上野駅のような停車場へ
行きかう人の群れの中で耳に聞こえてくる言葉 声
それを聞きたい 懐かしむ そんな心情を詩にしたものです。

現代 今では 方言も使う方も少なくなり
いつでも 身近に帰郷出来るような環境になりました

人間の記憶は 老いていけば 薄れ消え去ってしまうかも
でも 忘れたくない 忘れられない体験や経験あるもので
いつれにしても 大切に していたいものです。

まんず よぐきたな そこさ 座れ
めんこく なって いい あんばいだぁ
ここさ きてくれて ありがとな
ほんとい ありがとな










小学生になる前




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