Nicotto Town



ヒョウタンツギな名作『バンパイヤ』

手塚治虫原作テレビドラマ『バンパイヤ』がYouTube手塚プロダクション公式ページで10/20まで公開です。初めて見て、なかなか面白かったのでお勧めします。

【原作あらすじ】
漫画家になりたい。と虫プロダクションに現れたトッペイ少年は月を見ると白い狼に変身するという秘密を抱えていた。偶然秘密を知ったロックこと間久部緑郎はトッペイを脅迫して犯罪の手伝いをさせる。ロックは世界制覇の夢を抱き、平然と誘拐や殺人を犯していった。
トッペイを通じてロックの存在を知った狼女のルリ子はロックと協力関係を築き、仲間とともに人間への反乱『バンパイヤ革命』を起こし。各国でテロ行為を起こす。
しかしマッドサイエンティスト熱海教授によって作られたマッドPAが投入されたことで人間は攻勢に出る。人間性を奪い、人すらも野人に変えてしまう薬でバンパイヤたちは本物の獣に変えられて行った。
ロックの洗脳が解けたトッペイはロックを追い詰めるが、海に落ちたロックは夢をあきらめず笑いながら姿を消した。

*何故ドラマ紹介で原作のあらすじを説明したのかというとドラマには大きく2つの問題があったからです。
(1)悪役ロック 
『バンパイヤ』は基本W主人公で、心優しい狼男と悪魔ような美青年の物語です。
ロックは簡潔に言うと手塚治虫版『トムリプリー(By太陽が一杯)』。信念をもって悪の道を突き進む。変装の名人で自由自裁に姿を変える。その姿は漫画界に革命を起こしました。悪い奴だけどカッコイイ。日本人名はシェイクスピアのマクベスから取られており最終的には破滅が予定されているとはいえファンからは絶大な人気がありました。  が、
それが子供向け娯楽番組にできるか。というと作り始めてからNoとあちこちから批判が出たのか大幅なストーリー変更がされてしまいます。
(2)バンパイヤ(夜泣き一族)って被差別部落じゃない?という疑問
美人のルリ子や貴族っぽい外見のバンパイヤもいますが、トッペイや村を捨てる人々はどう見ても社会の弱者。→→この人たちを上記原作のように退治していいの??いうわけでさらなるストーリー変更

よってストーリーは展開は大きく3つに分けられます
(1)1話~11話 基本原作の展開 見どころ 
①第一話で昭和43年当時の虫プロダクションが登場
②とにかくロック(佐藤博)がかっこよく面白い。軽薄な笑い方が原作そっくり。
(2)12話~18話 バンパイヤ革命がおこるが大半オリジナルでロックの悪事に意味が無くなる。
みどころ
①横浜ドリームランド撮影など豪華なロケ
②バンパイヤ同士の対立 革命よりも生活が大事と拒否するもの、裏切り者など昭和30年代の社会運動の雰囲気を知っている世代の視点を感じてリアル。
③バンパイヤ収容所に収容されたトッペイ(10代の水谷豊!)が仲間にリンチを受ける。逃亡を図るも絶望するトッペイを正体を知りながら貧しいトラック運転手が助け、トッペイはもう一度人間を信じようと決め、迷惑にならないようにと黙って姿を消す。トッペイがいなくなったことを知った運転手は『バンパイヤなんて』と差別発言をする助手を振り払い。トラックを走らせる。
・・・、どこの映画ですか?もう娯楽作品じゃないよね。
(3)19話~26話 ロック役佐藤博さん降板、準主役の渡辺文雄さんも降板。バンパイヤ革命は有耶無耶になり。勧善懲悪ものになる。
おそらく(2)で大量の撮り直しをした上に結構撮影費用を使っていたのが原因だと2人分の契約更新できなかったのかな。後年水谷豊さんも「あのドラマはお金を使いすぎた」「ロケが中止になって残念だった」と語っております。
で、ロックは主役の一人なのにどうしたかというと、大怪我を負って整形手術した。というトンデモ展開。(再度いうけどロックは変装の名人)代役ロックの梶健司さんは基本男っぽい人、ちがう。演技どうこう以前にロックじゃない。
しかし残念無念は製作者側の方がもっと上だったのか 最終決戦で『もう逃げ回る必要は無い』とロックはあっさりもとの顔に戻してしまう。
うん、(3)は突っ込みながら見てください。




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