Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


ワークランドウィズリーの紹介


 リルル・ガランドの自室にて。

 レティパレッタ通りの四番街、2丁目の32番地には森の家と呼ばれる家がある。そこにはどういうわけか若い女性が以前から一人で暮らしているのだ。

 

 その女性のことを誰もがワークランドウィズリーの魔女と呼んでいる。年格好は誰が見ても十八歳ぐらいに見える女性なのだ。ましてや彼女が三角帽子を被っていたり、魔女のローブを着て歩いているわけでも無いし、性格はとても明るく、みんなから好かれている方なのだからますます不思議である。

 
 ワークランドウィズリーはそもそも森をほんの少し開拓してところどころに道をつけて出来上がった街で、メインストリートはウィッチロード(魔女の道)と呼ばれている。そのウィッチロードの由来が、ワークランドウィズリーの魔女のよく使う道だからだ。それほどまでに彼女はこの街の代表的な人物であり、中心そのものかもしれないぐらい人気を誇っているのだが、当の本人は全く自覚が無い。

 

 彼女は今日も手の平の上でパンを焼き、コップを持っただけでミルクを沸騰させて、かつ、空中の水を氷に変えて冷やすという早業をやってのける。

 
 

 パンとミルクを胃に詰め込み、テーブルを立つと、椅子は後ろに勝手に下がり、服は彼女の意思を尊重して、彼女の機嫌を取ってくれている。彼女はその間、目をつぶりながらただ歩き、玄関へ向かう。玄関に到着すると、今日は白のワンピースと帽子を選び、見えない何かに着替えさせてもらう。彼女が黄色の靴を履くと白の扉は自動ドアのごとく開く。風は適度に吹き、彼女を歓迎する。
 常に魔法が発動しているみたいな身の周りの出来事は彼女にとっては生まれた時からのごく自然な一連の出来事なのだ。

 
 
 そう、レイチェル・リヴァイアス(以後レイ)にとっては。ごく当たり前の日常的な朝なのだ。しかし、レイは「魔法」を使っているという自覚さえも無く、自分は極めて「普通の人間」として生活している。

 

 レイが出かけるのを狙って、馬車使いたちがレイの後ろを走りだす。馬車はおそらくこのワークランドウィズリーでは一番速度の速い乗り物のはずなのだが、レイを追い抜くことは決して無いのである。

 レイは走っているわけでは無い。ましてや歩いているわけでもないのだ。途中からレイは歩くのをやめて、風の精霊神ジン・ウォトニックの力を使用して空を飛んで移動しているのだ。レイはいつも好きな姿勢を取り、空の旅を楽しんでいる。まさにウィッチロードと呼ばれるのも、そんなレイの姿あってこそである。街の人間はそんなレイにホウキに乗って飛ぶ事を期待する。いや、すでに伝えた。

それに対してレイは「ホウキ?ホウキが無くても飛べるけどみんながそこまで言うならいいわよ」と、快く了承してくれたのだ。その記念すべき日はわざわざ特注の魔女衣装を用意して、それに着替えてもらってウィッチロードを飛んでもらった。その記録は今でも図書館の2階、ワークランドウィズリーの歴史書に記念として記録されている。

 

 まさに何の問題も無いレイにも、ある日、金髪のガマガエルの顔をしていて、背格好のある紫のビジネススーツを着た男から心臓をえぐり取られる、大事件を聞いてしまう事になる。

その続きもここに書きたいが、レイに呼ばれているのでここで退室する。






 
 

 

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2013/09/27 18:03
はやく続きを読みたいです。



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