Nicotto Town



シンガーソングライターに恋をした

シンガーソングライターに恋をした

 

それまで2年間片時も忘れず燃え盛っていた恋も冷めてしまうほどに、趣味のコンカフェ巡りもきっぱりやめてしまうほどに、死ぬほど大好きだったYouTuberの話を一切しなくなるほどに、僕はコップの水滴を拭う姿すら狂おしいほど美しい彼に夢中になってしまった。

 

物心ついた頃から僕は病的なほどに恋愛体質で、絶え間なく他人に依存しながらでないと生命活動を保てなかった。もはやライフラインである。

すべからく、僕の思考の8割は彼に支配されてしまった。

 

彼の出演するライブには足蹴く通い、休みの日にはバイト先のカフェにも通うようになってしまった。

 

彼は強い依存性のある砂糖のような人だった。

彼と関わっている時間の幸福感は何物にも変えがたかった。

しかし、その幸福感は長く続かず、彼と離れると僕は彼の残り香に縋りつき、泣き崩れた。

会えない日が続くと瞳から体温を逃し、淡い対応を受けるたびに体を痩せ細らせた。

 

彼は僕に全てを与え、同時に僕から全てを奪った。

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2023/02/09 04:07
Macのメモ帳からコピーしたらこんな感じになるんだ……




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