Nicotto Town



光点

黒い無限の空間の中に
私の心は浮いていた

それは銀色の尾を長く引き
彗星のように流れていた

私に手足は無かった
ただ流れるままに進んでいた

何処かへ向かって
息を吐くように

全ての成長が止まるような
究極の寒さの中

私の心は凍りつくことなく
今日も歩みを止める事が無かった

はるか遠くに光...

>> 続きを読む


長い空白

空白に爪を立てる
その傷口から愛の欠片が溢れ出る

暑い夏がやって来た

半年前
私は愛をはらんだのだ

吹雪く冬の日に
クリスマスキャンドルを見つめながら

それは疑いのないもの
確信だった

そして
あなたの影すら見えない春の日も

涙で霞む幻の中に
咲く花の香りの中にあなたを感じていた

空が...

>> 続きを読む


祇園祭

京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ

打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤

四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす

新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも鉾はそそり立...

>> 続きを読む


花が咲いている

振り返ると
私の通った道に花が咲いている

それは私が植えたものなのか
そこに最初から根付いていたのかは解らない

でも多くの花の中に混ざって
私だけの色がある

それは私自身にしかわからない
私の色なのだろう

赤でも無く
白でも無い

黄でも無く
紫でも無い

熱を持った
オレンジに近い色であっ...

>> 続きを読む


プリズム

その青の中に私は居た
澄みきった青の中に

ジェル状の空間が私を包む
やさしい花の香りがした

私はその場でけし粒のように小さくなり
眠りについた

目が覚めると
赤の中に私は居た

空気が赤く染まり
それは高温で燃えていた

熱のゆらぎが私を襲い
乾ききった砂の味がした

赤の躍動が見える
息を切...

>> 続きを読む





月別アーカイブ

2025

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.