Nicotto Town



自作小説倶楽部3月投稿

『我らX大学探検隊』

「諸君、わがX大学探検同好会の創立メンバーであり、永久名誉会員であり、部室のヌシでもある栄先輩がこの度どういうわけか卒業することになった。現会長の俺としては思い出に残る探検を企画し、これまで同好会のため尽くしてくれた偉業を称え、先輩の卒業を祝いたいと思う」
 卒業旅行なら...

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自作小説倶楽部2月投稿

Replay

「女性を探してほしいんです」とそのお坊ちゃんは私に言った。
「二十歳前後で、金髪で、化粧っけがなくて、暗い色のオーバーコートを着ていました。一目ぼれ?いえ。でも、彼女があんまり切羽詰まった顔で走って行くのを見たので心配で、二度も見たんですよ。B通りのカフェで、あそこの店主とは子供...

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自作小説倶楽部1月投稿

『悪友』
二枚田とは幼馴染です。悪友というんでしょうか。子供のころから悪戯をしてはよく大人に叱られました。でも、私が企んだことはないはずです。近所の柿を盗んで大目玉喰らった時だって、私がおいしそうに赤くなっていく柿を眺めていたら。アイツが「あれくらいならミっちゃんのうちの物干し竿で取れるよ」って...

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自作小説倶楽部12月投稿

『雪の思い出』

「お嬢さん。バスはあと二十分くらいで来ますよ」
 女が文字のかすれた時刻表を見ようとしていると声がしたので思わす飛び上がりそうになった。しかし飛び上がることなく不安定な姿勢で立っていた足を踏み違え傷のある箇所を地面に着けてしまった。
「痛たた」
「まあ、大変、傷だらけ...

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自作小説倶楽部11月投稿②

『ダブル』後編
「ふぅー。やばいやばい」
奈々は子機を放り出し、ソファに倒れこんだ。
 「はしたないわね」
母の九美子が非難の視線を投げかける。
「ねえ、家のローンも払い終わるのにおばあちゃんたちに本当のこと話しちゃダメなの?七五三のこと」
「駄目よ」九美子が勢いよく首を振る。「着物は...

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