梅と大阪城とミニタニマチ
- カテゴリ:日記
- 2010/02/21 03:23:19
ミニタニマチはとても不思議。
違うなあ、ミニタニマチとの関係はとても不思議だ。
学生に頃に出会ったミニタニマチ。
mioは高校の頃から週一で映画を見ていた。
見るのは流行のものもあるけれど、たいていは昔の映画のリバイバルや誰も聞いたことのない映画。
やっているのはぼろっちぃ映画館とかで、もちろん友達はついてきてくれない。
いつも一人で行っていた。
今考えるとかなり危ない映画館とかもあったんだけどね。
ある日とても感動した映画があって、終わったあとも席も立てずにmioはこっそり泣いていた。
鼻水まで垂らして。
でもたまたま(本当にたまたまよ)ハンカチもティッシュも忘れていて、制服の袖で顔をぬぐっていた。
そこにスッとハンカチをさし出してくれたミニタニマチ。
たぶん袖でぬぐう姿がみっともなかったんだと思う。
そんなことをされたのは初めてで、今でもmioの中では紳士のNO1はミニタニマチだ。
キレイな標準語と大人の男の人が「ぼく」と言うのを聞いたのも初めてだった。
本当は怪しまなきゃならなかったのに、あまりにも上品な物腰に気が抜けてしまった。
大人しくハンカチを受け取り顔を拭いた。
ハンカチは鼻水まで付いて汚くなってしまった。
mioが買って返しますというのをミニタニマチはやんわりと断って笑った。
そういう出会いだった。
そこで恋が始まるかというとそうでもない。
なぜなら出会ったときすでに、ミニタニマチは60歳は超えていたからだ。
それからの不思議な付き合い。
ハンカチを洗って返しますからと、やや強引にケータイの番号を交換(メールが付いてないときだったのよ)。
次に大阪に来たときには連絡をくれるよう約束をした。
三ヵ月後に約束どおり連絡が来て、映画館でミニタニマチと再会した。
ミニタニマチは「女の子にお金を出させるわけには行かないから」と、映画代と紅茶代を出してくれた。
二人で一昔前の映画を見て、それからご飯を食べた。
mioは割り勘のつもりだったのに、ここもミニタニマチが出してくれた。
心苦しかったが洗ったハンカチとお礼のお菓子を渡して、何度もお礼を言って別れた。
以来ミニタニマチは、大阪に出張に来るたびに連絡をくれるようになった。
二、三ヶ月に一度くらいの割合だけど。
その度に映画を見て、ご飯を食べた。
ミニタニマチとの会話は楽しい。
映画や美術の話をここまでできるのはミニタニマチだけだった。
後はお互いに最近興味を持ったものや好きになったものの話をする。
知的で落ち着い声で話すミニタニマチ。
そこにツッコミや笑いを入れるmio。
はたから見ると離れて暮らす孫に会いに来た祖父みたいに見えていたんだろう(大阪のサルに餌をやっている老人かも)。
ミニタニマチは自分のことをあまり語らないし、mioもそうだ。
だからもう何年にもなる付き合いだというのに、お互いの名前と電話番号しか知らない。
そしてそれでいいのだ。
ミニタニマチはいつも映画代と食事代は出してくれるけど、それ以上はない。
一度mioにカバンを買ってくれようとしたのを、mioが本気で怒ったからだ。
だって映画と食事のお金を出してもらってるのもおこがましいのに、それ以上なんて望めない。
「私は乞食じゃない。」と怒った。
それ以来、何か欲しいものがあるかとは聞かれていない。
たまたまmioの誕生日の日に会って、その時に日本画の作品集をくれたことがあったけど。
ミニタニマチはたぶんどこかの偉い人だ。
物腰や持ち物、雰囲気がそう語っている。
前にぽつりと「リストラはするほうも辛い。」と呟いていた。
mioは「でも必要なことなんでしょ。精一杯やったんでしょ。」と答えた。
ふと振り返ったら、通りの向こうで白いリムジンに乗り込んでいたこともあった。
本当はmioとは世界が違う人なのだとも思う。
だからお互い何も聞かない。
mioはそんな不思議な関係を誰にも言っていない。
ミニタニマチも誰にも言っていないだろう。
お互いが急死してもたぶんわからない。
連絡も行かない。
二人でそんな時間をすごしてきた。
ミニタニマチはmioにとって、この世界にはいろいろな人がいると思わせてくれた人だ。
もしかしてもう会えないかもしれない。
ミニタニマチの小さくなった背と乾いた肌が言っていた。
たぶんミニタニマチは何かの病気にかかって弱っている。
今日、大阪城の梅の中を歩きながらそう思った。
だからヒミツの関係をここに書く気になったのかもしれない。
ちなみになぜミニタニマチなのかというと、mioにはタニマチ、大タニマチがいるから。
ブログを本にするときは、入れたいエピソードトップ5に入ります。
何しろ大阪のおっちゃんと違って、上品で控えめで知的なのよ。
尊敬する大人の一人です。
大阪はねいろんな人がいるらしいんだけど、大変な人の割合が多いよ。
何しろ日本唯一のスラムがあるし。
でも世代を超えた同士のような交流すごくいい
小説にして欲しい世界ですね
おなじ思考の人を探してもなかなかいない本当に淋しいですよ
だから趣味で語り合えるともが今居てくれるのはすごくありがたい。
東京にないものがあるし
(4回しか行ったことないけど、面白かった)
人の出会いの不思議さが聞けて良かった
ありがとう。。
出会いはそこら辺に転がっていますよ。
ただ危ないのもあるのでお互い気をつけましょう。
そうなのよ
でもミニタニマチと違ってそっちの二人は容赦なくたかってます。
だってそのほうが二人にとってストレス発散になっているみたいだから。
深くない深くない
深いのはミニタニマチのほうだった。
ところがどっこい
mioにはステキなつながりの他にも、えげつなかったりとんでもなかったりする繋がりもあるのよw
そうだろうね。
映画館では何度か見かけてたんだけど、きっかけがなければ付き合いはなかったと思う。
そうか非日常だったんだ
だからあんなにヒミツにできたんだと思うよ。
そうなの
スマートな人なのよ
大阪にそんな人いないからよけいにね。
ちなみにmioはきわものです
なんだか映画を見てるようで。。。そういう出会いってなかなかないものですよね~
お互いが自分をしっかり持っているからなんでしょうね。。。
心の中がほんわりするお話を、ありがとうございます♥
mioさんにはタニマチさんと大タニマチさんまでいらっしゃるのですね。
さらりと流したそちらにも普通に驚いちゃいました(爆)
素敵なお付き合いが、沢山あるのね
これからも、楽しみにしています^^
感動☆感激のお話し。。。
素晴らしい繋がりをお持ちだったのですね
ただ、誰にでもできるつながりではないと思います。
mioさんの人柄と、ミニタニマチさんの人柄と、時の流れ(出会った時期など)と、その他いろいろと。
そういったたくさんの偶然が奇跡的に重ならないと、成立しない関係だと感じます。
でも、そうした奇跡的な偶然の重なりって、必然だったりもします。
心地良いものが有りますねw
身分を隠して話を楽しむ
なんだ・・
ニコタもある意味そうかもね。。
どこかのお偉いさんでお金の使い方も
スマートですね
お偉いさんは孤独で家族にもモチロン部下にも
本音や弱さを見せられないから
なんのしがらみもない人にふと本音を聞いて欲しい
時もあるんじゃないかな。。
そんなmioさんも
何者かな。。