ねこよけ?
- カテゴリ:日記
- 2010/06/08 22:02:40
連休はうれしい。
でもいざ連休となると、どう過ごしていいかわからなくなる。
そこで大好きな池波正太郎の鬼平犯科帳の文庫本、全24巻を再読することにした。
鬼平は面白い。
主人公の鬼の平蔵こと長谷川平蔵はもちろん、もと盗賊の密偵や平蔵の部下の与力や同心、鬼平に挑む盗賊までもがとても個性的で、一話ごとの盗賊が主役になっているといってもいいくらい、鬼平に登場する盗賊たちは魅力的なんです。
朝からシャンパンを飲み、鬼平を読み、昼寝ののちまた飲む。
こんなことを繰り返しているうちに、だんだん自分が盗賊の一味のような気分になってくる。ああ、あたしだってねえ、好きでこんな暮らししてるんじゃあねえんでさ。やむにやまれず・・・。
ため息をつきながら、本を閉じ、悲しかったことを思い出す。
しかし翌日から仕事なんで、そろそろ現実に帰らなくてはいけない。そうだ、夕飯の買い物でもいくか・・・と玄関のドアを開けると同時に、猫脱走。
白い猫の体が玄関から踊りだすや、いっさんにアパートの階段を降りていく。
すぐ後を追う私を猫はアパートの階下で待ち受けていた。
追いかける私を振り返りながら猫はひらりひらりと走り、私をアパートに隣接する大きな駐車場へたどりついた。
猫はここで鬼ごっこをしようという。
駐車してある車の下を猫が逃げて、私が追いかける、というゲームなんです。
車から車へ移動する猫を追いかけて走る。
そろそろ猫も疲れてきただろう、という頃合を見はかり、猫が逃げ込んだ車に私もガバッと腹ばいになり、車の下に頭と二の腕を突き入れようとしたその瞬間・・・
「何なさってるんですか!」
と、頭上から声がふってきた。
慌てて体を起こしてみると、犬の散歩中とおぼしき中年の婦人が数メートル離れたところで怯えたような顔で私を凝視している。
「何をなさっているんですか・・・?」
「いえ、猫が逃げまして・・・。決して怪しいものじゃあございません。いえ、猫がねえ。本当にやむにやまれず・・・。」
鬼平の読みすぎで時代小説そのものの台詞で言い訳をし、その場をダッシュで逃げた。
怪しい・・・。絶対怪しいと犬連れの婦人は思っただろう。
翌日また猫と駐車場に行ってみたら、件の車が停めてある地面の、車の前と後ろに猫の顔のかたちをしたアルミのプレートが埋め込まれていた。
もしかして、猫よけ?
しかし、こんなちゃちなもんで猫がびびる筈がない。
犬連れのおばさんに呆れながらも、この様子では私はまだこの近所で変人扱いされる心配はなさそうだとホッと胸をなでおろしたのでした。
己の本能のままに生きていて、ハッと気がつくと変人呼ばわりされてしまうわたくし。
やむにやまれず・・・そういう人生なのです。
善悪について思い巡らす私をしっかり現実にひきもどしてしまいました。
私が初めて読んだ歴史小説はいわずと知れた司馬遼太郎の「峠」です。
柴錬もいいよね~!あのニヒリズムがたまりませんね!
私はお猫ちゃまに現実に引き戻され、明日からまた仕事です。
何か少しでも世の中が豊かな気持ちになるような、そんな仕事はできないものか・・・。
暗黒面から脱した私はまた夢のようなことを考え始めました。
プチシンクロ二シティーでしょうか、タウンで鬼平の話をしている女性がいました。
吹き出しに「鬼平犯科帳」って出た時は、サビさんかと思いましたが、違いましたwww
初めて読んだ時代小説も鬼平だったのですか??
私が初めて読んだのは、柴田錬三郎の『一の太刀』でした。
それまでまったく時代小説なんて手をつけなかったのですが、この本との出会いはある意味運命?
数年前の話ですが、ふと座ったベンチの隣のベンチに一冊の文庫本が置き去りにされていて、手にとったのがそれでした。
で、そうです、魔がさして、その一瞬盗賊になりましたwwwww
しっかり本棚に収められております^^;
私は今、いつだったかのブログにも書きましたが、寝る前に高校の時の日本史の教科書をまた読んでます。
何周したか分かりませんが。(時代によってはかなりまわったはずwww)
そんなものを読んで散々妄想して寝入ります。私も変人かしらWWW
そして、連休中読書三昧で過ごしたサビさんの運動不足も解消させるという一石二鳥な作戦。
頭のいい、お猫様だ。
僕も時代小説を読むと、しばらく口調が時代劇風に、影響受けやすいのです。