Nicotto Town


錆猫香箱日和


父、急変する


今日の午後、突然父親が急変した。
無理もない。
だって余命一ヶ月なのに無理やり病院でてきちゃって家にいるんだもん。
昨日から酸素ボンベしか吸ってないんだもん。
今にも死んでしまいそうなので救急車を呼ぼうとすると
「待て・・・俺はあんなものは絶対に乗らないぞ。早く車を出せ」
と弟に命令。
慌てて父を車で病院に運ぶ。
で、今にも死にそうなんで至急見てほしいと病院にお願いすると
「でも、そちらが勝手にでていっちゃったんですよねえ」
と冷たい一言。
それはそうなんだけど、看護婦さんが呼んでもすぐに来てくれないから
トイレにまにあわなかったし、点滴つけるのも失敗してるんです!
と言いたかったが、言葉にするのももどかしいぐらいに父親は危ない状態だ。
仕方ないので弟が
「スイマセンでした!でも死にそうなんですぐ見てください!」
と医者に謝罪し、やっと父は救急治療室に運び込まれた。
そこは今にも死ぬような状態の人が運び込まれるところだ
父はギョッとしたらしく

「おい・・・、ここは・・・
俺はもう死ぬのか・・・・・・・?」

と言うので家族一同仕方もなく
「そうかもね~」
と頷いた。

カッと目を見開き、父は気力を振り絞り
何か言おうとしている。
遺言なのか・・・。
緊張する家族に父は

「おい、葬式は・・・
葬式はどうするんだ・・・
いいか、絶対に密葬にしろよ!
あれが一番値段が安いんだ!!」

と吼えて昏睡状態に落ちた
父の倹約好きは今にはじまったことではないが
お父さん、最期の言葉がそれですか・・・と脱力する家族一同。

しかし、それは最期の言葉ではなかった。
点滴や、さなざまな処置がされると
父はみるみる持ち直し家族を驚かせた。
どういう体をしているんだろう・・・。
レスリングで日本一にまで上り詰め、オリンピックにも出場したことのある父である。
やはり普通の人とは体のつくりも精神力もケタ違いなのかもしれない。
すっかり呼吸も楽になった父
パッと目を開き
「ああ、本当に死ぬかと思った!」
ニッコリ笑うと今度はスヤスヤと眠り始めた。

お父さん、本当にあなたはスゴイ・・・。
寝ている父に面会時間が過ぎて追い出されるまで私は父親の枕元に座っていた。
死にそうなのにまるでコントみたいなのだ。
私は一生かかっても父親みたいにはなれないだろう。
明日はきっとまた怒鳴りだすに違いない。
120歳まで生きたい、と父は言う。
本当に本当に
脱帽です・・・。

#日記広場:日記

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2010/07/20 21:32
はづきさんありがとうございます。
帰省はいかがでしたか?
お孫さんの顔を見れてお父様も嬉しかったでしょうね。
父は自分がそう長くないと感じているらしいですが、自分がやれるところまで頑張る気でいるみたいです。
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2010/07/20 20:32
すごすぎますね**;
うちの父もスポーツ&格闘技三昧で、心臓肥大で一度倒れました。
今も本調子ではないですが、だいぶ快復しています。
本調子だったら栃木から広島まで平気でクルマかっ飛ばして来てるのでしょうが、そんな状態なので2年も孫の顔を見せられずにおりました。

しかし、病院の対応は冷たいですね。私も子供のことで一度女性看護師の冷たい言葉をもらったことはありますが・・・。
ま、同じ経験をしなければ分からないことだと諦めました。

お父様は余命のことを知ってしまったのでしょうか?
落胆してそうですね。120歳まで是非生きてほしいと思います。
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2010/07/19 09:23
果歩さんのお父様はもとボクサーでしたか。
私や果歩さんの父親の年代でスポーツをやっていた人というのは、練習の時も水を飲まずにやっていた世代ですよね。
今みたいに科学的で合理的な練習法が確立されていたわけではなく、ひたすら根性根性で耐え抜くことが自然に身についているので、無茶な事平気でするんですよね。
果歩さんのお父様の中にも、スポーツ選手のど根性というぶっとい一本の柱が精神の真ん中にあって
それがどんな時もお父様を突き動かす精神力になっているんですよね。
世の中には自分の父親を尊敬できないどころか、バカにしたり邪魔に思ったりする人間もいるようで
そんなのから比べたら私や果歩さんはすごく恵まれているんでしょうね。
誇りにできるような父親を持って本当に幸せなことです。
果歩さんの素敵なお父様もお体大事にしてお仕事がんばってください。
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2010/07/19 03:34
わたしの父はサビさんのお父様と違ってオリンピックどころか、
(ボクシングだけど)高校のときに国体に出場決定していたにも関わらず、
妬まれてからまれて、それにまんまとのっちゃって出場停止^^;
高校卒業後は仕事とお酒でグダグダと、ボクシングから遠ざかったと、本人談。

でもサビさんのお父様をふたまわりかみまわり情けなくしたのが父かな、
精神性は似ているところがあるなぁ、と思いながら読ませて頂いてます。
腰を痛めて歩けなかった日も建築の仕事に行くし、(母の肩を借りて車まで辿り着いてしまえば後は精神力で
運転し、朝から晩まで資材を担いできた)
体を壊したときはやっぱり救急車になかなか乗ってくれなかったし、かっこよくも大変なひと。
大変だけど見習いたいひと^^

お父様はまだまだサビさんに、日々たくさんのことを伝えてくれそうですね。
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2010/07/18 00:51
あくあさんありがとう。
父親の「葬式は一番安いのにしろよ!」
には本当に唖然としました。
病院が冷たい対応なのにも驚きましたが・・・。
父がもう少し落ち着いたら、別の病院に移してあげたいと思います。
私の父親自慢におつきあいいただいて本当にありがとうございます。
父親は化け物みたいな体力と精神力の持ち主です。
私は病人相手ということを時々忘れてしまい、
つい笑ってしまい、父親に叱られています。
まだまだ叱られたい私なのです・・・。
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2010/07/18 00:38
lapoさんありがとう。
私は父親から、いついかなる時も冷静を保つように教育をうけたのです。
私にそんな教育をしておきながら
父親はよくカーッと逆上しているのです。
本当にコミカルで、命がかかっているのについ笑ってしまい
そのたびに父に怒られているのです・・・。
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2010/07/18 00:37
本当にすごい。
今はちょっとした風邪でも救急車呼ぶ人もいるって話なのに・・・
しかも自分が危ない時にそんな言葉がだせるなんて・・・・
人は普段いくら格好いい事を言っていてもいざという時にはダメになる事が多いと思うのですが。
お父さんは、今までの人生、いろいろな困難に逃げないで真正面から向き合い、誇り高く生きてこられたんでしょうね。
本当に尊敬します。
これからも看病大変だと思いますけど頑張ってください。

それにしても、その病院、そんな事を言うなんて・・・・まず、真っ先に治療するべきなのに。
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2010/07/18 00:15
事態が二転三転していますが、うろたえ
られることなく、冷静に対処されているよ
うで何よりです。
何とか持ちこたえられるといいですね。
頑張って支えてあげてください。
明日もあるから、今日はゆっくりお休み
になってください。




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