Nicotto Town


錆猫香箱日和


花火


7月に亡くなった父の納骨をおこなうため
深川のお寺に行きました。
深川はかつてお江戸の中心にあたるところにあり、
当時は古都ヴェネツィアにも匹敵するほど
町なかに縦横に移動のための水路が流れていたといいます。
今ではその水路の殆どは埋め立てられてしまいましたが
大きな川や、地形そのものは残されており、
藤沢周平や池波正太郎が小説に書いた世界を
江戸の古い地図を見てたどることも可能なほどです。

今日も暑く、日差しは強烈でしたが、
レスリング、格闘技を愛し、
あくまで自由に生き続けた父にとって
この照りつける猛暑はふさわしいように思いました。

今回の納骨は身内だけでひっそりととり行いました。
お寺に到着し、まず先祖代々の墓に足を向けると、
大きなアゲハ蝶がお墓の周りをひらひらと舞い飛んでいました。
お寺の中でお経をあげてもらい、法要を終えて外に出ると
そこにもやはりアゲハ蝶が待っていて
私たちを見送ってくれました。

父の位牌とともに実家に帰宅しました。
真新しい仏壇に父の位牌を据えると
初めて
もう父とは2度と会えないのだ、という実感がこみあげ
涙がとまらなくなってしまいました。

実家を出て、自分のアパートに帰宅しようと電車に乗ると、
走っている電車の車内から花火が見えました。
私にはこの夏始めて見る花火です。
車内から途切れ途切れに見える花火は
まるで私が幼い頃父に手をひかれて見た記憶そのもののように
音もなく、浮かんだり消えたりしていました。

すぐ隣で、若い女の子がはしゃいで私の視界をふさいでしまい
途中から見えなくなってしまったので
私は涙をふいて立ちました。
早く秋風が吹くといいのに、と思いました。

#日記広場:日記

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2010/09/06 19:27
はづきさま
父が入院中からとても親身なコメントをいただいていました。
いつもありがとうございます。
私、この時見た花火がこの夏でみた唯一の花火だったんですよ~!
遠くの電車の窓から見る花火は全然現実感をともなわず
まるで電気屋の店先で見るテレビ画面みたいでした。
それにしても、はづきさまも含め、私のページに来てくださる方ってみんな文章がうまくて、
しかも誠実な人格がそのまま感じられるような、暖かいコメントを残して下さる方ばかりで
本当に有難いな、と思っています。
夏に何故か強い喪失感を感じるのは、はづきさまの言うように戦争のせいかもしれませんね。
ベビーカーにとまったアゲハ蝶は、ベビーちゃんを天使だと思ったのかもしれませんね。
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2010/09/06 19:11
りんさま
いつも暖かいコメントありがとうございます。
私の父親、アゲハ蝶に導かれてちゃんと天国で大人しくしていてくれるといいのですが。
地獄の閻魔さまを追い出して、自分が閻魔様の変わりに居座りかねない雰囲気の父なのです。
そうそう、兄と弟の所の3歳と5歳の姪っ子と甥っ子は、退屈な法要の間も大人しくいい子でした。
父が入院していた時から彼らはいい子で、病院で一生懸命父を励ましたり
通夜や葬儀の時もとても神妙で大人しくしていました。
5歳の甥っ子はお経をあげてくれる住職のことを
「じいじのお別れのお歌を歌ってくれる人だよね」
と言っていました。子供の表現って面白いです。
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2010/09/06 15:28
納骨をされたのですね。
人の世で一番長い時間をかけるお別れは、死者とのお別れなのでしょうね。
いつまでも見送っていたい・・・そう思ってしまいます。

しかし、暑い中、御苦労さまでした。
夏は生命が一番盛んに活動しているようにも思いますし、イベントも盛りだくさんで明るい印象がありますが、
それとは裏腹に、何かが消える喪失感も強い季節であるように思います。
たぶん、お盆があり、原爆投下や終戦記念日など、死や、それに伴う遺族の悲しみに関する行事がすべて夏に収められているからでしょうね。
一番力強い季節であると同時に、一番「命」について考えてしまう季節なのかもしれません。

アゲハ蝶の飛び方は頼りなくも優雅ですね。
奇遇といってよいか分かりませんが、先日、買い物から帰る途中、アゲハ蝶がベビーカーにとまりました。
不思議ですね。蝶の中では大きい方とはいえ、あの小さな面積にあれだけの芸術的な模様が出来るとは・・・。

音も無くあがる花火は、サビさんの文章から鮮明に想像をすることが出来ました。
上手いですね、文章。
早く秋風が吹くといいのに・・・は、早くこの悲しみが癒えればいいのに・・・と言っているように感じました。
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2010/09/06 13:08
改めてお悔み申し上げます。
アゲハ蝶に見送られていったお父様、これからは
サビさんの事を、いつも天国からみてらっしゃるので大丈夫ですよ!!
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2010/09/05 21:24
☆流夏☆さま
まだ知り合ったばかりですが、私は☆流夏☆さんのことがとても好きです。
いつも暖かいコメント、ありがとうございます。
父は7月に83歳で癌で亡くなりましたが、亡くなる前の年まで仕事をしていました。
入院してからも酸素ボンベつけたまま病院を脱走してきたりして
家族はハラハラさせられっぱなしでしたが、一生好きなことだけして自由に生きてきたので
多分後悔のない生涯だったと思います。
ありがとうございました。
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2010/09/05 20:57
最近サビさんのことを知ったのでそんなことがあったとは知りませんでした。
あらためてお悔やみ申し上げます。
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2010/09/05 19:00
あくあぴえろさま
いつも暖かいコメント、ありがとうございます。
アゲハ蝶は天国からの使者なんですね。
では私や家族の父を思う気持ちも、アゲハ蝶が父に伝えてくれたでしょうね。
父が心配しないよう、しっかり生きないと怒られてしまいますね。
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2010/09/05 18:52
左近さま
いつも暖かいコメント、ありがとうございます。
今日は本屋に行って左近様の薦めてくれた伊坂幸太郎の本を買いました。
とても面白いです。
いつもありがとうございます。
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2010/09/05 15:15
9月に入ったというのにまだまだ暑い日が続きますね。
昔、幼少の頃、お墓参りに行ったとき、同じようにアゲハ蝶がお墓の周りを舞っていました。
僕が捕まえようとすると、祖母が
そのアゲハ蝶は、ご先祖様が天国で楽しく暮らしている事を教えてくれるために遊びに来ているんだよ。だから捕まえたらだめだよ
と、言っていたのを思い出しました。
サビさんのお父様も天国に着いてる頃ですね。
きっと天国で楽しく暮らしいくのだと思います。
サビさんも楽しく生活している姿を天国のお父様に見せてあげて下さいね^^
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2010/09/05 10:10
謹んで哀悼の意を表します。




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