お彼岸2~父の猫編~
- カテゴリ:ペット/動物
- 2010/09/22 22:02:28
実家の猫、太郎は今年8歳になる雄のエキゾチックショートヘアです。
アメリカンショートヘアとチンチラをかけあわせた品種なんですが、
ハッキリいってブサイクです。
顔に凹凸がなく、鼻は豚みたいで、手足は短く、耳も不思議なほど小さいです。
しかも私は長毛種があまり好きではありません。
猫は短毛の雑種が一番可愛いと思います。
そんな私が何故全然可愛くない長毛種の猫を飼うことになったか、といえば
たまたま知人の相談にのったのがきっかけでした。
私は昔から猫が大好きです。
人からも猫みたいな顔だと言われるので、
そうなの、私は猫なんだってば、と猫人間宣言していたのです。
7,8年程のある日、私が行きつけのバーでウイスキーの水割りを一人で飲みながら、ジャズの音色に心地よく身をゆだねていると、突然断りもなく隣にすわり、
「こんばんわ」
と声をかけてくる女性がいました。
顔見知りだけれど、そんなに親しく2人で話したことなどない人です。
「こんばんわ。今日は彼氏と一緒じゃないんですか?」と私が聞くと
「はい・・・あの・・・相談があるんです」と彼女。
『相談・・・何の相談ですか?」
「はい、私の飼い猫のことで・・・」
ああ、猫ね。猫のことなら何でも相談にのりますよ、と納得して身をのりだすと
彼女は安心したようにニッコリ微笑んで
「じつは、うちで飼っている猫をもらってほしいんです」
え、驚いて思わずウイスキーの入ったグラスを倒しそうになる。
「うちの猫、全然私に懐いてくれないんです」
「あ、そうなんだ。どんな飼い方してるんですか?その子の性格とかもあるし」
といろいろ問いただしてみると、驚いたことにこの女性は
猫をペットショップで買ってきて、今年一歳になるまでずっとケージのなかで飼っていたという。それはなにか事情があるのか、と質問すると
「私の手にも爪をたてるんですが、家具が傷つくんですよ」
で、もしもらってくれるなら、家具が傷つくと申し訳ないので
その猫に爪を除去する手術をします、と言う。
私はその猫を思い、胸がしめつけられた。
家具が傷つくという理由で1歳までケージに押し込められて、
爪まで除去されようとしている猫。
私の体のそこからマグマのように怒りが吹き上げた。
「わかった。猫は私がひきとります。ただし、爪の手術は不要です。
そのかわり、条件があります」
「条件・・・ですか?」
「あなたには動物を飼う資格なんてないから。
このさき一生動物を飼わないでください」
飼ったらブッ飛ばすから、と私はつけくわえた。
この馬鹿女から引き取った猫は最初自分のアパートにおくつもりだったのだけれど
当時存命だったサビちゃんとおりあいが悪かったため、実家に連れて行き
事情を話すと、父は心底驚いたらしく
「そうなのか!1歳になるまでケージで!」
と言いながら猫を見つめ、つぎに涙目になった。
その日から父は猫を『太郎』となずけ、愛し始めた。
家のどこで太郎が爪とぎしようが全くおかまいなしで、父は太郎を甘やかした。
太郎もそんな父の愛情を健気に受け止めていたようで
とくに昨年から父が癌で入院したりしている間、
太郎はまるで忠犬ハチ公のように、窓際から外を見張り
父の帰りを待っていた。
容姿とはうらはらに賢い猫だったのだ。
父が亡くなった朝、私と母は昨夜から太郎がご飯抜きだということを思いだした。
で、亡くなった父の亡骸を弟や兄に見守っていてもらい、急いで帰宅した。
玄関を開けて部屋に入ると異臭がした。
見れば太郎が部屋のスミにうずくまり、カーペットに太郎の糞尿が撒き散らされている。しかも太郎のトイレの真横に。
太郎は実家に連れてきた日から一度もトイレを失敗していない。
その太郎が糞尿を撒き散らし、ご飯をあげても食べようとしない。
しかも、あんなに父の帰宅を待ち焦がれていた太郎が、
その日からパッタリと父を待つことをやめた。
きっと父は、自分が亡くなったことを太郎に告げたのだ。
もう、待たなくていいよ・・・と。
でも太郎は多分父がずっと見守っている。
太郎は最近いつ行っても父の仏壇のそばで眠っているのです。
犬や猫をケージに入れたままの人って、いったいどういう神経なんでしょうね。
猿の惑星って映画があって、猿の惑星に行くと、猿と人類の立場が逆転しますよね。
犬とか猫をケージに閉じ込めたままの人って、ああいうふうに
「もし自分が犬とか猫とか、動物だったら・・・」とか
想像してみたこととか1度もないんでしょうか。
すごく不思議なんですよね・・・。
閉じ込められて育つのといっそ捨てられて野良になるのと、どっちがマシか・・・。
どっちも不幸にはかわりないか。
考えると、胸が痛みますね。
太郎はたまたまラッキーで、年末ジャンボ宝くじに当たったようなものですね。
父自身が気ままな猫みたいに、自分の好きなことしかしなかったし
猫とはそりゃ気があったでしょうね。
ま、すでにあの世に父が可愛がっていた動物たちがわんさかいるので
天国でも全然寂しくないと思います。
同じく天国にいる自分の弟子に猫のトイレ掃除とかさせてたりして!
犬を保護してる知人からは、何度聞いたか知れないし、
ニコタでも、ウチによく来てくれてる がめらちゃんちのコーギーは、
最初の飼い主に捨てられた子で、
その元飼い主が、ケージに入れっ放しで育てた為、歩かない、歩けない、メタボ犬に。
しかも、犬だもので、
そんな目に遭わされたのに、いまだに、元飼い主の名前に反応して、伏せをするんだって。
猫は・・・その点、違いますよねー。
エサくれようが、くれなかろうが、
かわいがってくれようが、くれなかろうが、
社会的地位が高かろうが、低かろうが、
自分が感覚的に「好き♥」と思った人は好きだし、「嫌い」な人は、ずっと嫌い。
「エサの時しか甘えてこない」って、文句言ってる猫飼いの人が、よくいるけど、
「好かれてないだけじゃん^^;」と、ズバリ言ってやるには、
私も多分に感覚が猫に近いせいか、
そういう人達って、わざわざ説明してやるのが、面倒になるよーな人なんで、
スルーしちゃってます^^;
太郎ちゃんは、お父様が可愛がってあげたから、お父様に懐いたんじゃなくて、
お父様が「好き♥」だったから、懐いただけだよね。
今も、「大好き♥」なんだよね。
しかし・・・確かに、エキゾチックショートヘアは、ぶちゃいくだ。www
まぁ、人類だって、
ぶちゃいくだけど素敵なヤツも、その逆も、ようさん、おりますからねぇ。。。
私もハムスターやインコや文長を飼っているとき、1日に何回かはケージからだして
部屋をお散歩させてあげていました。
1歳までケージで育ったなんて、本当に不憫でした。
しかもその飼い主、太郎をダンボールみたいな紙のキャリーに入れてひきわたしてきたんですよ。
「この子を買ったときのいれものです」とか言って。
洋猫の大きな体が紙のキャリーにぎゅうぎゅうに詰められていて、
かなり可哀想な状態でした。
そうです、人間も猫も、さらにはあらゆる動物の命は平等です。
私は子供の頃、人間はほかの動物の生命をいただいて生きているのだから、それを感謝して
生きていることをありがたく思え、と父や母に教わりました。
そして身の回りには常にいろいろな動物がいました。
多分、子供の頃とかに動物と接したことがないと、大人になって動物を飼いたいと思った時
動物との接し方がわからないんだと思います。
左近さんの言うように、ひとクラスに1匹犬を飼うとか、
そういう教育の仕方があってもいいように思います。
そして『目には目を』大賛成です。
動物を捨てたり虐待する人間は、その動物と同じことをしてやりたい、といつも思います。
猫ちゃん、亡くなったのですか。
ご冥福をお祈りします。
亡くなった猫ちゃんも、ken-ozさんのような優しいかたのそばで一生を送って幸せだったでしょうね。
きっと猫ちゃんは天国で見守ってますよ。
私も昨年の冬にサビちゃんという長年一緒に暮らしてきた猫が亡くなった時、とても辛かったです。
サビちゃんが亡くなる前に拾ってきた猫は、たまに生前のサビちゃんそっくりの声で鳴くことがあって
サビちゃんは、私や後輩猫2匹を見守ってくれてるのかなと思います。
猫ちゃんが亡くなってしばらく辛いかもしれませんが、あまり悲しむと猫ちゃんも心配するのでは。
がんばって愛猫の死を乗り越えてくださいね。
小動物でもあるまいに><
わたしが小動物を飼っていたときでも、いつも狭いところではストレスがたまるだろうと、
見ているあいだだけ部屋の中を走り回らせたりしてました。
猫は高いところに登るのとか、遊ぶのが好きですよね^^
太郎くんが良い飼い主に巡りあえて良かった!
人も猫も信頼し信頼を得るという意味では対等です。
サビさんのお父様はステキな方ですね。
いやサビさん家族がステキなのか。
残念なことにこのような飼い主と似た話を結構聞きます。
爪を抜く、牙を抜く、声帯を切る、等々・・
懐かないから近所の公園に捨てる、と聞いて急いで猫保護活動をしている知人に保護して貰ったこともあります。
動物に対する意識の低さと覚悟のなさが伺えます。
一方、人生の過程おいて動物を飼うための訓練を受ける機会がないという問題もあります。
学校の道徳の時間などで教えてあげても良いのではと個人的には思います。
各教室で犬や猫を飼うという情操教育なども出来ると実践的で良いと思うのですが。
真に猫好きな人は能動的に知識を身につけていきますが、(そして猫に寛容)
そうでない人があらかじめ知識を備えておくこともなかなか無いと思いますし。
私はよく友達等にはハンムラビ法典で裁けば良いんだよ!目には目をだよ!と本気とも冗談ともつかない口調で言ったりもしますが、本当の解決方法は、多くの人が猫をはじめ正しい動物飼育の知識を持ち、社会全体の意識を底上げしていくことこそが解決への道のりではないかと考えているのです。
とここで述べても釈迦に説法なのですがヽ(´-`)ノ
実はウチの猫も長毛ばっかですよ、27年前飼ってたヒマラヤンと先日亡くなったメイクーンのmixです。
自分もペットに看取って欲しいもんです、老衰とはいえ、しばらく飼えないです。
多分この人は、猫を観賞するために購入したんだと思います。
こういう奴は多分生きている猫を飼っても、剝製にされたタヌキを買っても、扱いは同じなんでしょうね。
こういう人は私のなかでは
市中引き回しの上、獄門、さらし首の刑です。
太郎の最初の飼い主は、太郎が賢い猫だという話をしたら、とたんに猫が惜しくなったらしく
「そういう状態だったら、私も飼えるかも」
とか言い出したんで、ハッキリ
「バーカ!てめえ、いい気になってるとブッ殺すぞ」
と言ってやりました。
動物飼うような資格のない人が
猫可愛い~とか子供可愛い~とか玩具みたいな感覚で育て親になってしまうのが一番困りますね。
太郎くんは 随分 辛い目にあっていたんですね ...
サビ猫さんと出会う運命だったのかもしれません ...
太郎くん、やさしい人に出会えて 良かったね ...
爪を除去する手術なんて、私は絶対に許せません。
麻酔してやるからっていっても、やっていることは虐待と同じですよね。
でもそういう手術があるってことは、そういう需要があるってことで・・・。
きっとそういう手術を受けた猫は、すごくショックをうけるでしょうね。
人間の都合でよくもそんな勝手なことができるもんんだ。
今思い出しても、すごく頭にくる話です。
愛情を持って接していれば、そこまで意思の疎通ができるのに…
最初の飼い主さんは、動物を、命を尊ぶ事を知らないかわいそうな人です。
こんな人が結婚して子供を産んだら、部屋が汚れるからといってどこかへ閉じ込めてしまいそうです。
後半、涙でブログが読めませんでした。最近涙腺がボロボロなのは歳のせいだろうか^^;
ネコをゲージに入れたままだったなんて信じられない。
その人は本当に動物を飼う資格はないですね。
爪を除去する手術なんてあるのですか?
びっくりしました。ネコから大切な爪を奪うという考えが理解できないです。
太郎君、サビさんちで飼ってもらえてよかったね。
サビさんのお父様、今でもこっそり太郎君と遊んであげてるんでしょうね。
1歳までケージってひどすぎるでしょ。
本当に頭にきたんですよ。
しかも太郎ちゃんは、すごく聡明で、爪も家具よりも猫用の爪とぎを使うことが殆どです。
父が亡くなったあと、父を捜さなくなり、また元に戻った太郎。
多分父がちょくちょく太郎に会いにきているのでしょうね。
☆流夏☆さんのプログに書いたコメントと一部重複してしまって申し訳ありません。
本来自由奔放な猫が一年間ケージの中で飼われていたかと思うと涙が出そうです…。
でも サビ猫さんの実家の猫ちゃんになれて本当に良かった。
猫ちゃんって敏感で可愛がってくれてる人のことに気づいてるんですね。
いつまでもお父さんはサビ猫さんたちご家族を見守っているんだと思います。
ペットショップで見たら、ぬいぐるみみたいで可愛かったのに
家具は傷つくわ、なつかないわ、で全然想像と違ったそうです。
懐くわけがないっての。
まだ保健所に連れて行ったり、捨てなかったりしたから少しはマシだけど
本当に同じことしてやりたい。
監禁して、爪をひとつずつ剥がしていってやりたい。
知り合いの彼女じゃなかったらマジでブン殴るくらいはしたかもしれません。
太郎君 サビ猫さんの家に来て良かった。お父様に可愛がられてとっても良かったです。